
1月12日のなのはな
私は今日、4人の仲間と共に、成人式を迎えました。
「ここまで生きていてよかった」
「なのはなファミリーに出会えてよかった」
そう、心の底から思う、優しさに溢れた成人式でした。
なのはなファミリーで、たくさんの家族・仲間に囲まれて、こうして成人式という節目の日を迎えられたことがとてもありがたく、幸せです。
●着付け、振袖
今回、なのはなファミリーで成人を迎えたのは、私を含め、5名。
昨夜は、新成人の5人と撮影班のみんなで音楽室に布団を敷いて、今朝は5時にみんなで起こし合いました。それが、どこかお泊り会のようで、前日までの緊張が嘘のように、昨夜はよく眠れました。
成人式の朝。まだ、日が昇る前の5時過ぎから、あゆちゃんやまえちゃん、振袖係のメンバーが衣裳部屋にスタンバイしてくれていて、5人で代わる代わる、ヘアメイクをしていきました。
そして、6時頃からは河上さんと着付け師の方がお二人、なのはなファミリーに来てくださり、私たちの振袖を着つけてくださりました。
私は今回、新しくいただいた紺色に鮮やかな花や鶴、和の柄が描かれた振袖を着させていただきました。帯は水色にパステルカラーの梅の花が散りばめられ、裏地がキラキラとした鮮やかな青色です。
肌襦袢を身に付け、紺色の振袖を羽織ると晴れやかな気持ちになりました。
振袖選びの日、この振袖を当てて見た時、お父さんとお母さんに、「祭りみたいで、ななほにぴったりだよ」と言っていただいたのですが、本当に柄がハッキリとしていて、賑やかで、振袖を羽織るだけで、心が弾みました。
初めは、こんなに素敵な振袖を着てもよいものか、こんなに賑やかで煌びやかな振袖を私は着こなせるだろうかという気持ちもあったのですが、背筋を伸ばして振袖を纏い、着付け師の方にキュッと、帯を締めていただくと、気持ちまで引き締まり、この振袖は今日限りは、「私の振袖」となりました。
着付け師の方が「とっても素敵な帯ですね」「とてもお似合いですよ」「きつくありませんか?」と言いながら、丁寧に、かつ素早い手つきで振袖を着つけてくださり、30分足らずで気が付いたら、私は振袖に身を包んでいました。
「わぁ、綺麗!」
「すごく、似合ってるよ」
「綺麗だね」
撮影班のみんなが口々にそう声をかけてくれて、とても嬉しかったです。
着付け師の方が私たち5人、それぞれに似合う帯の結び方も考えてくださり、帯が結び終わった時、私の背中に虹色の羽が生えていました。
つばめちゃんは、白い鶴が描かれた赤い振袖に、お母さんのお姉さんが成人式の時に着ておられたという、黒やオレンジの帯で、つばめちゃんの真っ黒な髪と長いまつ毛にとてもあっていました。
ほのかちゃんは、華やかなピンク色の桜が描かれた濃い紫色の振袖に、パステルカラーに光る銀色の帯で、ほのかちゃんの雪のように白い肌にぴったりでした。
あやちゃんは、白やピンクの芍薬が描かれた青色の振袖に、笹の葉柄のオレンジ色の帯で、あやちゃんの透明感のある肌にそのオレンジと青のコントラストが粋でした。
ゆうなちゃんは、絞り染の濃い紫色の振袖に、虹色に光る銀色の帯で、とても品があり、ゆうなちゃんの笑顔にぴったりでした。
「5人も着付けをさせていただけて、私たちまで晴れやかな気持ちになったわ」
「5人が並ぶと、より華やかね」
着付けが完了し、そう言ってくださった着付け師の方に、5人並んでお礼を言えたことが嬉しかったし、こんな風に日本人として振袖を着させていただけることがありがたいと思いました。
●ヘアメイク
私は髪の毛をあゆちゃん、メイクをまえちゃんがしてくれました。
あゆちゃんが真剣に、丁寧に私の髪を日本人らしいまとめ髪にしてくれて、そこに紺色や金色の小さな毬のような飾りや、ガラス細工のような金色の花飾りなどを華やかにつけてくれました。
