「見ている世界が変わっていく」 るりこ

3月11日(火)

○ハウスの修繕

 朝からあいにくの雨でしたが、お昼前には止み、外の作業へ。
 大屋根のビニールが大きく破れてしまっていた古畑ハウスの修繕を、よしみちゃん、すにたちゃん、かのんちゃんと進めました。
 今年も無事、雪からビニールハウスを守ることができて一安心。
 よしみちゃんと以前に大雪とハウス修繕に明け暮れた日々を思い出して、「今年はハウスが無事でよかったね」としみじみしていました。
 あの時は大変だったけれど、今となってはさくらちゃんを筆頭にハウス修繕メンバーが結束されて、毎日毎日、ハウスの修繕をしたことがとても楽しかった記憶になっています。

 久々のハウス修繕と聞いて、喜ぶべきことじゃないけれど、嬉しかったです。

 この日集まったメンバーは、よしみちゃんとすにたちゃんとかのんちゃん。
 かのんちゃんはハウス修繕が初めてで、新しいメンバーでできることも嬉しいと感じました。

 午前は雨だったので、その合間にビニールの印つけを体育館で進めることになりました。 紙上でセンターと端端の1メートルに印をつけていきます、と説明しただけで、かのんちゃんが、「えー! 超楽しそう!」と嬉しいリアクションをしてくれて、そんなかのんちゃんが純粋で本当に可愛らしいなと思いました。

 早速、体育館へ行き、段ボールを開けて、真新しいビニールを広げました。
 10メートル×6メートルのビニールに必要な印をつけていきます。
 マジックペンで点線を書いていくだけでも、かのんちゃんがずっと「楽しい」と連呼してくれていて、みんなと「本当に楽しいね」と笑い合って。
 その時間がとても温かくて、みんなと作業ができる嬉しさでいっぱいでした。

 その後、雨が止んだので外に出て、マイカ線を外し、破れてしまったビニールを撤去しました。
 腰袋をつけての作業も嬉しいし、パッカー、スプリング、ビニペット、アーチパイプ、クロスワン、クロスバーなど、久々のハウス単語を聞いたり思い出すだけでも、(あぁ、やっぱりハウス修繕は楽しいな)と思いました。
 すにたちゃんやかのんちゃんに、大雪でハウスがつぶれてしまってから、どうやってパイプを組み直して、ハウスを元の形に戻しっていったのかを説明すると、2人が目をまん丸にして驚いていました。
 わたしも改めてハウスを見上げて、これが本当にひしゃげてしまったアーチパイプだったんだよな、と思いました。

 午後からは雨もすっかり止み、印をつけたビニールをハウスまで運んで、いよいよビニールがけです!
 脚立と道板で足場も組んで、準備は万端。
 古畑ハウスは小さいハウスなので、ビニールの真ん中に1箇所だけロープをくくりつけ、それを反対側から引っ張る人と、両端で補助をする人に分かれて、大屋根のビニールがけを行いました。
 1回目はロープを強く引っ張り過ぎて、ロープが途中でほどけてしまいました。
 2回目は4人の息を合わせて、ビニールが均等に引っ張れるように声を掛け合って慎重にかけていきました。それで無事成功。
 そこからは左右、前後のバランスをよく見て、ピンと張れた状態に伸ばしてから、頂点からパッカーで留めていきました。

 わたしはかのんちゃんとペアになって、妻面側のパッカーとスプリングをつけていきました。初めてのかのんちゃんにやり方やコツを伝えると、「わぁ、すごい!」とキラキラした目で喜んでくれて、すぐに取りかかって、「楽しい」「楽しい」とずっと言いながら夢中でやってくれていました。
 ビニールがしわなく張れているかも一緒に見て、2人で「どうかな、きれいかな」「シワが出ないように下から引っ張るね」などと協力しながらできました。
 かのんちゃんと作業することがあまりなかったけれど、ベストオブ日記のかのんちゃんそのままに、本当に純粋で素直で、何に対しても興味をもって、「楽しい」「嬉しい」と周りのみんなまで嬉しくなる反応を示してくれるかのんちゃんが本当に素敵だなと思いました。
 一緒にいて、自分の方が嬉しくなって、今していることが何倍も、何十倍も楽しいもの、新鮮なものに変わってしまう。
 今日はかのんちゃんと一緒に作業ができて、本当に本当に何度も嬉しい気持ちをもらったと感じました。

 大屋根のビニールが張り終えたら、巻き上げを取り付けます。
 久々の工程でわたしもよしみちゃんも、「どうやってたかな」と迷っていたタイミングで須原さんが来てくださり、アドバイスをしてくださいました。
 その後、マイカ線張りまで一緒に作業を進めてくださいました。
 マイカ線張りでは、片方のマイカ線に重しをくくりつけて、その重さを利用して、アーチパイプを超えるようにマイカ線を飛ばします。
 ハウス修繕では見慣れた光景ですが、すにたちゃんもかのんちゃんも初めて。
 「やりたい!」「自信ある!」と手を挙げた2人ですが、えいっと投げてみると、思わぬ方向へ飛んでいき、その場が大笑いで包まれました。
 須原さんがやって見せてくださると、一発で反対側までマイカ線が飛び、拍手が起こりました。
 なかなかに苦戦していた2人でしたが、最終的にはすにたちゃんもかのんちゃんもコツを掴んで、一発で決まっていきました。
 でも、お父さんが撮影から帰られたタイミングで、すにたちゃんが投げたマイカ線と重しはまったく違う方向へ。すにちゃんが言い訳のように、「お父さんが見ていたら、緊張しちゃって~」と恥ずかしそうにしていた姿が、また可愛かったです。

 すべてのマイカ線を張り終えて。最後の始末もできたら、古畑ハウスの修繕完了!
 初めてのメンバーもいましたが、順調にさくさくと進み、妻面までもきれいに仕上げることができました。
 真新しいビニールが張られたハウスを見て、やっぱりきれいなハウスはいいなぁと思いました。
 なのはなの玄関先のハウスでもあるので、古畑ハウスは特にきれいでありたいです。

 改めて、自分たちの手でハウスも立てられるのだと思いました。
 誰かがやるではなく、自分たちの手でやってしまう。
 なのはなに来て、農業もだけど、建築も覚えて、自分が知ったり見ている世界が変わっていくと思いました。

 今日はよしみちゃんとすにたちゃんとかのんちゃんと作業ができて、本当に嬉しかったし、とっても楽しい作業でした。
 改めて、みんなと協力して生まれる一体感や、仲間一人一人の良さ、そしてお互いを「好き」という気持ちで思い合う優しさで溢れた時間、空間が何よりも大切なのだと思いました。
 そして終始、嬉しい反応で場を包んでくれた、かのんちゃんに「ありがとう」と言いたいです。