
1月14日のなのはな
なのはなファミリーで育てている約130本の桃の、冬季剪定がスタートしました。桃の栽培の中でも、もっとも重要な剪定。剪定で、収量や、品質も決まってくるといわれます。そのため、朝からとても緊張していました。
午前中は、お父さんが探して出してくださった、果樹の剪定について解説されている動画をみて、勉強会をしました。この動画が、どんな本、資料、情報よりも分かりやすく、とても嬉しかったです。
動画の中には、植物ホルモンの話も含まれていました。植物ホルモンの中には、どんどん直立して伸びようとするホルモンや、反対に、横に横に、萌芽させるホルモンもあるのだと知り、とても興味深いと思いました。そしてそのホルモンが、お互いに抑制しあいながら、バランスをとって樹が成り立っているようでした。
これまで桃の剪定の作業に入らせてもらい、どんな手順で、どんな枝を切っていくか、考え方や切り方のパターン、技術面は、頭に入っていました。けれど、なぜその枝を切るのか、根拠が分かっていなかったことに、動画を見て、気が付きました。動画の中に出てくる根拠が、これまで形ばかり覚えてきたものと合致して、納得するところがたくさんあって、パズルのピースが一つ一つはまっていく感覚がしました。理解が後から追いついてきました。これまでどんな本を読んでも分からなかったことが、たったの小一時間で、解決できて、本当に濃い時間でした。
そのような予習を踏まえて、午後からは実際に桃畑に向かい、剪定をスタートしました。いざ、畑に足を運んで、樹を目の前にすると、できる! という確信が、少しぐらつきました。樹は一本一本樹勢も違えば、樹の大きさも、枝の形も違い、応用ばかりでした。いくら、これまで3本主枝の骨格を意識して剪定してきていても、思い通りにいかなくて、樹が暴れているところも、少なからずありました。
できるだろうか、少し不安な気持ちもあったけれど、桃畑には、お父さん、お母さん、たけちゃん、ちーちも来てくれて、迷った時には、お父さんに見ていただくことも出来て、本当に心強かったです。お父さんとお母さんも、剪定ばさみ、のこぎりを持って、一緒に剪定をしてくださったり、たけちゃんは終始、お母さんの切る傍で、剪定した枝を広い、一か所に集めてくれていました。その空気感が、とても温かく、一緒に作業できたことが、とても嬉しかったです。
この樹がどのように大きくなっていくか、どのように枝が伸びていくかを考えながら剪定をしました。その予想があっていたかどうかは、すぐには分からなくて、未来に答えがあらわれるんだな、と思うと、本当にスケールの大きなことをしているのだと思うし、その分責任重大だと感じました。桃の樹のことをもっと深く理解していくためには、時間をかけて、桃を観察して、桃と同じ時間を過ごすことが必要なのだと感じました。
桃の樹130本の剪定、まだまだゴールはほど遠いけれど、タイムリミットの2月中旬までに、ゴールまで行きつけるように、毎日桃に真摯に向かっていきます。
(りな)
