【新春号⑲】「奇跡の展開で締めくくられた三が日!―― ドラマチック・豆掴み大会 ――」ほし


 ワクワク、楽しさ、嬉しさが続く、お正月三が日。

 三日の夜。そのラストを飾るのは、そう。「豆掴み」です。

 なのはなのお正月遊びには欠かせない豆掴みは、その名の通り、箸で豆を掴んで、その掴めた豆がチームの得点となり、その得点が多いチームの勝利となります。

 会場となるリビングの真ん中の床には、直径二メートルの円がロープで作られ、その中に、落花生、小豆、白大豆がたくさん散らばっており、真ん中には、その豆を入れるペットボトル。
  

 
 そして、その円の外周のすぐ傍には、箸が何膳か用意されています。

 みんなとリビングで集まる、気持ちも身体も温かい空間で、「さあ、豆を掴むぞ」という気持ちになりました。

■全神経、一点集中!

 豆には、それぞれ点数がありました。

 落花生三点、白大豆五点、小豆八点。

 それぞれ、その色のリボンがついたペットボトルの口に箸で運びます。

 チームのみんなと、どの豆を集中的に掴むか、シンキングタイムを重ね、その場に向かいます。

 まりかちゃんは落花生を掴んでくれる。いよちゃんは白大豆。ひろこちゃんとかのんちゃんと自分の三人で、小豆を掴みます。

 第一回戦。ノーマル豆掴み。

 前半戦と後半戦。チームから五人の選手が出て、試合開始です。

 豆を掴める時間は一分間。

 実行委員さんが、用意してくれた、三味線と笛と和太鼓の軽快なリズムの音楽とともに、全神経を集中させ、いざ、豆を掴みます。

  
 

 私は、小豆を掴んでいたのですが、小豆は小さく、するすると滑るため、難易度が高かったです。掴んだ、と思えば、するりと落ちてしまう、悔しいと思っていたら、隣で小豆を次々に掴んで、ペットボトルに入れていく、頼もしいひろこちゃんの姿がありました。

 その姿が、凛々しくて、かっこよかったです。

 豆掴みが初めてのまりかちゃんも、落花生を次々に掴んで、ペットボトルが満杯になるくらい掴んでくれていました。

 一分間があっという間で、一秒一秒に必死で、楽しかったです。

 他のチームでも、全員が小豆を入れる作戦、まんべんなく全種類のペットボトルに入れる作戦など、チームによって色が違うのも、面白いな、と思いました。

■ギャンブル豆掴み

   
  
 続いて、第二回戦。どれか一種類、得点プレゼントの回です。

 一分間のゲーム後にくじを引いて、出た色のペットボトル一種類分だけ、得点を獲得できる。

 そして、第二回戦からは、黒大豆が加わり、その得点は十点となりました。

 得点の高い黒大豆に集中するか、けれどくじの結果によっては、その黒大豆の得点を全部失うことになるかもしれない……。

   
  
 一か八かのハラハラ、ギャンブルでした。

 その一か八か。

 今年の豆掴みは、ドラマティックなミラクルが、続いて起こりました。まるで、もともとそう仕込まれていたかのように、です。

 まえちゃんチームには、相川さんが入って下さっていました。

 お正月遊びで相川さんのチームは、毎回一位の勝利を収めており、「勝利の男」という別名が相川さんにありました。

     
 その名の通り、ミラクルが起こりました。まえちゃんチームは、五人全員で黒大豆を集中して掴んでいました。

 その五人で掴んだ黒大豆の数は百六十個以上。点数にすれば千六百点。

 これは、かなりの高得点。失えば、ロスが大きいです。

 そこにくじを持った実行委員さんがやってきます。

 そのくじは、小さな缶に、割り箸が四本刺さっており、その先には、黄、赤、青、白のテープが巻かれており、黄が落花生。赤が小豆。青が黒大豆。白が白大豆となります。

 くじを引くのは相川さん。

 ここは、青いくじを絶対に引きたい……!
  

  
 「青を引いてください!」

「青!」「青!」と、手拍子とともに、リビング会場から声があがります。

■勝利の相川さんパワー

 そして、相川さん、くじを手に。

 すごい緊張感が走ります。

 引きました。

 その色は……「青」!!

 リビング全体から、大きな歓声が上がりました。

 とっておきの瞬間でした。

 そして、続いてのお父さんチームの回。このチームも、続いて黒大豆狙いでした。その点数は、またもや千点以上。くじを引くのは、お父さん。
  またまた、ドキドキハラハラの緊張感が、リビング中に走ります。

 そして、お父さん、くじを手に、引きました。

 その色は、「青」。

 またもや大歓声が起こりました。
  

   
 続いてのなっちゃんチーム。こちらのチームも、黒大豆集中型の作戦。なっちゃんが、くじを手にします。

「お父さんと相川さんが引いた気配を感じるんだ」という、司会あゆちゃんの声。

「引くよ!」

 なっちゃんが、チームのみんな、リビング中のみんなに見守られながら、くじを引きます……。

 ドキドキハラハラ……息をのみました。

 その色は、「青」!!!

 すぐ隣にいたふみちゃんが、なっちゃんに抱き着いていて、みんなが全力で喜び合っていました。

 その姿は、リビング中のみんなを元気にさせてくれました。そんなミラクル続きの二回戦が終了し、続いて三回戦目。

 今度は、くじを引いて、どれか一つの豆を入れたペットボトルの得点を次のチームにプレゼント、という形式となりました。

 二回戦目までの合計点数一位のまえちゃんチームから始まります。

■勝利の男、 再び……

 この時のまえちゃんチームのスタイルは、白大豆以外のものをペットボトルに入れていました。

 またまた超高得点。このくじで、白をひけば、その全得点を獲得できます。

 白を引く確率は、四分の一。

 再び、相川さんがくじを手にします。

 ここまで来て、またミラクルが起こるか、どうか。確率は、四分の一。それは起こるのか。

 相川さんが引きました。

 その手の先に見えた色は……「白」でした。

 まえちゃんチームのみんなが飛び跳ねて、相川さんを囲みました。

 信じられない、と思うくらい、ミラクルでした。

 ミラクル続きで、その瞬間を同じ空間で感じられるだけで、すごくすごく楽しい夜になりました。

 ドラマティックな展開満載の、豆掴み大会でした。