
3月5日のなのはな

本日は、振袖の着付け教室の最終日です。
今週は2日連続で村上さんが来てくださり、最終日の今日は着付けの仕上げ段階である帯の結び方を教えていただきました。
村上さんにご指導いただきながら、あゆちゃんとさとみちゃんの2人が肌襦袢から帯まで全てを着つけていきました。
そしてこの2日間は、日替わりで3人が着付けのモデルをしました。
私も、とても貴重な振袖着付けモデル体験をさせてもらいました。
気分は〝ちょっと大人の成人式”。
今回私が着させてもらったのは、華やかで上品で美しい、なのはなのお母さんの青色の振袖です。
それをきれいに着つけてもらい、さらにはみんなにも振り袖姿を見てもらえことは、とても嬉しい体験でした。
二十歳から+αの年を重ねた自分が振袖に袖を通すのは、はじめは少し照れくさい気持ちもありました。
でも、村上さんとあゆちゃんに着付けをしてもらうと、照れくささは消えていき、日本にしかない振袖という晴れ着をまとえる嬉しさでいっぱいになりました。
私は、浴衣ではなく本格的な着物は初めて着ました。
しわが寄ったりせず着物がきれいに見えるようにするための、丁寧な上半身の補正。
補正の名のとおり、鎖骨や胸周りの凹凸をなくすように5枚ほどのタオルを使って身体のシルエットを作っていきます。
肌襦袢を着て補正をしただけで、身体が和服仕様になったのが自分でもはっきりとわかりました。
胸周りにしっかりと厚みが出ていて、振袖の襟元がぱんとしっかりと張りのある形になるだろうな、と。
長襦袢を着て、着崩れないように、腰ひもや伊達締めできゅっと締められるときの心地よい感覚。
骨盤や上半身が安定し、身体にぶれない芯が通っていくようでした。
もっとも体感として驚いたのは、長襦袢の上から最後に紐をぐっと締めたときです。
コルセットか、あるいは何かの矯正具を付けたかのように、胸がぐっと開き、背筋が伸びました。
矯正といってもまったく苦しさはなく、むしろ心地よいくらいなのです。
締めたその瞬間のことでした。
「おおおぉ……!」
思わず声が出ました。するとあゆちゃんが
「あ、今のわかった? 嬉しい!」
と言います。
聞くと、あゆちゃんが村上さんに着つけていただいたときも同じ工程で背筋がぐっと伸びて感動したそうです。
つまり、村上さんと同じ締め方をあゆちゃんもできたということで、私もその話を聞いてあゆちゃんと一緒に喜びました。
着つけは、本当に熟練の技の連続だと思いました。
1本の紐を使って、身体のどの位置で、どのくらいの強さで、どのようにクロスして締めるか。
さらには、紐を回しながらしわを伸ばしていく、など。
ひとつの動作の中にいくつも気を付けるポイントがあり(しかもそれが流れるように手早くて)、着つける人の手は大げさではなく神技に見えました。
モデルの自分は細かい手の動きは見えないこともあるですが、代わりに身体でしっかりと感じることができます。
骨格が整えられていくような感覚で、美しい着付けは着る側もこんなにも気持ちの良いものなのだと思いました。
長襦袢が着られたら、いよいよ振袖です。
やはり、ここが一番難しいとあゆちゃんは話してくれました。
合わせの位置や裾の長さやライン、おはしょりの処理。
裾の片側をちょっと上げることや、おはしょりが一重になるように織り込むことなど、浴衣にも応用できると村上さんが教えてくださいました。
あゆちゃんが難しいといった部分は村上さんがコツを見せてくださり、うまくいくまで何回か練習をしました。
「うん、ええよ、良い感じにできとる」
村上さんがあゆちゃんの手元や振袖のラインを見ながら声をかけてくださいました。
そして最後は、もちろん帯。
青色の振袖に何が合うかな……。
村上さんは、帯はオレンジ、帯揚げと帯締め赤を選んでくださいました。
振袖は若い子が着るからやや上の方で帯をまくことや、巻きながら空気が入らないように押さえていくことなど、村上さんがコツを説明しながら巻いてくださいました。
せっかくだから、と髪飾りもつけてもらいました。
そしてついに、完成!