「あぁ、ななほちゃんがなのはなに来たばかりの時は、あんなに小さかったのにね。こんなに大きくなって」
そう言いながら、あゆちゃんが髪をセットしてくれました。
なのはなへ来る人は、自立しても前向きでい続けられる心と身体、これまで育ててくることのできなかった自我を、促成するように作り、自立していきます。一方で私の場合は、なのはなファミリーで子ども時代を過ごしました。なのはなファミリーで中学、高校、大学時代を過ごし、今年で大学も卒業し、なのはなファミリーから社会人となります。そんな、心のふるさとと言える場所で、子どもの頃からずっと、私のことを知ってくれている人がいて、私の一番似合う髪型、私の気持ちや表情に合う髪型を理解し、セットしていただけることが、とても幸せだと感じました。
メイクは、まえちゃんが緑のアイシャドウを塗ってくれて、それが私の肌に重なると、振袖の中にある浅黄色へと変わり、とても上品でした。
私はこれまで、ピンクやゴールドのアイシャドウを塗ることが多く、寒色系のアイシャドウは塗ったことがなかったのですが、まえちゃんが、「ななほちゃんは、この色がいいと思うんだ!」と選んでくれたアイシャドウがとても素敵で、(私もいつの間にか、こんな大人っぽいアイシャドウが似合う成人になったんだな)と思いました。
あゆちゃんが成人する私たち5人の髪の毛をそれぞれ、振袖や顔の形、雰囲気に合った素敵なものにセットしてくれて、振袖と揃えたカラフルな髪飾りが誰も、とても似合っていました。
まえちゃん、みつきちゃん、りのちゃんが私たちのメイクを担当してくれて、本当に成人する人の「今」に合った、品格があり、大人の気品と若々しさの両方を持ち合わせた、メイクをしてくれて、とても嬉しかったです。
早朝の5時半ごろから始まり、9時前には5人全員の、着付けとヘアメイクが完了しました。着付けも、ヘアメイクもとても順調に進み、朝早くから私たちの為に、着付け師の方やスタッフさんたちが準備をしてくださり、こうして晴れ着を着させていただけたことがとてもありがたく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
●成人式
式典に行く前、家族みんなが集まるリビングに振袖のお披露目に行きました。
「わぁ」
「綺麗」
みんなが、ずっと口を笑みの形にしたまま、私たちの晴れ着姿を喜んでくれました。そして、振袖を着ての感想、今の気持ちを伝えさせていただくと、涙を流して私たちの成人をお祝いしてくれる仲間がいて、こんなにも優しい空気、温かい空気の中、こうして成人を迎えられることが幸せだと思いました。
人生で初めての振袖は、最初はすべての動きがカチコチになるくらい、恐れ多く感じたのですが、お父さんが「振袖に着せられるのではなくて、振袖をきちっと着れるよう、今日は終始、振袖を着ているということを忘れずに過ごしてください」と話してくれて、振袖の気持ちで式典に参加しました。

すっと背筋を伸ばして、口角をあげて、誇り高く。
日本人としても、こうして大切な節目の日に、一生に一度しか訪れない成人式の日に、振袖を着れるということがありがたかったです。
きっと、私も、私以外の4人も、なのはなファミリーに来ていなかったら、振袖を着ることができなかったと思うし、着る気持ちにもなれなければ、成人式にも行けていなかったと思います。
でも、今日は心から晴れやかな気持ちで成人式に出席し、どこを見ても、大好きな仲間・家族の姿がありました。
午前10時、「勝央町 二十歳の集い」の式典が開かれました。
勝央文化ホールに到着し、車から降りると、もう既に撮影班のみんながスタンバイをしてくれていて、どこにいても、どこを見ても、満面の笑みで手を振る家族の姿がありました。
