大人の仲間入りとなる、二十歳の節目のお祝いの成人式に出席しました。成人式に出られたことが、とてもありがたくて嬉しかったです。なのはなに来るときは、まさか成人を祝っていただけて、さらに町のお祝いの式典へも行くとは思ってもいなかったので、本当にありがたかったです。小さいころから、大人は大変そうだな、大人になりたくないなと思っていたので、明るい気持ちで成人を迎えられたことが信じられなかったです。
なのはなに来ていなかったら、私は成人式のときまでには絶対に死んでいるだろうと思っていました。その状態になっていてほしいとさえ思っていたので、この日、綺麗な振袖を着て、素敵にヘアメイクしてもらって成人式に出られたことが本当に奇跡のようだなと思います。前日から撮影や準備をしていただいて、たくさんお祝いしていただけたことが本当にありがたくて嬉しかったです。
朝五時から準備と、凄く早い時間だったのですが、河上さんも手伝いに来てくださったり、私たちが起きるよりも先に台所の電気がついていて、台所さんが私たちのご飯を準備してくださったりしていて、たくさんの場面で、たくさんの人に助けてもらいながら今日を迎えられているのだなと実感しました。
自分に選んでいただいた振袖を見たとき、凄く胸が躍りました。とても綺麗な鮮やかな青に、繊細なグラデーションがかかった花がたくさん描かれていて、こんなに素敵な振袖を選んでもらえたのかと、とても嬉しくなりました。
ななほちゃんが振袖選びの時の様子を教えてくれて、お父さん、お母さんが、選ぶ際、部屋に入ってすぐ、「あやはこれだね」と選んでくださったことや、私に合うように帯を選んでくださったことを聞いて、私以上に私のことを理解してくださっているお父さん、お母さんに似合う振袖を選んでいただけたことが本当に幸せでした。オレンジという帯も、「あやだから、この組み合わせが合う」とおっしゃってくださっていたことも聞いて、本当に嬉しかったです。この綺麗な振袖に着られる人ではなく、綺麗に着こなせる人になりたいと思って、振袖に見合う自分になるんだと気持ちが入りました。
■みんなの手で
振袖の着付けの時間はあっという間でした。自分では見えないのですが、どんどん出来上がっていくのを感じて、早く完成形を見たい! とわくわくした気持ちになりました。朝早くから私たち新成人のために、着付けをしてくださって、本当にありがたくて嬉しかったです。
完成して鏡を見ると本当に綺麗で、どう表現したらいいのか分からないほど綺麗で、本当に嬉しい気持ちでいっぱいでした。振袖を着て、今までにも増して、成人し大人の仲間入りをすることを実感しました。大人として、自分をますます変えて成長していきたいなと思います。
ヘアメイクは、あゆちゃんと、りのちゃんにしてもらいました。りのちゃんが人にメイクするのが初めてと教えてくれましたが、とてもそんなふうには思えず、メイクしてもらえたことが嬉しかったです。最初から最後まで凄く丁寧にメイクしてくれて、大事に思ってくれるのが伝わってきて凄く嬉しかったです。
あゆちゃんにメイクしてもらっている時に、あゆちゃんがとても嬉しそうな笑顔でこちらを見てくれたり、メイクしてくれたりしていて、本当に嬉しかったです。こんなにも自分たちの成人を嬉しく思ってくれて、綺麗な姿で、と細部までじっくりとメイクをしてくれたことが本当にありがたくて、本当に嬉しかったです。午前五時すぎにパソコン室に上がったら、すでにあゆちゃんとまえちゃんがいて、メイクをしてくれていて、いったい何時に起きて、いつからいてくれていたのだろうと本当にありがたい気持ちでいっぱいになりました。どんなメイクだったら綺麗かと、私たちが晴れ姿で大事な節目に立てるように、とかんがえてくださって本当にありがとうございました。
私よりも私のことを理解してくれていて、全部を知ってくれているあゆちゃん、まえちゃんにヘアメイクをしていただけたことが本当に幸せでした。どこの美容室に行っても、毎日一緒に生活して、そして理解してくれている人にしてもらうヘアメイクほど綺麗に、そして良さを引き出してもらうことはできないと思います。本当になのはなでたくさんの理解してくださっている人に見守ってもらいながら成人を迎えられることが、ものすごく贅沢で幸せだなと感じました。
ヘアセットは全員をあゆちゃんがしてくれました。本当に大変だと思うのですが、前日からそれぞれに似合う髪型を考えてくれていたり、練習してくれたりして、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