360°ぐるりと回って鏡に映します。
しっかりと張った胸元。半襟とオレンジの伊達襟がきれいに見えます。
肩から脇のラインも、しわにならないように収める方法を教えてくださいました。
背中できゅっと上を向いて咲く帯。
振袖姿の自分を見た私の心はなんとも瑞々しく華やいでいました。
本当にきれいに着つけてもらえてことが、とてもとても嬉しかったです。
「みんなに見せてこよう」
あゆちゃんがこう言ってくれて、リビングや体育館にいるみんなにお披露目をしてきいました。
みんなも、着付け教室のことをとても喜んでくれて、一緒に写真も撮りました。
(ちょっと大人の)成人式の気分で、ぱしゃり。
今回、着付けのモデルをしてみて振袖の着付けの難しさを私も少し垣間見ることができました。
村上さんの着付け技術をすぐそばで見ることができて、ちょっとしたコツや感覚を手をとって教えてもらえるということがありがたいことだと思いました。
着付けの方法だけではなく、和服の魅力もたくさん感じ、いつか自分で普段着の着物を着られるようになりたいな……なんて夢もできました。
村上さん、ありがとうございます。
(なお)
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心の傷を癒すミーティングはここまで進んできたなかで出た疑問や質問にお父さんお母さんが答えてくれました。みんなでリビングに集まりみんなから出た質問とその答えを聞かせてもらいました。
お父さんの話を聞いていて、本当にだれ1人例外なく皆これまで苦しんできて悩まされてきていたんだなと全体的に話を聞いていて感じました。
みんなの過去の話など質問に出ていて、お父さんが話してくださったのですが話を聞いていてこんなにも苦しかったはずなのに苦しいと言えないでずっとここまで1人で抱えて生きてきたんだなと思うとすごく1人ひとりの事がさらに大事に思えました。
今こうして苦しさをみんなでで理解しようとしていて、良く生きようという気持ちで、それぞれが自分の生き方に向き合って自立する方へなのはなみんなで進めていること、仲間と一緒に回復ができることが凄く嬉しくて心強いと思います。これまで形は違うけど苦しんできて、その苦しさがわかる仲間がいるから前に進めるんだと心からそう思います。
質問や作文を聞いていても全く同じ過去だった人など1人もいなく傷の形も傷の受け方も違うけど、みんな利己的な考えに生きにくさを感じてきて、苦しくて摂食障害になり、これからは利他的な世界を作る仲間だと思うと凄くミーティングをしていて心に響く何かがあるなとミーティングを進めていくなかで感じました。
みんなの質問を聞いていて、ある質問でお父さんが「自己完結型の考えでは成長ができない、人を成長させるためには、上手に未完成な自分を認めて心を開きながら、未熟な自分を周りにオープンにしながら成長させていかなくてはいけない、人が生きていくとき誰だっていつも未完成で完璧という形はない」と聞き、生きることはいつも途中経過だけど、よくありたいと成長を続けることが大切と人間のあるべき姿と教えてもらい「私はいつでも完ぺきを求めていていつでも答えをすぐに欲しがっていたのかもしれない」と気づきました。
こうして自分の質問ではなくても聞いていてすごく自分のことがわかったり新しい気づきがあり自分の事をこうだったんだとそれ以外でもこうして考えるのがいいんだなとか新しい発見がありその事が凄く嬉しいです。
自分を知ること、そしてどう考えたらいいかなども知れることが凄く嬉しくて楽しいです。
自分がこの事を知ることで自分の傷にも向き合えるし、もしかしたらこの先、今も苦しんでいる人に少しでもこうなんじゃないかなと言えたり、自分のことを知り、他人にまだ見ぬ誰かに言える、助けになるのかもしれないと思うと凄く凄くミーティングが楽しいなと思います。
今こうしてこれまでこの生きにくい世の中で苦しんできたみんなと仲間と自分の傷に向き合い、これから私たちは少しでも生きやすい世の中に出来るようにミーティングを受けさせてもらい理解を深めさせてもらえることが凄く嬉しくこれからのミーティングもすごく楽しみです。苦しみを理解できる仲間とミーティングを通して未来に一歩を踏み出せるのが幸せでこれからの希望でありたいとその気持ちを持ってこれからのミーティングにも向かいたいそう感じました。
(かのん)
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無事、短期大学を卒業することができました。
お母さんに「ななほは、保育士になったらいいと思うんだ」と声をかけていただき、保育の短大に入学して2年。
この2年は月日が流れるのも特に早く感じましたが、私にとってたくさんの学びと成長のある2年でした。
小学生で摂食障害になり、中学に行くこともできなかった私が、なのはなファミリーで通信制ではあるけれど、高校、そして短期大学と進学し、こうして卒業できたことは私にとって奇跡なくらい、とてもありがたく幸せなことだと感じます。
また、短期大学の卒業式では、通信教育課程で学ぶ1130名の卒業生の中で、優秀賞に選んでいただき、表彰もしていただきました。
