2月17日(月)「藤井先生のお家で、ミツバチの蜜ろうと巣の排液作り! & ブドウの剪定」

2月17日のなのはな

 なのはなファミリーでは、3月下旬頃から、およそ30個の日本ミツバチの巣箱を設置する予定です。より美味しく綺麗な作物を育て、豊作にするには、果樹や作物の受粉を成功させる必要があります。その受粉を助けてくれる大切な存在が、ミツバチです。

 私は、今年の1月と2月に、須原さん、さくらちゃんと、日本ミツバチの巣箱づくりをさせていただきました。
 1月下旬に、30個の巣箱が完成しました。その箱たちは今、雨や雪にさらすことで、人工的な匂いを消して、ミツバチが入りやすくなるように、古吉野のグラウンドに並べて置いてあります。
 その巣箱の傍を通る時、(この巣箱を、ミツバチが気に入って、住んでくれたら嬉しいな)と思いながら、私は巣箱たちを眺めています。

 この巣箱の作り方などを、昨年の12月に教えてくださったのが、藤井先生です。
 なのはなファミリーに、毎週火曜日と木曜日に来てくださり、アコースティックギターや、木版画を教えてくださる藤井先生は、ご自宅付近で、日本ミツバチの飼育をなさっています。

 日本ミツバチの巣箱の外壁と内壁に、ミツバチの巣クズの排液を塗ると、ミツバチの誘引剤になること。そして、蜜ろうを、巣箱の内壁に塗ると、その香りにミツバチが安心して、住みつき易くなることを、藤井先生が教えてくださいました。

 今日、私はさくらちゃんと一緒に、藤井先生のお宅に伺い、その排液や蜜ろうの作り方を、藤井先生に教えていただきながら、実際に作らせていただきました。

(巣クズを溶かして排液を作る……。一体どんな作業なのだろう)
 と、数日前から、この日を心待ちにしていました。
 藤井先生のご自宅の玄関先で、藤井先生が、巣クズを煮詰める小鍋や、かき混ぜるお玉、排液を濾すザル等を用意して、待っていてくださいました。

「風が強いから、玄関の中で作業しよう」
 と藤井先生が言ってくださり、玄関に物を移動させ、早速、作業開始です。

 

P2170204

P2170202
〈藤井先生が飼われているミツバチたちの巣クズです!〉

 

 藤井先生が飼育された日本ミツバチの巣を圧縮して搾り、ハチミツを採取した後の、巣クズ。この巣クズを、45リットルの袋に3袋分ほど、取って置いてありました。
 この巣クズを、小鍋で熱したお湯に、片手ひと掴み分くらいずつ入れます。お玉でかき混ぜると、巣クズが少しずつ溶けていきました。

 巣クズが溶けると、こげ茶色の排液になっていくのですが、この湯気の匂いは、ハチミツの甘い匂いに加えて、土、草、花など、自然の植物の香りが混ざった香りがしました。

 日本ミツバチの働き蜂たちが、赤ちゃんや、仲間たちの為に、一生懸命に花の密を探して、集めてきた香り。集める過程で、土や植物の自然に一杯触れて、巣に戻ってくる様子が、頭の中に浮かぶように、感じました。

 

P2170217

 

 また、巣クズが溶けると、ミツバチの糞の塊か、それとも木屑などの、自然の素材なのか判断はつきませんでしたが、1センチくらいの黒い個体や、巣の中にいた、ミツバチの白い幼虫や、成虫ミツバチも発見です。

 巣クズは、クリーム色がかった巣クズや、こげ茶色~黒っぽい巣クズがありました。幅5ミリくらいの、小さな6角形が連なった巣を、これほど至近距離で見たのは、初めてでした。
 巣クズを触ると、ほろっと形が崩れ、巣クズの匂いを嗅ぐと、ほのかに、ハチミツの甘い香りがしました。

 約1リットルの熱湯に、3~4掴みほどの巣クズを入れて5分ほど煮詰めると、巣クズが完全に溶けました。それをザルに通すと、ゴミ等と液体が分離され、その分離した液体を、ボール等に移し、粗熱が取れるまで冷まします。

 

P2170219

 

 15分~20分ほど経過すると、液体の上澄みが冷めて固まり、濃い黄色の塊になっている……!
 濃い黄色が、黄色のクレヨンのようで、とても可愛くて綺麗でした……!
 この黄色い塊が、『蜜ろう』なのだそうです。

 

P2170223
〈蜜ろうの黄色にうっとり〉

 

 藤井先生が、「できたなあ。そろそろ取れるんじゃないか?」と、嬉しそうに仰り、手で、その黄色の塊を外し、取り出しました。これを、袋に入れて保存しておきます。
 蜜ろうを取り出した後の液体が『排液』で、こちらは、保存用のペットボトルに入れました。

