ワクワク、楽しさ、嬉しさが続く、お正月三が日。
三日の夜。そのラストを飾るのは、そう。「豆掴み」です。
なのはなのお正月遊びには欠かせない豆掴みは、その名の通り、箸で豆を掴んで、その掴めた豆がチームの得点となり、その得点が多いチームの勝利となります。
会場となるリビングの真ん中の床には、直径二メートルの円がロープで作られ、その中に、落花生、小豆、白大豆がたくさん散らばっており、真ん中には、その豆を入れるペットボトル。
そして、その円の外周のすぐ傍には、箸が何膳か用意されています。
みんなとリビングで集まる、気持ちも身体も温かい空間で、「さあ、豆を掴むぞ」という気持ちになりました。
■全神経、一点集中!
豆には、それぞれ点数がありました。
落花生三点、白大豆五点、小豆八点。
それぞれ、その色のリボンがついたペットボトルの口に箸で運びます。
チームのみんなと、どの豆を集中的に掴むか、シンキングタイムを重ね、その場に向かいます。
まりかちゃんは落花生を掴んでくれる。いよちゃんは白大豆。ひろこちゃんとかのんちゃんと自分の三人で、小豆を掴みます。
第一回戦。ノーマル豆掴み。
前半戦と後半戦。チームから五人の選手が出て、試合開始です。
豆を掴める時間は一分間。
実行委員さんが、用意してくれた、三味線と笛と和太鼓の軽快なリズムの音楽とともに、全神経を集中させ、いざ、豆を掴みます。
私は、小豆を掴んでいたのですが、小豆は小さく、するすると滑るため、難易度が高かったです。掴んだ、と思えば、するりと落ちてしまう、悔しいと思っていたら、隣で小豆を次々に掴んで、ペットボトルに入れていく、頼もしいひろこちゃんの姿がありました。
その姿が、凛々しくて、かっこよかったです。
豆掴みが初めてのまりかちゃんも、落花生を次々に掴んで、ペットボトルが満杯になるくらい掴んでくれていました。
一分間があっという間で、一秒一秒に必死で、楽しかったです。
他のチームでも、全員が小豆を入れる作戦、まんべんなく全種類のペットボトルに入れる作戦など、チームによって色が違うのも、面白いな、と思いました。
■ギャンブル豆掴み
続いて、第二回戦。どれか一種類、得点プレゼントの回です。
一分間のゲーム後にくじを引いて、出た色のペットボトル一種類分だけ、得点を獲得できる。
そして、第二回戦からは、黒大豆が加わり、その得点は十点となりました。
得点の高い黒大豆に集中するか、けれどくじの結果によっては、その黒大豆の得点を全部失うことになるかもしれない……。
一か八かのハラハラ、ギャンブルでした。
その一か八か。
今年の豆掴みは、ドラマティックなミラクルが、続いて起こりました。まるで、もともとそう仕込まれていたかのように、です。
まえちゃんチームには、相川さんが入って下さっていました。
お正月遊びで相川さんのチームは、毎回一位の勝利を収めており、「勝利の男」という別名が相川さんにありました。
その名の通り、ミラクルが起こりました。まえちゃんチームは、五人全員で黒大豆を集中して掴んでいました。
その五人で掴んだ黒大豆の数は百六十個以上。点数にすれば千六百点。
これは、かなりの高得点。失えば、ロスが大きいです。
そこにくじを持った実行委員さんがやってきます。
そのくじは、小さな缶に、割り箸が四本刺さっており、その先には、黄、赤、青、白のテープが巻かれており、黄が落花生。赤が小豆。青が黒大豆。白が白大豆となります。
くじを引くのは相川さん。
ここは、青いくじを絶対に引きたい……!
「青を引いてください!」
「青!」「青!」と、手拍子とともに、リビング会場から声があがります。
■勝利の相川さんパワー
そして、相川さん、くじを手に。
すごい緊張感が走ります。
引きました。
その色は……「青」!!
リビング全体から、大きな歓声が上がりました。
とっておきの瞬間でした。
そして、続いてのお父さんチームの回。このチームも、続いて黒大豆狙いでした。その点数は、またもや千点以上。くじを引くのは、お父さん。
またまた、ドキドキハラハラの緊張感が、リビング中に走ります。
そして、お父さん、くじを手に、引きました。
その色は、「青」。
またもや大歓声が起こりました。
続いてのなっちゃんチーム。こちらのチームも、黒大豆集中型の作戦。なっちゃんが、くじを手にします。
「お父さんと相川さんが引いた気配を感じるんだ」という、司会あゆちゃんの声。
「引くよ!」
なっちゃんが、チームのみんな、リビング中のみんなに見守られながら、くじを引きます……。
ドキドキハラハラ……息をのみました。
その色は、「青」!!!
すぐ隣にいたふみちゃんが、なっちゃんに抱き着いていて、みんなが全力で喜び合っていました。
その姿は、リビング中のみんなを元気にさせてくれました。そんなミラクル続きの二回戦が終了し、続いて三回戦目。
今度は、くじを引いて、どれか一つの豆を入れたペットボトルの得点を次のチームにプレゼント、という形式となりました。
二回戦目までの合計点数一位のまえちゃんチームから始まります。
■勝利の男、 再び……
この時のまえちゃんチームのスタイルは、白大豆以外のものをペットボトルに入れていました。
またまた超高得点。このくじで、白をひけば、その全得点を獲得できます。
白を引く確率は、四分の一。
再び、相川さんがくじを手にします。
ここまで来て、またミラクルが起こるか、どうか。確率は、四分の一。それは起こるのか。
相川さんが引きました。
その手の先に見えた色は……「白」でした。
まえちゃんチームのみんなが飛び跳ねて、相川さんを囲みました。
信じられない、と思うくらい、ミラクルでした。
ミラクル続きで、その瞬間を同じ空間で感じられるだけで、すごくすごく楽しい夜になりました。
ドラマティックな展開満載の、豆掴み大会でした。