
4月30日のなのはな
1日、“全力”でジャガイモの土寄せをしました!
午前の畑は、下町川下の畑、そして山畑上の2枚の畑までを終えることが目標でした。リーダーをしてくれていた、さくらちゃんが「目標を達成できたらすごい!」と、みんなを奮い立たせてくれて、土寄せが始まりました。
土寄せは、ジャガイモの葉が2、3センチ残るぐらいまで土をかぶせました。ジャガイモの畝肩にまかれている牛肥も、いっしょに埋めていきます。
下町川下の畑も先日、畝間を耕してくれていたのですが、2枚目の山畑からは、さやねちゃんとゆきなちゃんが、私たちの作業と同時並行で管理機をかけてくれたばかりの土で、すごくふわふわでやりやすく、株を傷めないようにくわを振り、ジャガイモに土を寄せていくのが楽しかったです。
ジャガイモは、成長点を気にせず、さらさらな土であれば株をすべて埋めてしまっても成長するということを教えてもらい、葉の先2、3センチだけを残して、たっぷり土をかぶせました。
土にたっぷりと埋まったジャガイモが、お風呂に浸かっているみたいで凄く可愛く、さくらちゃんが、「ジャガイモが喜んでるね」と言っていて、綺麗な青空の下で緑にキラキラしたジャガイモの葉を見ると、本当になにか、ジャガイモがるんるんと青空の下で喜んでいるみたいに感じました(喜んでいるのは、芋がたくさんついたら嬉しい、私たちかもしれませんね)。
そして、みんなで畝間に1列になりながら進んでいると、気づいたらいつの間にか目標が達成され、次の畑に行っていました。暑い中、こうしてみんなと汗をかきながら掛け声を掛け合って、身体を動かすってこんなにも楽しいんだな、と、身体をいっぱい使いながら、そう感じました。
そして、時間がたち、作業が進むごとに掛け声が変わっていきました。
最初は、「次いきます! 反対側入ります!」と誰かが言ったら、返事は「はい!」だったのですが、やがて、「寄せる!」や「よせじゃが!」、最後は「全力!」で掛け声をしました。
もう、そのみんなの掛け声に凄く元気をもらい、誰かが「次いきます!」と言うたびに掛け声を言って嬉しい気持ちになり、「よし! やるぞ!」という気持ちで進めることができました。
そして、どこかに少しスペースが空いて手が足りなくなってしまっても、絶対に誰かが来てカバーしてくれて、そうして仲間とカバーし合いながら、どんどんジャガイモを土寄せできたことが、嬉しかったです。
土をくわで上げていく、このたった1つの工程だ、と最初は思っていたのですが、みんなと気持ちを通じ合わせて、つながって、掛け声を上げ、汗をかきながらも、たくさんのふっかふかな土を上げていく感じが、すっごく面白くて楽しかったです。
そして、目標を超えて土寄せができ、みんなで「やった!」と幸せを感じながら午前を終えられて、胸がいっぱいになりました。
午後は、お昼前に途中まで行っていた、山畑下畑から始まりました。またみんなで1列になり進めていきました。土が耕されていること、みんなの力もあって、どんどん進んでいきました。
途中で腰を伸ばすタイムを作ってくれて、すごく気持ちがよかったです。

活気ある空気のなか全力で畑を進んでいくたびに、気持ちが晴れていきました。
夕の子畑に行くと、あゆちゃんがいて、耕運機で畝間を耕してくれていました。私たちが行ったとき、その耕しが終わったところで、ちょうどいいタイミングで交代できたみたいで、さすが、あゆちゃんだなと感じました。
土寄せのスピードが速く、かつ質も高くなっていき、みんなで土寄せプロになり、進めていけたのも嬉しかったです。
山畑下畑から始まったのが、気付いたら、魚とり畑、夕の子畑を終え、ジャガイモの畑で一番大きい夕の子東畑を、みんなで土寄せしていました。ここまで行けると思っておらず、それだけでも驚きました。そして進めていき、ラストに近づくにつれ、また掛け声もいくつか変わっていきました。
最後の畑では、管理機をかけ終わった、さやねちゃんやゆきなちゃん、そしてやよいちゃんやみつきちゃんがヘルプに来てくれて、2チームに分かれて進めていきました。
疲れなんてどこにもないみんなの姿を見て、自分も力をもらい、全力で進んでいきました。こうしてみんなの力を借りて元気になれることが、凄く嬉しいです。みんながいなかったらここまでできなかったな、と身体と心で感じました。