私は小学校の時は一時外出で卒業式に参加できたものの、中学校も高校も卒業式というものに出たことはなく、今日もとても緊張していたのですが、きちっとスーツを着て、胸にブローチをつけて、髪を整えて卒業式に行かせていただき、改めて(もう私は子どもじゃないんだな)(私はこれから、社会人として、大人として生きていくんだな)という自覚を得ました。
短大に入学したころは、「勉強」をすること自体、あまりにも久しぶりだったのですが、保育の世界は摂食障害の原点でもある、4~6歳に焦点が当てられているため、学んでいてもとても興味深く、より私の中で「なのはなの子として、どんな保育者になりたいか」「私はどんな保育者になるべきなのか」を考える機会がたくさんありました。
初めての科目試験、スクーリングでは、田舎者だった私にとってすべてが未知で、最初は「生まれて初めて、1人で電車に乗る」「生まれて初めて、1人でホテルに泊まる」というところから始まったのですが、科目試験やスクーリングに行かせていただく中でも、年相応の社会性も学ばせていただいたように感じます。
この2年間、レポートと科目試験とスクーリングと、保育の勉強に時間をいただき、なのはなファミリーでの活動を十分にできなかったり、みんなにめいわくをかけてしまったりすることも多く、申し訳ない気持ちもありますが、こうして無事にストレートで卒業できたこと、それに加えて優秀賞までいただけたことは、なのはなのみんなのお陰だと感じています。
勉強と同時並行で、畑作業やコンサート、桃の作業をする中で学んだこと。勉強をしながらも、当番やインスタグラムやホームページ、山小屋だよりの編集など自分の担当することに向かう中で成長させてもらったこと。
上手くいかないことや、大変なこともたくさんあり、お父さんとお母さん、スタッフさんを初め、たくさんの人に迷惑と心配をおかけしてしまったことと思いますが、いつも大きく受け止めてくださり、ずっと信じてくださり、本当にありがとうございました。
これから、なのはなファミリーの子として、なのはなの保育者として、もっともっと力をつけていきたいし、なのはなソーシャル・フィールドを形にし、広げていけるように保育の分野で貢献していけるようにします。
なのはなファミリーに来るまで、まさか自分が保育の道に進むだなんて思っても見ませんでしたが、今、保育の道を選んでよかったと心から思います。
そして、私のなりたい保育者像、どんな施設・居場所を作り、どのような保育をしたいのかを具体的にし、実現していけるようにします。
本当になのはなファミリーに命を救ってもらい、こうして短大もいいかたちで卒業し、社会人として生きていけることが幸せです。
これからも、どこまでもなのはなをベースに、なのはなありきの自分で成長していきます。これからもどうぞ、よろしくお願いします。
(ななほ)
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今日は何曜日? 水曜日! 金時太鼓の練習日だ!
雨で1日を室内で過ごし、ミーティングも受けたあとの太鼓練習は、頭と身体のバランスを保つかのように、いつも以上に気持ちがシャキッとして、太鼓を思い切り叩くことに身体が喜んでいるような気がしました。
この日は先週の自主練習で詰めた『風の舞』を、新たなメンバーも含めて、竹内さんに丁寧に指導していただきました。
主に長胴太鼓のソロとなる8小節のフレーズを繰り返しました。竹内さんが新メンバーの子に姿勢、叩き方、腕の形、力の抜き方などをアドバイスしているのを共有させてもらうことで、改めて自分自身も1つずつの所作を見直す機会になりました。曲を通して叩くと流れてしまいがちな腕を上げる高さは、ゆっくりのテンポから曲のテンポへと段階を追って上げていくことで、確実に身体に入っていくことを感じました。
なかでも印象的だったことは、姿勢です。前傾姿勢になってしまうと、上半身が前に出ることで肩が縮こまり、結果として腕が上がりにくくなってしまいます。
ですが、上半身を起こして、重心を後ろに置き、太鼓を斜め上から見下ろすような姿勢をとることで、構えたポーズから腕を真っ直ぐ上に突き上げるときの腕の角度が90度だけで済むので、とても腕が上がりやすくなります。この姿勢1つで、腕の上げやすさが全くといっていいほど違って、それはみんなも同じでした。
新メンバーの子も、「とても叩きやすくなった」と喜んでいました。
竹内さんの指導で、どんどん姿勢が良くなり、どんどん叩きやすくなっていく過程を一緒に分かち合えることが、太鼓メンバーみんなの喜びになって、そして太鼓メンバー1人ひとりの再確認にもなって、改めて基礎の大切さを感じた2時間でした。
後半の練習では、全員がばらばらのフレーズを叩く箇所を整理してから、曲を通して叩きました。練習の始まりと最後では、長胴太鼓の6人が揃ったと感じる場面が確実に増えていて、この2時間の練習だけでも進歩したことを感じました。
新メンバーが増えることで、改めて基本から振り返ることができて、叩き慣れた曲でも今一度丁寧に見直すことができて嬉しく、『風の舞』が好きだと感じました。
もっと『風の舞』に厚みが出せるように、そのためにも竹内さんが指導してくださる基本に忠実に、これからも練習を頑張っていきたいです。
太鼓を叩くと本当に気持ちが良くて、そして曲を通せると楽しくて、また早く水曜日になってほしいなと、今から感じます。
(るりこ)