「マドンナちゃんと出会って」 なる

3月9日

〇勝央町民音楽祭
 なのはなから4つのチームを結成し、勝央町民音楽祭に出演しました。新しいメンバーでこのステージを目標に練習できたこと、ステージで精一杯演奏できたこと、みんなで客席から応援できたことが嬉しかったです。
 
 午前、邦楽部門に出演する三味線チームをみんなで応援に行きました。お父さんお母さんがリハーサルでとても揃っていたよと話してくれた通り、私も三味線の音が一本に聴こえました。表情と背筋の伸びた姿勢から揃っていて、歌や笛、太鼓とステージが凛とした空気で一体となっていて、とてもきれいでした。三味線のみんなのステージを見て、このあとステージに上がる気持ちも高まりました。

 午後のロック・フォーク部門は、なのポップ、なのフラ、なのジャズの出演がありました。ホールに着くと舞台袖に向かい、テナーサックスの準備をしました。なのポップは2チーム目の出演でした。幕が上がった状態で楽器のセットをすることに演奏と同じくらい緊張していました。
 マイクを調整していると、自分のマイクの調整を済ませたさとみちゃんが「高さ合わせるから構えてみて」と言ってマイクの高さを合わせてくれました。うまく調整できなくてこのままいってしまおうかと思っていたところだったので、さとみちゃんが私の心の声が聞こえたかのように助けてくれて嬉しかったです。

 なのポップは、『キボウ』『空へ』『桃の唄』のオリジナル曲3曲を演奏しました。舞台袖にいても、かにちゃんの透き通った歌声がくっきりと聞こえました。
 お父さんの書いた歌詞の一言ひとことが心に置くように響いて、内側から力や思いがこみ上げてくるように感じました。
 最後の『桃の唄』は、ダンサーがステージに上がると花が咲いたようでした。私はさとみちゃんのソプラノサックスと一緒に、テナーサックスを演奏しました。私がのばした音の後にさとみちゃんが続いたり、さとみちゃんの伴奏になったり、花のワルツのメロディーをかけ合いながら演奏できたことがとても嬉しかったです。さとみちゃんと一緒に演奏していると、守られているように感じました。
 本番の演奏は、正直、自分の臆病さが出てしまったと思います。
 音のイメージよりも正しい音を出すことが大きくなってしまいました。演奏で表現するには、ここを聴かせたい、こういう音を出したいというイメージや意志を強くくっきりと持たないといけないと思いました。
 次に出演するなのフラの演奏は守りたくないと思いました。
 たとえ吹き損じても曲の一部になろうと思って、ウィンドシンセサイザーと一緒にステージに向かいました。華やかな衣装やダンサーに見合うように気持ちを明るくし、楽譜ではなくてみんなでつくる曲、音の届く先に気持ちを向けて演奏しました。
 『ワカワカ』のとき、りなちゃんのギターが聞こえました。この1か月、時間がある限りりなちゃんのギターの音が聞こえていて、りなちゃんの演奏する音が誇らしかったです。
 私も正しさを捨てたら、『ワカワカ』『トゥエポポ』は楽譜がなくても身体のなかにメロディーが入っていて、みんなでつくる曲に音を重ねる感覚が気持ちがよかったです。
 最後は演奏もダンサーもみんなが気持ちを出すとステージが広がって、ステージがなのはなでいっぱいになっていました。

 最後のなのジャズは客席から応援しました。
 演奏でステージに立つ難しさを感じたあとだったので、なおさら堂々と演奏する一人ひとりがかっこよくて、誇らしかったです。

 今回ウィンドシンセサイザーをステージで演奏するのは初めてでした。本番まで1か月しかないと聞いたときには間に合うのか信じられない気持ちだったけれど、本番を迎えて1か月しか練習時間がなかったんだと聞いたときには1か月ということをすっかり忘れていました。
 音楽室、図書室、体育館、古吉野のどこにでもドラム、ギター、キーボードを練習するみんなの姿がありました。がむしゃらに時間のある限り練習できた1か月がとても濃くて、そのときは必死だったけれど今思うと楽しかったなと思います。
 さとみちゃんには本当に感謝しています。
 テナーサックスを好きになれたように、マドンナちゃんです、とウィンドシンセサイザーを手渡してくれたときから、どんな段階のときもさとみちゃんが私ができているところを見て、吹きやすいように音を変えてくれたり、吹き方を教えてくれて、ウィンドシンセサイザーも好きになることができました。
 ありがとうございました。