
3月23日のなのはな
心の傷を癒すミーティングも、後半の佳境に差し掛かっています。
「自分自身を見つめ直して正しく認識し、自分の歪みを修整していくこと」
それは、なのはなファミリーに来て摂食障害の症状が止まった先に、私たちが向き合っていくべき大きな課題だと感じます。
摂食障害の構造をラッキョウに例えるとすると、一番外側の層に摂食障害の症状があり、その内側には人格障害的な要素が潜んでいて、そのさらに内側にはまた別の要素が存在しているのだと、お父さんから教えていただきました。
私は、なのはなファミリーに来てその日に過食嘔吐の症状が止まり、どこかで「私はもう治ったんだ」と思っていました。
しかし、自分が思うよりも摂食障害の病気はもっと深いものでした。
摂食障害の表面的な症状が止まったとしても、自分の生きにくさの根本である人格障害的な要素を修正しなければ、どこに行っても生きづらく、そこから逃げるように再び症状に飲まれてしまう、もしくは表面上の症状jは止まっている状態だとしてもずっと生きにくさを抱えてしまうのだと教えていただきました。
私は確かに目に見えた症状が止まって過ごしてきたけれど、どこか人とフラットな関係が取れなかったり、自己否定や被害感情で苦しくなることがありました。
その理由は、この人格障害的な歪みが未修正だった、というところにありました。今までなぜそのような壁にぶつかっていたのかわからなかったけれど、それは全て自分の中に答えがありました。
初めて客観的に自分を見て、いかに今までの自分が未熟だったかを感じました。このままではいけない、欠落を修正したい。変わりたいと強く思うようになりました。
「バグはなぜ起こってしまうかという仕組みを理解しないと、バグを直すことができない。摂食障害になる仕組みも同じで、理解することで、回復していくことができる」
とお父さんが仰っていました。
今回のミーティングの中で、私は自分に対する自己評価と、自分に対する客観的な評価のずれを理解しました。自分を高く評価しすぎる人もいれば、低く評価しすぎる人もいました。摂食障害の症状の一つである認識の歪みが、目で見てはっきりとわかりました。
そのギャップを無くしていくことが、自分の苦しさを無くすことに繋がるのだと知りました。今の自分を正しく知り、自分の欠落を認めることが、修正していく上での最初のステップになるのだと思いました。
はじめは自分に対する客観的な評価に驚きを隠せず、自分の欠落を悲観しすぎて落ち込んだこともありました。
しかし、「今は通過点のひとつに過ぎない」とスタッフさんに教えていただいて、前を向く勇気が出ました。目を逸らさずに自分の今の状態と向き合っていこう、よりよく変わっていきたいという意欲が出て来るようになりました。
今日はステップ2の質疑応答の時間で、お父さんが私たちの質問に答えてくださいました。自分の心の傷と、人格障害的な要素を結びつけて考える上で生じた疑問が解決され、新しい発見や気づきが整理されていくようでした。
講義の最後には、良いことも悪いことも全て味わい尽くすつもりで、自分の経験を活かして生きて行くこと。治ることを目標にするのではなくて、治ることはもちろん、治って何をするかの理想を持って生きていくことが大事だと教えていただきました。
次のステップでは、どう修正していくのかを見ていくそうです。
それまで、自分の中で考えを熟成させながら少しでも前進できるように、ミーティングで学んだことや、新たな気づきを胸に、日々の作業や日常生活から自分を変えていきます。
(ほのか)
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なのはなコースのランニング風景。平日はお仕事へ行っているメンバーも一緒に列をなして、梅や水仙など春の花がひらいた道を走りました。
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ジャガイモの植え付け、第2回戦目を行いました!
