初めてのウィンターコンサート、本当に楽しくて幸せでした。二〇二四年十二月二十二日、勝央文化ホールで行なったウィンターコンサート。どの瞬間も凄く愛しくて、大切で、一瞬一瞬が宝物で、『フー・ウォンツ・トゥ・リヴ・フォーエバー』の「一瞬は永遠」という意味が分かりました。本当に全部の瞬間が光の速さで過ぎて行く中に、いくつも幸せな瞬間があって、これが私の心の中で永遠になるのだなと感じました。
■幸せ
コンサート当日も、コンサートに向かうまでの過程でも、幸せだと感じることが何回も、何回もありました。
自分の人生で、幸せだと思うことがあると思ってもいなかったので、今、幸せだと感じることが奇跡だなと思っています。丁度一年前、死にたいとしか考えていなくて毎日、自殺未遂をしたりしていた私が幸せだなと思っていることが信じられません。本当にありがとうございます。
コンサート練習期間中に感じた気持ちや、お父さん、お母さん、あゆちゃんにもらった言葉が本当に宝物です。
コンサートが始まる直前、みんなでがんばろうね、大好きだよと言い合ってコンサートを始められた時間が、本当に幸せでした。みんなで集まって、美味しい食事をいただいて、同じ気持ちでコンサートに向かっていける仲間がいて、本当に幸せだなと感じます。誰一人として欠けてはいけない、本当にみんなでいいコンサートにするという気持ちが凄く尊かったです。
私は『リヴ・フォーエバー』で、オープニングを踊るメンバーに続いて出て、センターで一列に揃う場面があって、コンサート最初の曲で本当に本当にとても大事な曲だったので、そこを成功させることができるか、と凄く心配していました。体育館の練習のなかでも、フォーメーションでトラブルが起きてしまったり、綺麗に揃えることができなかったりすることもあって、ホール入りしてからも、最初から失敗してみんなのコンサートの始まりをくじいたらどうしようと思っていました。
最初のメンバーで集まって練習していたものの、本番上手くいくかドキドキでした。
始まる前に、ももかちゃんと手を握って、絶対揃えようね、成功させようねと強く思い合えた時間が凄く嬉しかったです。同じように思ってくれて、がんばろうねと言ってくれる仲間がいることが、とても幸せだと感じました。
ドキドキのその瞬間、誰もはみ出ることなく一列に揃うことが出来ました。本当に本当に嬉しかったです。あの一列になった瞬間、今日のコンサートは絶対かけがえのない、成功するコンサートになるなと確信しました。
お客さんがたくさん入っていてくださって、とても嬉しかったです。こんなにも求めて、見に来てくださった方がいることが、とても嬉しくて、伝えよう、伝わるようにがんばろうという気持ちが一層強まりました。
パフォーマンスをしていて、曲によって違う自分になっていたなと思います。今までの通し練習でも、曲の人格になりきってしていたのですが、コンサート当日は、またいつもの感じと違って、いつもよりも違う自分、曲の人になっていたように感じます。特に『ビューティフル・ピープル』と『アンダー・プレッシャー』は曲と一緒に、頭の中にずっとあゆちゃんの和訳が流れてきていて踊っていて、とても楽しくて希望を感じました。
■求めている人へ
想像以上にお客さんの反応が凄くて、会場が本当に暖かい雰囲気で包まれていて、とても嬉しかったです。劇の合間に拍手があって、お客さんが好意的に、メッセージを受け取ってくださったのが分かって、とても嬉しかったです。
踊りながら、とても幸せだなと思いました。たくさんのお客さんの前でとても緊張してしまうかなと思っていたのですが、思ったよりも緊張しませんでした。シーンが進むにつれて、お客さん全員が、お会いしたことがある、知っている方なのではないかと思うほど会場が暖かかったです。
実際はお会いしたことがない方ばかりだったり、遠方から来てくださった方もおられたと思うのですが、それでも皆さんが好意的に見てくださっていたことに対して、求めている人がたくさんいるのだと感じました。
より優しい世界を、良い世界を、と求めている方がなのはなファミリーのみんな以外にもいてくれる事実にとても心を救われて、希望をもらいました。殺人や犯罪のニュースを見て、この世界はもうダメだ、こんな悲惨で悲しくて、どうしようもない世界に生きている価値なんてない、と思っていたのですが、こんな世の中でも同じように優しい、平和な世界でありますように、と思っている人が、私が知らなかっただけでたくさんいることを知ることができました。もうダメだと思っていたけれど、あんなにたくさん同じことを思ってくださる方がいるなら、変えていけると思いました。
■素敵な場面
すにたちゃんのフンコロガシのシーンで拍手が起こったとき、本当に嬉しかったです。すにたちゃんが朝も夜も時間がある限りずっとフンコロガシの言い方、動き方を練習していたので、その努力や面白さがお客さんに伝わって、凄く嬉しかったです。太鼓の演奏の時には、ふみちゃんの始まりから拍手が起こっていたり、曲の区切りの度に拍手が起こっていて、あぁ本当に私と同じように感じてくださっているのだと思いました。『真室川音頭』のときに手拍子が起こったり、劇の面白い部分で笑ってくださったり、本当に本当に嬉しかったです。演奏や演じている時のみんながキラキラしていて、凄く素敵だったなと思います。