「あやちゃんは帯と同じでオレンジの髪飾りにしよう」
とオレンジの髪飾りをつけてもらいました。運命的にも、帯の形がリボンと同じようになっていて、あゆちゃんが、
「蝶々が二頭飛んでいるみたい」
と教えてくれて嬉しかったです。昆虫の脚本でウィンターコンサートをして、帯や髪飾りが蝶に見えることに、とても繋がりを感じて嬉しくなりました。
最後の髪飾りをさしてもらって、全て完成して鏡を見ると映った姿がとても綺麗で、自分ではない人を見ているようでした。節目となる成人式に二十歳としてあるべき正しい姿にしてもらえてありがたかったです。流行に乗るのではなく、大人として品があり、見た目だけでなく生き方や志が見える姿にしてもらえたことが嬉しかったです。
みんなも完成していて、本当に可愛くて、綺麗でした。一人ひとりにあった髪型や髪飾り、メイクで、ななほちゃんの落ちついた緑のアイシャドウや、つばめちゃん赤くて華やかな飾り、ほのかちゃんは舞妓さんのようで、ゆうなちゃんは落ち着きもあるけど可愛さいっぱいで、とてもとても素敵でした。五人でお互いに綺麗だね、可愛いね、本当に素敵だと何度も何度も言い合えた時間がすごく暖かくて好きな時間でした。
■真面目に誠実に
五人で成人式を迎えることができて、嬉しかったです。四人もいてくれて、すごく賑やかで、一緒に成人の嬉しい気持ちを共有でき、これから大人としてより良い未来を作っていけるように、同じ目的を持っている同学年の仲間がいてくれることを感じて嬉しかったです。
着終わったら、お父さん、お母さんが衣裳室に来てくださって、振袖姿を見てくださったことが、とても、とても嬉しかったです。
リビングに向かっていくと、みんながリビングで待っていてくれて、とても緊張しました。部屋に入ると歓声が上がって、少し照れのような恥ずかしい気持ちもありましたが、すごく嬉しかったです。みんながすごく嬉しそうにしてくれていて、自分たちが成人を嬉しいのはもちろんなのですが、私たち以上にと言ってよいくらい喜んでくれて、お祝いしてくれる仲間がいることが本当に幸せだと感じました。感想を聞かれたときに、私は「嬉しい」という気持ちでいっぱいになりすぎて、嬉しい以外に言葉が出てこなかったのが悔しかったですが、嬉しい気持ちやありがたい気持ちが伝わっていたらいいなと思います。
成人の式典の会場である勝央文化ホールに着くと、振袖やスーツを着た新成人の方々がいて、ここに集まっている人が全員同い年ということがなんだか不思議な感覚がしました。周りの人は、同い年とは思えないほど、私にとっては大人びて見えました。私は病気になったころから心の時が止まってしまっていて、精神年齢が小中学生のままだなと感じています。年齢だけでなく、心も年齢に合うように、大人にしていかなければいけないなと思いました。
歩いているときも、あゆちゃん達がセットしてくれた晴れ姿でいさせてもらえることがすごく嬉しくて、道行く人に、見て! と自慢したくなるくらい嬉しい気持ちでいっぱいでした。取材の方が五人一緒に写真を撮ってくださる時に、
「みなさんは久しぶりに再会した同級生のお友達ですか?」
と聞かれたのですが、その時に、
「いえ、私たち全員家族です!」
とみんなで言えたことがとても嬉しかったです。カメラの方は五人とも家族ということに驚かれていたのですが、その時に、
(血がつながってなくても、本当に家族になれるのだよなぁ)
と思いました。
成人式の前日にお父さんから、成人になったから義務や責任が生まれるのではなく、人は何歳であってもそのとき、そのときの役割と責任があるということや、成人式とはその地域の長が、大人となった人たちに、きちんと地域へ貢献して税金を納めてくださいね、と伝える場であるということを教えていただいていました。成人式の意味を分かったうえで式に出席をできたことが、ありがたかったです。
成人式に出席しながら、私は、良い意味で普通には生きられないのだなと感じました。社会に出たとき、ややもすれば楽をすることが良いと思われている世間や周りの空気に流されて、自分の心とは反するように行動してしまったら、きっと私は生きていけないのだろうなと思いました。手を抜くことが普通となってきている世の中で、世間からは変にみられてしまっても、真面目に誠実に、自分の目的や信念を持って生きることでしか、私は生きていけないのだと思います。
