「理想を持って」 みつき

3月22日

●ただひたすらが楽しいと思える

 たくさん日を浴びて、汗をかいて、とてもすがすがしい1日でした。
 みんなでジャガイモの植え付けを進められて、嬉しかったです。
 お父さんが監督をしてくださったのですが、やっぱりお父さんが居てくださる作業は、ものすごく楽しくて好きだな、と感じました。
 芋を置くときには3人トリオを作ったのですが、午前中はのりこちゃんや相川さん、午後はすにちゃんとまなかちゃんと一緒になって、芋をただひたすら置いていきました。
 3人だったら、1人は芋の入った箱を持つ、1人は芋を手渡す、1人は芋を置いていく…。というように、それぞれが無理なく、スピード良くできるなあと感じました。手早く「はい!はい!」と芋を渡していくのが、運動会の種目のように楽しかったです。

 そのあとの植えつけですが、これもまたとても楽しかったです。スコップで穴をあけて埋めるのですが、スコップを地面にザクっと刺して、少しずらすだけで穴が出現します。その穴に芋を入れる瞬間にスコップを引き抜き、すぐに土を撫でるように戻す、という方法が、目からうろこが落ちるようでした。
 今までは、スコップで土をすくって掘り上げていたのが、掘り上げなくても良いと分かったら、ものすごく時短だなあと感じました。最近マニュアル車を運転しているので、スコップを地面に刺して少しずらす、というのがギアチェンジのようで、本当に機械的に動いているのが面白くって、いくらでもやっていたくなる面白さがありました。
 というのもお父さんの方法だからで、きっと工程が複雑で多かったり、やりずらかったりしたら、しんどくなってきてしまいます。ただひたすらやっていくことが面白い、飽きずにいられるシンプルな方法が、作業では求められるのだな、と感じました。

 最後に牛肥を追肥したのですが、お父さんが「虫が来るから土をかけておこう」、とおっしゃって、牛肥の上から土を被せていきました。
 こんなにスピーディに作業が進んでいるけれど、ちゃんと外したくないポイントはちゃんと外さずに植えつけができたことで、いっそう達成感を得ることができました。

 お父さんが考えてくださる作業がなぜこんなに楽しくてやりがいがあるのか、ということを考えていると、作業には何が求められるのか、自分には何が足りないのか、が見えてきました。
 今まで、「誰かからどう思われるか」「こうであらなければいけない」という余計な気持ち(こだわり)があったから、作業を上手くできていなかったと思いました。
 お父さんは、「時間をかけるべきところと、かけなくていいところがあるよ」といつも話してくださいますが、わたしは、雑にすること、アバウトにしてしまうことに対して怖さやマイナスイメージがあったから、時間をかけすぎてしまっていました。
 「芋は数センチの間違いに対して、なんとも思っていないよ」、その通りだと感じました。
 芋を置く工程はそこまでシビアにしなくていいけれど、牛肥を隠す工程は虫予防のためにちゃんとやりたい。ただ、隠すのはそこまでしっかり隠さなくても大丈夫。というように、ただ全てを同じくらいに時間をかけてやるのではなくて、何がどのくらいの質が求められるのか、どのくらいの理想を持つのかを、ちゃんと持っていなくてはいけない、と分かりました。
 今日は、お父さんと同じ気持ち、お父さんと同じ理想を見ながらみんなと作業ができたこと、そしてその結果、想像以上に順調に進めることができたことが、こんなにも大きな喜びを得られました。

 わたしは人の評価や自分の評価ができていないです。その答えも、「理想が持てていないこと」にあると分かりました。
 ちゃんと自分で「このくらいまではできるようにしたい」という着地点を見て、1つひとつの物事に向かっていきたいです。理想が見える、シンプルで明確な作業を、これから自分も作っていきたいです。

 外に出てみんなと畑をするのが、やっぱり大好きです。

 最近、新しいことを覚えさせてもらえる機会が多く、嬉しいけれども、不安や緊張が大きくなって、気持ちがきゅうきゅうとしていました。
 特にマニュアル車の運転が、今1番の課題で目標です。まだまだ慣れないことが多くて、何度も「こんな自分が」「うまくできないなんて情けないな」と思ったり、悔しくて恥ずかしくなっているけれど……。
 今、決めました。どれだけ今時間がかかっても、苦しくても、絶対に運転できるようになって、夏には必ず、軽トラックに乗ってみんなと畑で思い切り動き回ります。
 みんなの中にいることが、自分にとっての癒しで、希望です。頑張ります。