 この工程を繰り返し、密ろうと、排液を取り出していきました。
 何度行なっても、楽しかったです。

 

P2170227

 

 お昼休憩を挟んだ後、藤井先生が、「良かったら、巣箱の場所を見に行こうか」と言い、案内してくださいました。

 巣箱は、河川を越え、常緑樹や竹の林のふもとにありました。
 ミツバチが巣箱から出入りする『巣門』が、丁度、太陽が当たる南方向に向き、巣の後ろに木々がそびえる。木々の葉が巣箱の上で揺れ、夏の日差しを遮ってくれる、静かな場所でした。

 巣箱を安定して置けるように、そして、巣箱が倒れないよう、ロープで固定できるように、巣箱を設置する場所にブロックが置かれていました。

「ここは、ミツバチ達の水飲み場なんじゃ」
 と、藤井先生が教えてくださったところは、巣箱と、巣箱の間の地面に、水がちょろちょろ……、と流れていました。
 毎年、藤井先生が巣箱を設置されるこのエリアには、春に、心地よい巣を求めて、探索ミツバチがやってくるそうです。

(こんな、静かで、日当たりがほど良く、木々に守られる場所を、ミツバチは好んでやって来るのだなあ……)
 と、歩きながら思いました。

 15時半頃、藤井先生が用意してくださっていた、全ての巣クズを煮出し、密ろうと排液を取り出し終えることが出来ました。

 数日前、「もしかすると、巣箱30箱分の密ろう、は取れないかもしれないなあ……」と、藤井先生が仰っていました。
 しかし、藤井先生とさくらちゃんと、夢中になって作業を繰り返すうちに、藤井先生が、
「これだけ出来たら、30箱分足りるなあ。良かった、良かった」
 と仰いました。
 有り難くて、とても嬉しかったです。

 

P2170229

 

 排液は20キロ強、蜜ろうは約5~6キロ分、作ることが出来ました。

 藤井先生が、蜜ろう・排液づくりをしながら、作業の際に使う防護服の選び方や、日本ミツバチの害虫・アカリンダニや、オオスズメバチ等の対策について、親身に教えてくださったことが、とても嬉しかったです。

 次回、藤井先生のお宅に伺う時は、今日採取した蜜ろうを再び煮て液体状にし、牛乳パック等の、長方形の型に流し固める作業を教えていただく予定です。
 型は、直径2~3センチ位の竹を伐採し、節でカットした筒状のものでも良いそうで、今日の夕方に、さくらちゃんと、竹を切ってこられたことも、嬉しかったです。

 巣クズや、排液、蜜ろうは、ミツバチ達の力が集結した、栄養が詰まった、自然の宝物のように感じます。そんなミツバチ達が、なのはなファミリーの田畑で見られて、巣箱を気に入ってくれることを、楽しみに願っています。
 藤井先生に、また教えていただける次回が、有り難くて、とても楽しみです。

(さとえ)

 

***

 

 桃、スモモ、イチジク、梅に続き、ブドウも剪定する時期になりました。

 今日は晴れているかと思いきや、急にぱらぱらと雨が降ってきたりして、少し作業がやりにくい天候ではあったのですが、さやねちゃんと一緒にブドウの剪定を進められて嬉しかったです。

 

P2170075

 

 ブドウは、今年新しく伸びる枝に実が着くため、お父さんと相談させていただいて、今年は枝の基部から1~3芽残して剪定する「短しょう剪定」で剪定することにしました。
 桃や梅の剪定とは違って、かなり短く剪定するので最初は少しドキドキしていたけれど、さやねちゃんと一緒に思い切って剪定ばさみで枝を切っていくとブドウの木もどんどんスッキリしていきました。今の時期のブドウの枝は、外見は茶色く枯れてしまっているように見えるけれど、剪定して切った断面は緑色をしていて、その緑色を見るとブドウの生命を感じられます。

 自分たちで考えて剪定し、木の形を成形していくのは、今年のブドウにとってかなり大きく影響するのだろうと思うと、一体どういう成長をしていくのかワクワクしてきます。不安もあるけれど、さやねちゃんと一緒だったから剪定も楽しかっです。

 

P2170090

 

 今日は古畑のシャインマスカットと、池上ブドウ畑のオーロラブラックが1本、剪定が終わりました。お父さんも剪定したシャインマスカットの木を見てくださって、「これでいってみよう」と話してくださって嬉しかったなあと思います。

 また近日中に残り3本オーロラブラックの剪定をして、今年のブドウの手入れもスタートしていきたいです。

(よしみ)

 

 他にも、フルマラソン練習や、桃の摘蕾などの作業をしました。
 そして午後からは傷の癒やしのミーティング、前日の第1回講義や作文描きを踏まえた質疑応答の時間があり、みんなで、理解を深めることができました。