■気持ちが写る
帰ってきてからは、なのはな写真館で写真をたくさん撮ってもらいました。お父さんのブースで写真を撮っていただいている時に、お父さんから、
「あや、写真写りいいね。どれも綺麗に写っているよ」
と言っていただいて、私は小さい頃からずっと写真写りが悪かったので、驚きました。写真写りがよかったのは、絶対、お父さんに撮っていただいていたからだろうなと思いました。写真を撮ってくださっているときに、お父さんが本当に優しい目で嬉しそうに写真を撮ってくださっていて、ものすごく嬉しかったです。
みんながとても嬉しそうな表情で、撮影をしてくれていて、心の底からお祝いしてくれていることや嬉しいと思っていてくれていることが本当に嬉しかったです。表情や目線を決めるとき、「○○ちゃんの顔を見て」と言ってもらって、みんなと見つめあって写真を撮れたことがもの凄く嬉しかったです。みんなの目がすごく優しくて、笑顔なんて作らなくても、自然と笑顔になりました。その人のことを見ていると、なのはなに来てから一緒にした作業、その人の好きなところなど、たくさんの思い出がよみがえってきて、幸せな気持ちになりました。この記事を書いているとき、私はまだ、撮れた写真は見ていないのですが、きっと、みんなと見つめあいながら撮ってもらった写真が何よりも表情がよくて、安心していて幸せな顔の素敵な写真になっているのではないかと思います。どんなフォトスタジオで、言葉をかけてもらってできる笑顔よりも、毎日一緒に生活しているみんなの中で撮ってもらった笑顔はとびきりなものだと思います。
みんなの撮影姿も本当に素敵で、とろけてしまいそうでした。つばめちゃんの撮影のときに、一緒にいさせてもらっていたのですが、みんなの可愛い、綺麗という言葉で、つばめちゃんのもともと素敵な姿が、さらに笑顔に溢れて、嬉しそうで素敵な姿に変わっていくのを間近で感じて、みんなの中にいることの嬉しさ、みんなの優しさで雰囲気がとても変わるのだなと思いました。また、みんなの写真を見られるのが楽しみです。私もこのような機会には、今回優しくてあったかい空気にいさせてもらったように、主役の子がとびきり可愛く綺麗に写るようにライトの調節をしたり、みんなで優しい気持ちでいっぱいにしたりしたいなと思います。
外の撮影の時に、かにちゃん達が寒い中ずっと撮影してくださっていて、本当にありがたかったです。成人式の日、みんなから優しい気持ち、暖かい気持ちをたくさんもらいました。私ももらった気持ちを返せるように、日々生活したいです。
■成人を迎えて
成人し、大人の仲間入りをしました。十代は病気でずっと過ごしてきて、社会や誰かのために何かするということが全くできませんでした。役に立つどころか症状に翻弄されてしまって、何もすることができないまま終えてしまったなと思います。二十代は完全に症状をなくして、病気から離れて、人のために行動できるようにしたいなと思います。
摂食障害は、治ったからもう大丈夫! ということがなくて、いつも隣には落とし穴があり、もしも自分だけが楽になれば良い、という考えに溺れたり、利己的な気持ちに陥ってしまったらまた症状に後戻りする病気だと教えてもらいました。そうだなと感じ始めています。踏み外して依存に足をとられてしまったら、また死が待っているのだと思います。今年、完全に症状をなくして、症状がなくなった後も自分の役割や目的を見失わないで、しっかりと持ち続けて、社会に貢献できる二十代を過ごしたいです。また、大人として自分の言動に責任を持てる人になりたいなと思います。私は怒られるのが怖すぎるあまり責任から逃れようとしたり、あえて自分ではしないと受け身の行動になってしまったりするところがあります。責任を持って行動できるように、この一年、逃げの気持ちを捨てて成長できるようにがんばりたいです。
自分が経験すること全てが苦しんでいるまだ見ぬ誰かの助けになる材料だと思って、日々経験したこと、感じたことを記録したり、みんなの中で過ごしたりして、つなげられるようにしていきたいです。二十歳という大きな節目を迎えて、これから新たな人格を作り、違う自分となり、社会の基盤を作っていく一人になれるように、なのはなでの生活を思いきり楽しんで、いろんなことに疑問を持って、探求して、吸収して過ごしたいなと思います。
本当になのはなで成人を迎えられたことがありがたくて幸せです。まだまだかなり未熟な部分ばかりですが、これからもっと成長していきたいなと思います。