
4月16日のなのはな
この日がやってきた!
今日の主役が待っている、中庭の育苗ラックのもとへと急ぎました。
水やりをされて、葉の淵に溜まった丸いしずくがキラキラしています。
さあ、キャベツの苗を軽トラックに積んで、保育園前畑へ!
それにしても、苗の綺麗なこと。
鉢上げをしてから、それを喜ぶかのように、ぐんぐんと急成長を遂げたキャベツの苗。
運んできた600株のすべてが、害虫の被害も病気もなく、傷ひとつない黄緑色の葉をして、並んでいます。
現にわたしたちは育苗チーム、苗のお母さんなのですが、
「このキャベツの苗のお母さんになったら大変だろうな。どの苗もそっくりで、どの子がどの子かなんて、まったく見分けがつかないんだから……」
なんて考えてしまうくらい、すべての苗が同じように綺麗に育ってくれたことが、とても嬉しく感じました。
さて、苗を畝に60センチ間隔に置いていると、
「あれ、畝が足りないね」
保育園前畑に立てられた畝を見て、キャベツの苗が並んだトレーへと、目を移します。明らかに多い、キャベツの苗。
広く大きい保育園前畑、遠くのほうから「米ぬかとメジャー持ってきて、畝立てていきます!」と、まえちゃんの声が聞こえました。
こんなちょっとしたプチハプニングが、好きだなあと思えます。
思いがけず、畝立て大会の始まりです!
苗置き・植え付け隊の、かにちゃんとのりこちゃんに追いつかれないように、畝を立てていき、すぐにかまぼこ型にならしていきます。短い1スパンに4人くらいで入って、疲れ知らず、スピード良く畝が立っていきます。
それまで平らで何もなかったところがたちまち畝になっていく……。きっと、作りたての畝に植え付けされるキャベツもびっくりしているだろうなあ。
ネキリムシ対策用の草敷きも行って、あとはネットをかけるだけです。
まえちゃんが、「みつきちゃん、ダッシュでいってらっしゃい!」と笑って、ネットの端を手渡してくれました。
保育園前畑の長い畝を、ネットの長さがある限り、おもいきり走っていきました。
「お願いしまーす!」という声も聞こえてきて、ほかの作業を終えたたくさんの人たちが助っ人として来てくれました。
みんなで1畝に入ると、自分のやる範囲はほんのわずかになっていました。
この長い畝もたいしたことない、と強気に思えるくらいの多人数で、最後のネットの土かけができました。
17時ちょうどに終了してみんなと帰ってくると、中庭にあった育苗のラックが、空っぽになっています。
キャベツの苗を畑に送り出すことができた嬉しさと、ちょっぴり寂しさを感じてしまうのでした。
今日から、保育園前畑はキャベツ畑。
お待たせしました、キャベツの皆さん。
のびのび大きく、育ってくれますように!
(みつき)
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薄いピンクで染まっていた桃畑が、葉が出てきて少しずつ緑色を帯びてきました。花が落ちてしまう前に、急ピッチで人工授粉を進めなければ!! と、今日は、いつにも増してスピード感を持っての人工授粉でした。
ミツバチが少なくなり、受粉が完全にできないと、変形果が出てしまいます。綺麗な美味しい桃がなるように、私たちがミツバチとなり、桃の受粉の手助けを行ないました。
今日の人工授粉は、自家受粉する品種だけれど、受粉を完全なものとするための補填の役割を持った人工授粉でした。綺麗な桃がなるように、しっかりと受粉されるように、一つひとつの花の蕊に、梵天や筆で触れていきます。人工授粉をしていると、自分が本当にミツバチになったような気分になって、凄く嬉しい気持ちになりました。
作業をしていると、ミツバチの姿が! 先日、須原さんが、黄色いミツバチは西洋ミツバチ、黒いミツバチは日本ミツバチと教えてくださっていました。今日、桃畑で受粉を助けてくれていたミツバチは黒く、みんなで、「日本ミツバチが受粉してくれている! ありがとう!」と感謝したり、興奮したりしながら作業ができた時間が凄く暖かったです。
前に私が人工授粉の作業へ入ったときは、たくさんある枝のうち、どこをやったかが分からなくなりがちだったのですが、今日はあみだくじ方式で枝をたどることで、自分がしたところを見失わずにできたり、チームのみんなと、自分が終えたところ、まだできていないところの連携を都度取っていきながら、どんどん人工授粉を終わらせることができて、とても達成感がありました。

午前中は目標よりも進めることができて、午後に多人数で続きをし、今日で人工授粉が終了! 次へ次へと、たくさんの畑をまわっていると、任務のために出動しているような気分になって、凄く楽しかったです。
人工授粉を終えた後は、ヘーゼルナッツの植え付け準備と、桃の摘花チームに分かれました。私は桃の作業に入りました。
改めて桃を見ていると、少し前まで、あんなに小さな蕾だったのに綺麗な花が咲いているうえ、すでに鮮やかな緑の葉が出てきていて、時間の流れが速いなと感じました。そのうち、気づいたら実がなっているのだろうなと思い、また桃畑の変化を見られることが本当に楽しみです。
今まで桃の作業をしていて、完璧に終わらせたいという気持ちが強すぎて、質と時間のバランスがとれていなかったのですが、今日はすべて終えることができるように考えて、強迫的になりすぎずに作業できたことが、私の中で大きな変化でした。
作業の質と、その作業から生まれる成果を考えて、意味のある仕事をすることがとても大事なのだと気付いた、今日の一日の作業がとてもありがたくて嬉しかったです。
人工授粉がうまくいって、美味しい桃がたくさんなってくれますように。
(あや)

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