2月13日(木)「桃の摘蕾、時期をのがさぬように & 木版画教室の夜」

2月13日のなのはな

 冬季剪定を終えた桃の樹に、ふっくらとした花芽がつき始めました。
 蕾を落とす目的は「開花前に養分を蓄えるため」だと、リーダーのあけみちゃんに教えてもらいました。

 ペアになって、1本の樹にとりつきました。
 私はさとえちゃんとペアになりました。遠目ではどこが終わっていて、どこが終わっていないかわからないので、声を掛け合いながらぐるっと樹を一周するような形で、蕾を落としていきました。

 今日は前回の続きの浅間白桃を終え、白鳳にとりつきました。
 蕾を見ていると、心なしか白鳳のほうが花芽がふっくら丸みを帯びているように見えました。品種の違いなのか、数日経ったからかわかりませんが、桃の樹の成長は本当に早くて、見る度に変化しているように見えました。

 

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 今季は寒波の後、急激に暖かくなる予報が出ているようで、もしそうなった場合、開花が早まる可能性が出るため、摘雷を急がなければいけない、とあけみちゃんが教えてくれました。

 じっくり、慎重にやりたい気持ちと、スピードを意識して手早く進みたい気持ちの両方があって、どちらも大事だけれど、どちらもおろそかにしてはいけないことだなと思いました。

 今回あけみちゃんが考えてくれて、ペアになった人と片手ずつ手袋を共有するという方法でやってみました。手袋を付けた片方の手で枝を撫でるようにざっと蕾を落として、もう片方の素手で細かい部分を落としていく、という方法です。
 桃の樹はとても繊細で、綺麗な手袋でないと雑菌が繁殖して病気になってしまったり、誤って葉芽も落としてしまう恐れがあるため、素手で行うことが推奨されています。
「ここまで大切に手入れするから、おいしい桃が採れるんだよ」
 と、一緒に作業していたすにたちゃんが言っていました。

 素手は寒かったとしても、樹の温度を感じるような気がして、樹からエネルギーをもらっているような心地がしました。

 

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 脚立を動かして、手の届く範囲の枝にとりつき、その後はまた脚立を動かして、自分がどこの枝をどのようにしたいのか、プランを持って動くことが桃の作業の醍醐味のひとつだと、私は思います。

 お父さんが以前、「実際に桃の実がついたときのことをイメージして」と教えてくださいました。今は小さな蕾ですが、やがて花が咲き果実となり、袋を掛けると、立派な桃になります。もし長い枝の先端に結実したら重さによってだれてしまうし、樹の幹に近すぎたら肥大途中でぶつかってしまいます。

 枝の下の、中央の部分、あるいは、短い枝の先端に実をつけることをイメージしながら、蕾を落としていく作業はなんだか同じ事の繰り返しのようで、全く同じ枝、同じ樹というものはなくて、とても面白いです。

 脚立の角度を変える度に樹の表情が変わるようで、桃畑にいると旅をしているみたいに、違う景色に巡り会うことができます。

 

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 今は指の先よりはるかに小さくて、まさかこれがあの甘い桃の実になるなんて想像がつかない見た目をしています。
 この小さな蕾の中にいったいどのくらいのエネルギーを蓄えているのか。桃の樹の生命力は本当に興味深いです。

 多人数で桃畑にいる光景は、まるで花が咲いたみたいに綺麗で、大好きな景色です。私はなのはなの桃の作業が本当に大好きです。これからも、甘くておいしい桃にするためにみんなで手入れをがんばります!

(ほのか)

 

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 今年に入って第4回目の版画教室です。毎週木曜日のこの時間が楽しみです。撮ってきた写真の中から、どの写真を題材にするのかを決め、そしてその写真の中でもどの部分を使うのか、構図を考えました。

 私の場合は広い風景全てを版画にするのは難しく、一部を取ってかなり拡大しました。藤井先生がそのように教えてくださったので、これなら版画として彫れそうだなぁというところまできて安心しました。絵の寸法が決まると、それを紙に鉛筆で下書きします。それができたら絵の具でなぞります。先週からこの絵の具で描く作業をしているのですが、どこを黒にしてどこを白にするのか迷います。全体の7割を黒にするといいという藤井先生のアドバイスを頭に進めていきました。

 

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 今日はこの作業を完成するつもりで版画教室に入りました。21時までの時間ギリギリに何とかこれでいいかなというところまでできて嬉しかったです。

 鉛筆をなぞるだけだからそんなに時間はかからないだろうと最初は思っていましたが、予想以上に時間がかかりました。絵の具で描くと道が目立ちすぎることに気づき、道の部分を少し切り取って拡大し、また一からやり直しました。そして、このトラクターは省いた方がいいということになったり、山の稜線や家の形を自然にするためにどうするか、電信柱と家の大きさの比率、など先生からいろいろご指摘を頂くと、確かにその通りでした。自分でも何か違和感があるなぁと思っていたところを先生が、ぱっと教えて下さるのでとても有難かったです。そのまま版画になっていたら、おかしな絵になってしまっただろうと思います。

 

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 私は早く彫りたいという気持が強く、つい下絵がおろそかになってしまう傾向があると思うのですが、先生に下絵が大事だということを教えて頂いて納得のいくところまで下絵ができて嬉しかったです。来週は次のステップに入れるかなぁと思うと、とても楽しみです。

(のりこ)