その一人ひとりの向けてくれる笑顔を見ていると、私自身がその人とこれまで一緒に過ごしてきた期間、楽しかったこと、その人の好きなところを思って、泣けてきてしまいます。
それは、みんなも同じようで、応援組のみんなが私たちの良いところも悪いところも全部、理解してくれて、好きでいてくれていて、心の底からお祝いしてくれているのを感じました。
なのはなファミリーの子として、誇りをもって成人式に出席できたことが嬉しかったです。
●なのはな写真館
式典から帰った後は、なのはなファミリーの体育館で、1日限定なのはな写真館が開かれました。
カメラマンも、アシスタントも、モデルもなのはなの仲間です。
数日前から、家族みんなが私たち5人の為に体育館やリビング、衣装室など部屋をきれいに掃除し、成人式仕様に飾りつけをしてくれていました。
体育館に入ると、ピンクや白のハニカムボールが吊り下げられ、全部で4枚の撮影背景が準備され、お父さん・かにちゃんカメラマンブース、あゆちゃんカメラマンブース、まえちゃんカメラマンブースの3つのブースが出来上がっていました。
お父さんとかにちゃんのブースは、水色の背景にピンクや黄色の斑が点々と描かれた洋風画のような背景で、その前に立つだけで、背筋が正される思いがしました。
「綺麗だねぇ」
「うん、いいよ」
「よく撮れてるよ。すごく、いい表情だよ」
カメラマンのお父さんがバチッと、決めてシャッターを切ってくださると、2台のストロボから強い光が放たれて、一瞬の場面がカメラを通して永遠の絵となります。
「ななほは、写真を撮られるのが上手いね。撮られなれてるよ」
「うん、表情も姿勢もよく決まってるね」
なのはなファミリーに来てから、今日に至るまで、これまで農作業やダンス、コンサートと様々な場面で写真を撮られ、私もみんなの写真を撮ってきたから、自然と写真を撮られる側になっても気持ちを作りやすく感じました。
そして、撮影ブースにいるみんなが「綺麗だね」「可愛いね」「わぁ」「ん~!」と口々に声をかけてくれて、感嘆の声を漏らしていて、その空気がとても温かく、綺麗でした。
もう成人をしている人も、まだ成人式をしていない人も、これまでなのはなファミリーで成人を迎えた人も、みんなが私たち5人を思い、自分のことのように私たちの成人をお祝いしてくれて、喜んでくれていました。
そして、心の底から好きな気持ちを向けてくれて、その目線や声、言葉はなくてもその空気がとても優しく、涙が溢れそうになりました。
なのはなファミリーはいつも、こんな風に優しい空気で溢れています。そして、私はその空気が好きで、そんな空気にこれまで、たくさんの癒しをもらってきました。
成人式も、みんながお互いさまです。お祝いされる私たちがとても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになるのと同じように、お祝いしてくれるみんなも私たちと同じ気持ちでいてくれて、私たちの二十歳の今を一番いい形で残せるように、私たちがなのはなファミリーで過ごす二十歳の時を一生の思い出に残るものとなるように、真剣に、大切にいてくれます。
そして、写真を撮られている時も、みんなが向けてくれる笑顔が本当に優しくて、涙が出ました。
「ななほちゃん、大人になったんだね」
「あぁ、来たばかりの時はあんなに小さくて、よく泣いてばかりいたのに、今では大人になったね」
「顔は全然、変わらないのに、雰囲気や表情がすごく大人っぽくなっていて、私が泣きそうだよ」
そう言って、成人を祝ってくれる仲間がいます。
私の良いところも悪いところも全部理解して、その上で好きでいてくれる仲間がいること。これ以上の幸せと安心はないと思います。
