【新春号⑩】「澄んだ空気の中、迎えた新年 ―― 二〇二五年の始まりお屠蘇・抱負・元朝参り ――」りな

 
 新年、明けましておめでとうございます。

 二〇二五年、元日にはたくさんの卒業生も帰ってきてくれて、家族みんなで、新年を迎えることが出来ました。

 古吉野なのはなの校舎にも、年神様が来られていると思うと、背筋がしゃんとするし、新しい節目を迎えた空気で満ち溢れていて、どこを見ても、神聖な気持ちでいっぱいになりました。

■二〇〇〇キロの視野で

 元日の午前は、食堂に長幼の序で並び、お父さん、お母さんから、お屠蘇を頂く時間です。お父さんから、二〇二五年は、どんな年になりそうか、今の世界情勢も踏まえて、お話がありました。世界の大きな流れを、お父さんから教えてもらい、今はその節目の時期であるということ、世の中全体が、大きく変わり始めているということを知りました。

 普段の毎日を過ごしていると、日々の小さな出来事に埋もれて、自分の目の前に起こっていること以上の範囲を、イメージすることが出来なかったり、考えることが出来なかったりします。

  
 
 けれど、お父さんの、もっともっと広い視野で見たお話を聞かせていただくと、自分のやる気や使命感は、とてもちっぽけで、繋がりが浅いものだったのだなと気が付きました。お父さんとお母さんが見ている、もっともっと大きくて、深くて、広い世界を知ると、狭かった自分の視野から脱皮して、もっと自由に、広く考えることができました。

 そして、目の前に用意されている自分の果たすべき役割に一生懸命になることや、今一緒にいられる仲間を大切にすること、訪れてくる毎日を誠実に謙虚に生きることは、きっと未来に繋がっていけるのだと感じました。

 未来のまだ見ぬ誰かに繋ぐ、その前提で今を生きようと思いました。目的や、行きつく先を、スパン長く、視野の広いものにしようと思いました。

■純粋な気持ち

 お父さん、お母さんから今年の抱負を聞かせていただいた後、年の順に、一人ずつ、抱負を発表しました。みんなの抱負を聞いて、お父さんとお母さんからの言葉を聞いて、とても気持ちが引き締まり、また、とても安心した気持になりました。

  
 
 課題は人によって違っても、誰をとっても、もっと良くありたい、良く生きたいという真っ直ぐな純粋な気持ちを感じました。芯の部分を話しても、それをお互いに受け止め合える仲間がいるということが、本当に恵まれていることだと感じました。

■私の抱負

 私の抱負は、地道に、地に足を着けて物事を考えたり、実行すること。

 自分の考えをオープンにし、それがたとえ正しくても間違っていようと、意思表示をしていくこと、です。

 この抱負を発表したときに、お父さんが、「根拠を持つことが大切だよ」とアドバイスをくださって、これが自分の意識になくて、足りなかったことなので、とても嬉しかったです。
  

  
 乗り越えなければいけない課題はあってとても未熟だけれど、それでも受け入れてくれる、理解してくれている家族がいることが幸せだなと思うし、未熟であっても、今の全力で、生きていきたいと思いました。

■元朝参り

 抱負を発表した後すぐに、諏訪神社へ元朝参りに向かいます。この日はとても天気が良くポカポカしていて、道中みんなと列になって歩いていると、暑くなってきました。

  
 
 道中で見る景色が、とても綺麗でした。那岐山の輪郭が青空にはっきりと見えて、山頂に雪が降り積もっていました。

 諏訪神社に到着すると、ちょうど御祈祷が終わったところでした。神主さんが、私達にもと、本殿の前で、お祓いをしてくださりました。

 祠を回って、二礼二拍手一礼をします。神社の中は、空気が澄んでいて、神聖で、自分の考えること、行い、全てが見透かされているような気がしました。

  
 
 大きな幹の樹が何本も生えていて、強い生命力をありありと感じて、自分一人の存在が、とてもちっぽけに思えました。

 一人ができる力は本当に限られていて、小さいものなんだと思いました。

 そして、これからどうやって生きるかということも、これから待ち受ける展開も、自分で決めるのではなくて、もうすでに決まっていて、自分はただそれを実現していくだけなのかもしれない、とも思いました。

 生かされているんだと思いました。手を合わせて、頭を垂れながら、そんな気持ちでいっぱいになりました。謙虚な気持ちになりました。

  
 
 神様に恥じない生き方をしていく決意を固めました。

 一年の節目で、新鮮な空気をいっぱい吸って、厄が全部取り払われたような気がしました。みんなと、良いスタートを切れた実感がありました。

 これから、毎日がまた忙しくなってきて、日々に埋没してしまいそうになっても、お屠蘇の時、元朝参りの時に感じた気持ちをいつも心の片隅に置いて、過ごしたいと思いました。