
2月5日のなのはな
味噌の仕込みの時が、やってきました。
朝6時頃から、ちさとちゃんとふみちゃんが味噌玉を作る時の白大豆を煮てくれていました。8時くらいに台所に行くとたくさん灰汁が取られていて、ずっとつきっきりで煮てくれていたのを感じて、本当にありがたいなと思いました。
台所中に大豆の良い香りが漂い、幸せな空間の中、みんなで行なう味噌作りがスムーズに進むよう、流れや役割を確認できた時間が嬉しかったなと思います。
大豆が煮あがり、家庭科室に持っていきました。みんなで味噌用に選別した白大豆がもの凄くつややかで、粒が大きく、キラキラしていて、まるで宝石のような白大豆でした。もうそれだけでも美味しそうなくらい綺麗な大豆で、それがこれから味噌になるんだと思うとわくわくしました。
みんなが味噌玉作りを始める少し前の時間から、私は、ふみちゃんと一緒に、大豆をミートチョッパーにかける役割をさせてもらいました。ミートチョッパーが須原さんの手作りと聞いて、本当に驚きました。何でも作ることができる須原さんが本当にかっこうよくて、いつも、感謝の気持ちでいっぱいです。
ミートチョッパーに大豆を入れていくと、モンブランのような形になって大豆が次から次へと大量に出てきて、すごかったです。出てくる光景がとても面白くて、何時間でも見ていられそうでした。みんなが丸められるように、冷ましながら均等に広げていくことが本当に楽しかったなと思います。
時間になって、みんなが家庭科室に来てくれました。ついに味噌玉を作っていくんだなと思って、とても嬉しい気持ちになりました。私たちが大豆をミートチョッパーで挽いている最中、ちさとちゃん達が、みんなに糀作りのエピソードや、糀の名前、味噌玉作りについての説明をしてくれていて、時折みんなから歓声が上がっていて、凄くあったかい雰囲気で味噌玉作りがスタートし、嬉しい気持ちになりました。糀作りの過程をみんなにも共有することができ、嬉しかったです。
糀箱から糀を取り出して広げ、1.5キロの塩と混ぜていきました。塩が雪の結晶みたいで、とても綺麗でした。米糀一粒一粒に塩がしっかりとついていた様子も、すごかったなと思います。
混ぜている間、このあいだ「一番手入れ」などをしていた糀たちが、もう味噌玉になっていくのだと思うと、本当にこの5日間があっという間だったな、と思いました。もう手入れがないのかと思うと少し寂しいなと感じつつ、その後もみんなと一緒に、糀さん、がんばったんだね、美味しい味噌になるんだよと言いながら、大豆と混ぜる時間も、とても楽しかったです。
空気がきちんと抜けるように、ぎゅっと握って味噌玉を作っていきました。もっと丸めるのに苦労するかなと思っていたのですが、大豆と米糀がとても簡単にまとまってくれて驚きました。みんなで机を囲んで丸めた時間が、とても楽しくて、心地よかったです。
味噌玉を作ったあとは、樽に並べて玉を潰していきました。初めて潰すことを知った時、丸めたのに潰すの!? と凄く驚いたなと思います。腰を入れて、しっかりと潰していきました。かなり力がいるなと感じたのですが、腰を入れて一生懸命潰していくのが、とても楽しかったです。最後のほうの味噌玉を潰すメンバーが力持ち揃いで、味噌玉を作るのが追い付かないほど、潰すのが早くてみんなのパワーがかっこよかったです。
潰し終わって、最後の儀式に入りました。カビ防止のための振り塩を入れ、ビニールの口を縛り、内蓋、重石を置き、儀式完了です。みんなで、いってらっしゃい、美味しい味噌になってねと言って、味噌の仕込みが終了しました。
長いようで短かった5日間。全部が初めての体験で、本当に特別な体験をさせてもらったなと思います。教科書などで味噌の作り方はちらっと耳にしたことがあったけれど、自分が味噌を作る機会なんてあると思っていませんでした。しかも糀を作るところからの味噌作りを体験できる場所は本当に数少ないと思います。
河上さんや、卒業生がなのはなで味噌作りをできるようにシステムなどを確立するのに一体どれだけの時間がかかったのだろうと思うと、本当にありがたい気持ちでいっぱいになります。今、いただいている味噌も、今回育てたように先輩方が一生懸命作ってくれていた味噌だということを実感して、とても嬉しい気持ちになりました。
日本の食生活のすぐ隣にある味噌の作り方を学べて、糀から作らせてもらって、本当に濃くて楽しかった時間でした。夜中に見回りをするのは正直起きるのが大変でしたが、見回りも含めた全部の過程が本当に楽しかったです。
本当にたくさんのことを学ばせてもらった味噌作り第1弾。味噌作りチーム「マイふわりー菌ズ」のメンバーとして、経験できたことが、ありがたかったです。
もう見回りなど、手入れがないのは寂しいですが、第2弾の味噌玉作りなどもあると思うので、また楽しんでがんばりたいなと思います。
みんなで協力して、愛情込めて育てた糀、「菌さん」と「菌゛(ぎん)さん」が3年後、美味しい味噌になって、未来の、新しく増えている仲間にも美味しく味わってもらえていますように。「菌さん」「菌゛さん」いってらっしゃい! 美味しい味噌になってね!
(あや)
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