また、私がなのはなファミリーで大人へと成長する過程の中で、新しく家族になった仲間もみんな、私のことを理解してくれて、私のことを知っていて、そんな仲間に囲まれてこの、成人式という日を迎えられたことが幸せです。
あゆちゃんカメラマンのブースでは、りゅうさんが輪の花飾りを持ってくれていました。
あゆちゃんが「春のような表情で」と言ってくれた時、隣で飾りを持ってくれていたりゅうさんも、「僕も、春のような笑顔で」と言って笑わせてくれました。
「あゆちゃん、僕も写していいよ。僕も、春のような笑顔!」
とあゆちゃんに言いながら、隣で満面の笑みで瞳をキラキラさせているりゅうさんの姿がとても嬉しくて、あゆちゃんとりゅうさんの作ってくれる温かい空気の中、温かい写真が撮れていました。
まえちゃんのブースでは、真っ白な背景で、傘を持ってみたり、振袖の裾の袖を広げてみたり、色々な角度から、色々な表情で撮影をしました。
どの表情、どのポーズをしても、まえちゃんや撮影ブースにいるみんなが「きれ~~~~い」と言ってくれて、思わず表情を作るのも忘れて、顔が大笑いになってしまい、それでまた、みんなに笑われて、私ももっと大大笑いになってしまいました。
また、午後からは、かにちゃんと外での撮影もしました。
那岐山を背景に振り袖姿で写真を撮る。私はなのはなファミリーの成人式のフォト撮影でも、この背景が一番、好きです。
かにちゃんが作ってくれる温かくて、優しくて、本当に好きな気持ち、大切な気持ちに溢れた幸せな空気の中、写真を撮ってもらう時間が嬉しくて、涙が出そうでした。
那岐山の撮影では途中、風も強くて身体が冷えそうな時もあったのですが、撮影現場に来てくれたなつみちゃんやまりかちゃんが、レフ板用の銀マットで身体を包み込んでくれて、とても暖かかったです。
ちょっぴりふざけて、銀マットに肩まで使っていると、そこの空間だけ温泉になっていて、かにちゃん達が笑っている光景も、私の中で大切な思い出となる一瞬になりました。
成人式に向けて、数日前からフォト、ムービーの撮影も行われていて、私も一昨日と昨日、素敵な衣装を着て撮影をしていただきました。
真っ白なドレスに白い羽の髪飾り。黄色のドレスにヒマワリの髪飾り。アラビアンなベリーダンスの衣装に、ピンク色のハワイアンのムームー。白のワンピース……。
たくさんの背景や、バナナハウス、畑と私が育ったなのはなファミリーの大好きな場所で撮影をしてもらえたことが幸せでした。撮影班のみんなもずっと、私たち成人メンバーが少しでも綺麗に、一生の思い出となるようにとずっと考えてくれて、同じ気持ちでいてくれて、そのこともありがたかったです。
また、私たちの知らないところで、なのはなのみんながお楽しみムービーの撮影もしてくれていて、後日、私たち一人ひとりに、成人式のフォトムービーが送られます。それが完成して見させていただくのがとても楽しみで、こんな風にたくさんの家族、大好きな人にお祝いしていただける私たちは、幸せだなと思いました。
本当になのはなファミリーに出会えてよかったです。
この仲間に出会えてよかったです。
なのはなファミリーで子どもから大人になれたこと、なのはなファミリーで大人へと成長した私。
なのはなファミリーが私の居場所で、こんなにも優しくて、愛に溢れた仲間・家族がいることが幸せです。
そして、なのはなファミリーで1から育て直してもらい、こうしてみんなの中で成人を迎え、これから社会人として生きていけることが嬉しく、なのはなの子であることが私の誇りです。

今日は本当にありがとうございました。
成人式という節目の日を迎え、これから、大人としての自覚と責任を持ち、これまでなのはなのみんなに守られてきた私ですが、これからは大人として守る側になり、より一層、社会の為に貢献していけるよう、努力していきます。
(ななほ)