
4月14日のなのはな
昨日の雨で、古吉野や滝川沿いのサクラが散ってきていて、少し儚い気持ちになります。
桃の花も、今が満開、白皇など、早く咲き始めた品種は、満開期を過ぎて、風が吹くとひらひら花びらが散り始めて、その代わりに、小さく葉っぱが出始めています。
桃にとっては、花を咲かせている時期は、桃の最盛期で、一番大切な時期です。この時期に、ちゃんと受粉を成功できたかどうかが、良い桃を作る重要なキーワードになります。
桃の花は、一つの花の中に雄しべと雌しべがあるので、天候に優れて、ミツバチやハナバチなどの、受粉を助けてくれる虫がいると、自然に受粉することが出来ます。けれど、最近はミツバチが桃畑にもほとんど見なくなって、受粉を助けてくれる虫がいないです。
受粉が確実に出来ないと、実になっても大きくならないまま萎びたミイラのようになったり、半分だけしぼんでいる、変形果になったりします。最近は変形果がとても多くなっています。
今年は、そういった変形果をなくすために、人工授粉を回ることになりました。花が授粉できる時期は限られていて、もうギリギリのタイムリミットに来ています。まだ、回れていない樹が100本近くあり、急いで、大人数で今日は一日人工授粉を進めました。
17アール、26アール、奥桃畑、古畑を進めました。どの品種も、咲き終わりになっていて、花びらの色は、薄ピンクから濃いピンク色に変わってきています。花びらが散って、ガクだけになっているものもありました。それは、もう雌しべの役目は終わっています。まだ散っていなくて、まだ授粉が間に合いそうな花だけ、出来る限り多く救出できるように、みんなとスピードを意識して進めていきました。
一本の樹に、5人~7人で取りついて、10分で終わらせる目標で、タイマーをかけました。10分経ったら、出来ていても、出来ていなくても次の樹にいくようにしました。
そのため、時間内に出来るだけ多くの花に授粉せねば、と集中しました。人工授粉は、梵天をただ花に触るだけです。時間を意識しないと、どこまでも時間を掛けられる作業です。でも、目標時間を作ることで、作業に締まりが出来て、やる気も高まりました。
10分で次の樹に進むので、とてもサクサク進むことが出来ました。最初は、10分で一本の樹を終えることはとても難しく、甘さが残るなか次に進むのがとても名残惜しく思いました。でも、少しずつ、10分で一本の樹を終わらせる質を身に付けてきて、ちょうどぴったりみんなで一本をくまなく見終えられるようになってきました。
午前中17アールと26アール、全て見終わりたい! とみんなに目標を伝えて始めました。正直、とてもハードスケジュールだと思いました。17アールと26アール、人工授粉をする樹は二枚の畑合わせて成木は25本、幼木は7本ありました。でも、みんなが目標に沿って、同じ気持ちで作業してくれて、とても嬉しかったです。明日は雨予報だったり、人工授粉できる時間は限られています。でも、限られている時間の中でも、みんなと気持ちを一つにしたら、こんなにも進めることが出来るのか、と改めて感じて、人数がいるから出来ることだなと思いました。
どれだけ一人が高い技術を持っていても、頑張っても、人数の力に勝るものはないと思いました。桃の樹も、こんなにもたくさんの人に手入れされて、嬉しいだろうなと思いました。
人工授粉をした効果が分かるのは、小さな実になってきた頃。今年は変形果が少なかったらいいなと思うし、ドキドキするけれど、少し楽しみです。
(りな)
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4月14日の今日のフルメニューが、最後の石生一周コースのランニングとなりました。
この3か月間、津山加茂郷フルマラソン全国大会に向けてみんなと共に着実に走り続けてきました。
毎日時速8キロペースを守って走れるよう実行委員のよしみちゃん、さとえちゃん、のんちゃんらが先導になってくれて皆を引っ張っていってくれました。
皆が苦なく坂を上り切れるためのお題回しや筋トレの際に気を紛らわせるクイズを考えてくれたり……。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
雨の日はサーキットトレーニングや体幹トレーニングをしたり、いくら大変な作業で疲れが残っているからといっても絶対に怠ける事なんてなく、毎日着実に自分の身体を鍛えてフルマラソンを走り切れる身体になるために練習を積み重ねました。
私は改めて皆の強さに本当に圧倒されました。どこまでもへこたれない、寝込まない。打たれ強さや粘り強さを常日頃目の当たりにして
「皆の気持ちの強さに負けるもんか! 絶対に自分も屈強のキン肉マンになってやる!」
そう胸に決めました。
かといって、正直走るのは今の自分にはすごくきつくて、疲れます。
自分はいつもぜえぜえしていて、その姿はもう餌を目の前によだれを流してスーハーしている犬のようです。
でも気持ちとしては相当強気でした。
「私はボディビル大会で5年連続優勝を勝ち取ったスーパーボディビルダーなんだ。たかだか14キロのランニングなんてお手のもんよ」
そんな心もちでどうにか皆の背中(正確にはお尻、目の前の人のお尻をただ見つめながら)を追いかけながら、どうにか必死に、しがみつきながら、走りました。
ある時お父さんは
「ランニングは何か特別な味があるわけでもなくただただ走るだけ。すごくシンプルでスポーツ界のお米のような存在だ」
と仰っていたのが印象的です。
本当にそうです。ランニングは”ただ走るだけ”。
球技のように点が入るわけでも、誰かと競い合うわけでもなく、なんの変化もないままいつのまにか時間がただ過ぎていきます。
たったそれだけの事なのに、なぜか! なぜなんだか! 走る前より絶対に明るくなれて、逆にもっと元気になれる、エネルギーチャージになってしまう、すごく不思議なものだと思います。
今でも走るのはしんどいし、疲れます。でも走るのが大大好きです。超楽しいです。
本番まであと6日でそれが終わってしまう、今までのフルメニューがなくなってしまう、そう思うと毎日のフルメニューがすごく愛おしいものに感じます。
いざ42.195キロ本当に走り切れるのか、不安な気持ちもありますが、その疲れも思う存分味わい尽くしてしゃぶりつくそうと思います。
(そな)