ですが、ラストスパートで少し疲れてきてしまい、その時にまた掛け声が変わりました。みんなの掛け声が「全力!」になりました。その瞬間、もう疲れがふっとんで、なにか魔法みたいに心の奥底から力が湧いてきて、皆の「全力!」という力強い掛け声に救われ、最後まで全力でいけました。こんなにも、言葉だけで元気が出るんだな、と知り、みんなの存在がきらきらして、大切な存在だなと改めて感じました。
そして、もう終わる! というところまで行くと最後に、「終わらせる!」という掛け声になりました。もうその掛け声を聞くだけで嬉しくて、どんどん終わりになるにつれて掛け声が大きくなっていき、終わったとき、みんなですごい達成感の中、「やった! 全部終わった!」と言えた時間が、幸せでした。
こうして仲間と一緒に達成感を味わえること、こうして一緒に喜べることが、本当の幸せなんだろうな、と、「今、もしかしたら世界で誰よりも幸せなのかも」と思いました。
今日のジャガイモの土寄せの時間は、自分にとって幸せをまた深く教えてくれた作業になりました。
(かのん)
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桃は今、実が直径7、8ミリまでに成長しています。葉が大分出始めてきていて、みるみるうちに、桃の樹が緑色に茂ってきています。しかし、これからの季節、活発になるのは、美味しい桃を求める虫たちも一緒です。
桃を守るため、自家製の自然農薬を用いた防除を行ないました。
私たちは今、自然農薬や、早期からネットで樹を覆うことで桃を守る栽培を、確かなものにするべく、動いています。
今回、使った自然農薬は、『灰汁』『フェニルアラニン(アミノ酸)』『トウガラシ焼酎』『フーモン』を混合しました。
灰汁は、草木灰を水に溶かした上澄み液を使います。草木灰は、アルカリ性なので、抗菌効果があります。また、カリウムが豊富で、植物が元気になる効果もあります。草木灰が沈殿し、上澄み液になったものは、透明でキラキラしていて、色も出汁のようで、とても綺麗でした。灰汁をベースに、他の自然農薬を混ぜました。
フェニルアラニンは、アミノ酸の一種です。アミノ酸をやることで、植物が、直に栄養として吸収することが出来ます。さらに、フェニルアラニンは、植物が自分自身で作る免疫「フェノール」の元となるアミノ酸です。そのため、フェニルアラニンを散布することで、病気に強くなります。
トウガラシ焼酎は、害虫忌避・殺虫効果があります。ちょうど1週間前に仕込んだばかりですが、トウガラシのエキスが焼酎に染み出して、つんとした辛み成分が目や鼻から入ってきて、人間にも効き目がある、と感じました。今日は、1万倍でタンクに混ぜました。本当にこの倍率で効果が出るかどうか、これから見ていきたいと思いました。
フーモンは、食品添加物にも使われている成分と、
石生の桃畑には、ミツバチの待ち受け箱も2つ設置しています。作業中、待ち受け箱には袋をかけて、自然農薬であってもかからないようにしました。けれど、自然農薬であれば、残効は短く、ミツバチにとっても優しいのではないかなと思います。
桃の害虫で、あまり知られていないのが、アリです。
今年は、お父さんが考えて下さり、今から、アリトラップを畑に設置して、畑にいるアリを退治する対策をうつことになりました。アリトラップは、コーンスターチと砂糖を同量ずつ混ぜたものを雨の当たらない容器に入れ、地面に置きました。コーンスターチは、殺虫効果はないのですが、アリが食べると消化不全になるようです。
重曹と砂糖を混ぜたものも用意して、どちらが効果があるのか実験中です。
飛んでくる虫などは、ネットを掛ければ防ぐことはできるけれど、アリは、ネットを掛けても効果はありません。けれど、トラップの対策で、効果があれば嬉しいです。今は、設置したばかりで観察途中です。アリの巣がどこにあるのか、どの大きさのアリが寄ってきやすいのか、ちょっとずつ分かってくるのが楽しいです。
新しい栽培方法を作っていけることに、緊張するけれどワクワクします。今が完成形ではなく、もっと良くしていけるように、桃の樹をこれからも見て、一番良い策を打っていけるようにしたいです。
(りな)
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