かき初めということで、家族そろって、全員で食堂と、五年生に分かれ、行いました。
最初に“山高”という字をお手本に忠実にして、書かせてもらいました。
お父さんが、自分を消して、その人になりきって、そのままそっくりその字をまねる。と教えてくださりました
何年間も、その人の字を真似し続け、それを積み重ねたさきにしか、自分の字をかくまでには、いたらない、と教えてくださり、字を書くにしても、自分を消して真似をすることが大切になっていくことを知りました。
私は、今まで筆と墨で書を書くことがすごく難しくて、理解するまでにもかなり時間がかかったのですが、今年は、字を真似して書くことの難しさも楽しめてきて、こんなにもきわめてまねすることの面白さ、楽しさを知りました。
実際に書いてみると、意外に、簡単そうに見える“山”という字が難しかったです。
一角一角、一発勝負なので、かなり緊張と集中力の戦いでした。
少しでも気がぬけてしまうと、自分流の書き方になってしまい、その少しというものが、後々見ると少しではなく、とても大きな点に見え、目立っていることにも気づいたり。
慎重に書こうとして、ゆっくりすぎてしまうと、墨がにじんでしまったり、太くなりすぎてしまったり。
早すぎても、ゆっくり過ぎても、真似するのは難しくて、それをどのように、ちょうどよい筆の使い方とペースで書くかもかなり重要になっていくことを感じました。そのことを極めていくことが楽しかったです。
そうこう考えているうちに、時間は、あっというまにたちました。
■基本に忠実に
途中でお父さんが、一人ずつ書いたものを見本と比べ、アドバイスをしに来てくださり、自分では、気づけなかった部分をたくさん、教えてもらいました。
基本なところから、筆は鉛筆のように寝かせて持つのではなく、筆を立たせて持つこと、そう言われてみると、若干寝かせて書いていたかもしれないと思いました。
できているようで、実は、できていなかったというポイントもあって、いちから基本に忠実にしていき、お父さんのアドバイスをふまえてやってみると、さっきよりも、より見本に近づいていき、それがうれしかったです。
そのあとは、二〇二五年の抱負を漢字二文字で書きました。
私は、“素直”という字を書きました。
自分の考え、欲を通そうとするのではなく今までの苦しかった自分を消し、お父さん、お母さんに教えてもらったことを素直に聞き、新しい自分の中に入れていく。
その意味を込めました。
こうして、自分の抱負を実際に書いて残すことによって、より気持ちも強く引き締まりました。
先ほどまでは、お手本の真似をするというので書いていたのですが、お手本がないと、思ったよりも難しく感じてバランスをとるのに苦戦をしました。
それでも、何度か書いているうちに、さっきのお手本の字では、こういう一画は、こうやって書いていたな、この場合は、ここを太くして、ここを細くして、と。お手本から、真似をすることで学んだ点がいくつも出てきて、それを実際に書くときも生かして書くことができてうれしかったです。
書きぞめは、ほかのお正月遊びと違って、一見、個人プレーにも見えたのですが、書きながらも、楽しさを感じているときも、みんなも同じ気持ちだろう、と思えて、その感覚を感じられることもうれしくて、みんなで、今年の抱負をかけた時間が楽しかったです。
みんなの書いた書き初めは、食堂に飾られ、一人ひとりの字がじっくり見えました。その人それぞれの文字に込めた思いがたくさん詰まっていて、その字を見ただけでも、その人の書いている顔が思い浮かんで、うれしい気持ちになりました。
今年は、この抱負を本物にしていきます。