昨日、畑3枚弱分の植え付けを終わらせて、残るは3枚強の畑。今日の午前、2時間で2枚強は終わらせて、残り1枚にする、という目標で進めていきました。
私は昨日、ジャガイモの植え付けをしたとき、テスコで土を掘ってジャガイモを埋めるという工程が、どうしてもうまくコツがつかめなくて、周りのみんなと歩調を合わせて進めることが難しかったです。
その、昨日の反省を踏まえて、なるだけ無駄な動きをしなくして、スピードを意識してしたい!! という気合を入れてむかいました。
昨日、お父さんが、「ジャガイモは、多少固い土を覆土しても芽は出てくる」と教えてくださいました。お父さんが教えてくださるまで私は、覆土した土が固いと芽が出にくいのではないか、と考えて、覆土する土をなるべくほぐそうと、無駄な動きをしていました。今日こそは、ジャガイモ1つ植え付けるのにこだわらず、効率を重視して進めていこう! そう思いました。
人数が多くいたため、すぐに私はジャガイモの植え付けに入りました。お父さんが教えてくださったこと、お父さんが実際にやって見本を見せてくださった手つきをイメージしながら、植え付けていきました。
この覆土だとジャガイモの芽が出てこないかもしれない、この深さだと深植えすぎたかもしれない、ここはジャガイモとの距離が近いのではないか。今までの私だったら、たくさん心配して質だけを意識して、ゆっくりゆっくりこだわって植え付けていました。
でも今日の私は、絶対に気にしない。質も意識するけれど、私の場合はみんなと歩調を合わせること。とにかく植え付けは土さえかかっていればよし。そう思って、どんどん進めていきました。
なるべく早く次に進めるように中腰にしてみたり、しゃがんでみたり。はい次、はい次。そう言って進んでいく自分が嘘のように思いました。こんなにも細部にこだわらずに、次次にいけるのがすごくうれしくて、自分に自分で驚きました。ふと、周りの皆を見たら、まったく同じペースで進んでいけているのに気づいて、本当にうれしい気持ちになりました。
そのあとは、牛肥まき。私はこの工程が一番好きです。みんなと一緒に畑の中を、牛肥を浴びながらも、駆け回れるのが本当に楽しくて、幸せな気持ちになります。今日の天気は、気持ちいいほどに晴れていて、みんなと駆け回った時間が本当に幸せでした。
みんなと一緒に作業をすると、本当にあっという間で、一瞬で2枚強の畑は植え付けをすることができました。残り、15分くらい時間が余って、この余った時間で次の畑の植え付けを始めちゃおう!! ということになり、次の畑に向かいました。
15分しかなかったので、最後まで終わらせることはできなかったけど、切りのいいところまで、目標以上に進めることができてうれしかったです。
古吉野なのはなに帰ってくると、なんだか、小さな旅をした気分になりました。4枚もの畑を回って、ジャガイモを植え付けたので、ものすごく達成感であふれていました。みんなで、すごい速さだったね、なんて言いながら帰った時間がすごく、
「あー、皆との作業って本当にたのしいな」
と感じられた時間でした。本当に効率がよい、皆との作業が楽しくて幸せです。
私は、これからも、細部にこだわりすぎず、効率もしっかり頭に入れて、作業していきたい、日々成長していきたい、と思います。
(ゆうな)


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〈ビニールハウスの中は、今や夏の陽気です。セロリにたっぷりと水をやりました〉
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朝の時間にニンニクの芽取りをしました。
最近草取りされて綺麗になった畝の上に、浮きたつようにニンニクがピンと生えています。
梅林奥と梅林奥奥の畑に植わるすべてのニンニクの芽取りをしました。
1か所から、2~4本の芽が出ているうち、元気なものを1本選んで、その他の芽は地面の際でカットしました。
カットした芽は、すごくしっかりとしていて、丈夫な感触を感じました。
ニンニクの姿はまだ見えないけれど、葉をカットしているだけで、ニンニクの香りが強く匂ってきます。
脇芽が取れて、すべての株が1本に絞られると、さっぱりして、とてもスッキリした見た目になりました。
日が差しているけれど、少しひんやりした空気の中で、ただひたらすらに黙々と芽取りをする時間が楽しかったです。
3人で取った分を合わせると、発泡スチロール箱にぎゅっと詰めても溢れそうなくらい一杯に取れました。
すごい量だなと思いました。
今日は日曜日。ああ、この芽をぜひ、りゅうさんに……。
思いは届きました。
早速、この採れたてのニンニクの芽をりゅうさんが調理してくださいました。
朝に採れたニンニクの芽が、きくらげと豚バラ肉とコラボレーションして、炒め物となって夕食に出てきました。
ニンニクの風味がしっかりとするのに加えて、採れたてだからか、しなっとしていなくて、なぜか凄くもっちりとした食感で、とても美味しかったです。
(やよい)
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