【新春号⑱】「慎重に、息を合わせて…… 目指す羽根つき名人」まなか

   
 お正月遊びで一番好きな遊び……! それは羽付き!

 コツン、コツンと羽が羽子板に当たる音を聞いているだけで、静かな嬉しい気持ちがふつふつと膨らんできます。

 今年は午後の時間をたっぷり使って、思う存分、羽付きを楽しみました。練習の時間が二十分あり、羽根をつく感覚をしっかりつかみながら、ペア決めをできたことが嬉しかったです。

 第一種目は、チーム対抗総当たり戦です。体育館全面を使い、六チームがそれぞれ対決しました。一分半で何回落とさずにつけるかを競います。

 私がいたチームでは、今年初めて羽根付きをする、かのんちゃんがいました。練習している時も上手だなあと思っていたのですが、試合になってからもどんどん、羽根をつく姿が様になっていくのが格好良かったです。

 私はひろこちゃんとペアだったのですが、一試合が終わるごとに、「次は回数メインで速くついてみよう」とか、「ちょっと慎重に、回数と落とさないこととを両立してやってみよう」と色々なつき方を試しながら出来たことがとても楽しかったです。

 一度、百七十二回も続けることが出来たこともとても嬉しかったです。

     
 総当たり戦では、勝ったチームから負けたチームへ、墨入れがあります。今回の墨入れテーマは「トンボの顔」。私も負ける度にトンボラインが顔に入っていきました。

 相川さんからの墨入れは、おでこの真ん中にトンボのシルエットがとまりました。

 ……負けてしまって墨入れは悔しかったけれど、かっこいいデザインがみんなとお揃いで、こんな墨入れだったら嬉しいなと思いました。

 次の遊びは、団体戦です。

 チームのうち一人がひたすら羽根を打ち返し、他のみんなは一列に並んでぐるぐると打ち返しながら回ります。野球のノックのような形です。

 見ていると「難しそうだな」と思っていたのですが、やってみると難しいけれど……面白い!おっとっと、と落としそうになる羽根も、ぎりぎりのところで繋がるのが楽しかったです。

 上手なチームは、ドタバタ感がなく、安定していてスムーズなパスがかっこいいなと思いました。

 私たちのチームも、なんとか相手チームよりも多くつけて、見事勝利!

 チームのみんなでぎゅっと喜び合ったのも嬉しかったです。

 お次は名人戦! 私はひろこちゃんとペアで出場させてもらいました。名人戦は、片足を、しめ縄で作った輪から少しも動かさずに羽根を突き続けるというもの。これは回数ではなくて、より長くついていたほうが勝ちという、サドンデス方式でした。

 最初の試合は、様子を見ながら感覚をつかんでいきました。

 おお、ラッキー! 勝ち進むと、次の試合では急に緊張してしまい、羽根があっちこっちにそれてしまいます。

 それでもひろこちゃんが根気強く拾って返してくれて、なんとか勝利! ……よかった!

 あっという間に一位決定戦になっていました。前の試合で随分ひやひやしたので、この時には落ち着いてスタートできました。強豪のピンクチーム、ちさとちゃん・さくらちゃんペアとの対決!

 私たちは、ちょっと高めに羽根を上げながらついて、落ち着いた速度のラリーを心がけました。

 最初から最後まで一定のリズムでついていると、試合という緊張感はなくて、ずっとついていられそうな気持になりました。
  

   
 「ピー!」笛の音がなり、試合終了の合図が!

 ひろこちゃんが最後の羽をカーンと高くついたのと同時に駆け寄り……ひしと抱き合って勝利を感じました。チームのみんなも駆け寄ってきてくれて、「やったー!!!」と喜んだのが凄く嬉しかったです。

 みんなの集中した空気と、綺麗な羽根が舞う姿。たくさん羽根付きを満喫できた時間が充実していました。ああ、羽根付き部があったらいいのになあ。羽根付き大会が終わった今、そんな風に思うのです。