「本当に願っていた世界」 みつき

4月20日

 

 「加茂郷フルマラソン全国大会」に出場してきました。
 まだ顔が火照っていて、脚はわずかに痛みや重たさを感じます。この身体の疲労感が、「ああ、42キロを走って来たんだな」と思わせてくれます。けれどもやっぱり、まさか自分が走りきることができたなんて…。そんな信じられない気持ちでいっぱいです。
 本当に自分ひとりだけでは成立しない、走りきることはできなかったということを強く強く感じています。

 自分のすぐ近くを走ってくれる子が居てくれました。ひろこちゃんやほしちゃん、さくらちゃんと「今、ちょうど8キロペースだね!」と言いながら、ずっとそのままのペースで折り返し地点まで来ることができました。

 応援組のみんなが「良いペースだよ!」「みつきちゃん頑張って!」と、すぐに自分を見つけて、大きな声をかけてくれました。行く先々で、いつも笑顔で待っていてくれて、本当に一緒に走ってもらったような気持ちでした。こんなに元気で大きな声で応援をしてくれるなのはなのみんなの存在が、本当に誇らしかったです。
 お父さんお母さんもずっと待っていてくださいました。お母さんが折り返し地点で手渡してくださるかりんとうは、今年も変わらず大きな『爆弾かりんとう』(と、勝手に呼んでいます!)でした。食べた途端にじゅわあっと甘さとエネルギーが広がりました。

 いつもの場所、グラウンドの入り口前にお母さんが居てくださいました。お母さんがハイタッチしてくださり、まえちゃんが居てくれて、みんなが「みつきちゃん!!」と呼ぶ声が聞こえました。
 グラウンドに入ると信じられないくらいに身体が軽くなりました。折り返してから痛みを持っていたのが嘘のように足が動きました。かのんちゃんとなるちゃんがゴールテープを持ってくれていて、目の前にはお父さんが居てくださって、安心して、思い切り手を挙げてゴールをしました。

 お父さんが「みつき、よく頑張ったよ」とハグをしてくださいました。まなかちゃんが遠くで泣きながら、ビデオカメラを持ってくれていました。まなかちゃんと、そして次にゴールしたほしちゃん、たくさんの子たちとグラウンドで再会を喜び合うこの時間が、本当に本当に大好きで、幸せだな、と思いました。

 これが2度目のフルマラソン大会だったけれど、走れること、そしてフルマラソンを走りきれることは、もちろん当たり前のこと、普通のことではないです。

 相川さんの描いてくださったイラストのうちわ「走る人も応援する人も頑張れ!」のように、走る人も応援する人も、今こうして、嬉しい、ありがとう、と感想を伝えあって、嬉しさに浸っているこの空気があることも、当たり前のことではないです。
 みんなが走りきれることを願って全力で応援しようとする気持ち、みんなのもとへと戻ってこられるように、一緒に走る仲間と励まし合って、全力で走ろうとする気持ち。

 それがお互い様だったんだなと気が付きました。
 このフルマラソン大会の空気が、自分が望んでいた、本当に願っていた世界なんだな、と思いました。

 お父さんお母さん、みんなが最後にわたしを待っていてくれたこと、「お帰り」と言ってくれたこと、

 そのとき、紛れもなく安心し、本当にわたしはここに居て良いのだ、こんなわたしとして生きていて良いのだと、分かりました。

 自信と勇気と誇りを持って、真っすぐにこのまま人生を走っていって良いのだと、改めて分かりました。

 マラソン大会を通してみんなのことがいっそう大好きになりました。これからまたキャンプや畑も始まっていきますが、自分にできることを明日からまた頑張ります。