今回の脚本でコンサートをさせてもらえたことが本当にありがたくて嬉しかったです。今までは自分が何に苦しんできたのか、どうして苦しかったのか、全く分かりませんでした。ただ摂食障害になったことだけが苦しくて、病気のまま生きていかないといけないことに対してだけ絶望していたとばかり思っていました。でも今回の脚本を通して、私はこの世界の構造に苦しさを感じていたり、なのはなに来るまでに感じていた世間に対する絶望を感じていたことに気づかせてもらって、答えをいただけたことが本当にありがたくて嬉しかったです。
■モノローグ
もえぎくんのモノローグで、自分が感じていたけど今まで気付かなかった気持ちに気が付かせてもらったり、その私自身の気持ちを代弁してもらったりして、とても嬉しかったです。この世の中がおかしいけど自分では何もすることができない、自分が何かしたところでどうせ何も変わらない、という無力感。ニュースで荒れた現代を見るたびに病んで精神安定剤を飲んでいた理由が分かりました。自分では気が付かなかったけれど、私はずっと優しい世界、争いのない世界を求めていたのだと思います。今まではただ絶望するだけで、何もできなかったけれど、今はたくさん仲間がいてくれるから変えていくことができるという気持ちに変わりました。
■脚本からの気づき
ちぐさちゃんのモノローグも私の気持ちそのもので、代弁してくれたことが凄く嬉しかったです。自分も含め、周りのみんなが我一番にと上を上を目指し続けて、小学生の時から点数の見せあい、どの子が誰よりも点数が高かった、頭がいい、運動ができたり、容姿が良かったり、どの分野でも全部のことに対して競争や評価がついてまわることが日常で、私はその流れが当たり前と思って受け取ってしまっていました。
また、上位に入ることができていたので私は競争などで人よりも良い位置にいようとすることが得意なのだと思っていました。実際、全く得意ではなく、競争がもの凄く苦しかったのだと最近になってようやく気がつきました。何で自分が苦しかったのかが分かると凄くスッキリして、一気に霧が晴れて、解決された気持ちになりました。
小学生の時点で競争がずっと始まっていたことに気が付いて、とても恐怖を感じました。
目的も全くない、ただの競争。人よりも優位に立つか、下にいくか、のただ人の上に立つことのよろこびや優越感のためだけの競争が幼いころから始まっていたことに驚きました。
本来、目的などがちゃんと自分の中にあったら、良い点数をとっても人よりできているか、できていないかは全く関係ないのではないかと思いました。自分がそれに対しても苦しさを感じていたのだと気が付くことができて本当によかったと思いました。
気付きのヒントとなる脚本を私たちにプレゼントしてくれたお父さんに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
■基礎を作っていく一人に
大きな枠組みが決まっていて、そこから外れたら生きていけないという気持ちも全く私が思っていたことでした。
一度レールから外れてしまったら人生はそこでおしまいで、どうすることもできない、という恐怖が強くありましたが、今は自分の生きる意味さえ見失わなければ、レールなんてものはどうでもよくて、そのレールから外れても生きていけると感じています。
逆にレールから外れたほうが凄く楽になって、生きやすいのではないかと思います。私もルールが分からないゲームはもうしたくない、もう今まで生きてきたルールの上では生きていかない、と思いました。ちぐさちゃんのセリフと一緒にお客さんに言えたような感じがして嬉しかったです。
きっと、見えないルールの中で生きていて、苦しいと感じている人は私たちだけでなくて、世間にもっともっと多くの苦しんでいる人がたくさんいるだろうなと思います。苦しいと思っているけど、そのゲームから降りるのが許されなくて、降りることが怖くて、ずっとルールの上で人生が進んでいる人は本当に苦しくて辛いと思います。
私は病気になったから気が付くことができましたが、病気にならずに気付くきっかけがなくて、よくわからないけど苦しいと思っている人はきっと辛いのではないかなと思います。
この変なルールがなくなって、みんなが縛られることがない世の中ができたら、どんなにみんな幸せだろうと思います。そんな世界を作れるように、基盤を作っていく一人として成長していきたいです。
みつきちゃんやそなちゃんが、代表して気持ちを言ってくれたことが本当にありがたくて嬉しかったです。そなちゃんが、自分の気持ちそのもの過ぎて、最初は言うことに抵抗があったと話してくれたのですが、そんな中でもずっと練習して、伝わるようにと演技していた姿が本当に綺麗で尊いなと思いました。
■助け合っていく
今回の脚本で、助け合うことの大切さ、どうしたら生きていけるのかという答えなどを、昆虫たちの生き方、植物のあり方から教えてもらえてとても嬉しかったです。何度も同じことを書いてしまうようになってしまうのですが、昆虫たちがミツバチを滅ぼしてでも人類を絶滅させるという選択と、昆虫界を守るためなら自分たちが犠牲になってもかまわないというミツバチの姿勢が凄く強くて綺麗で、感動しました。本来そう生きるべきなのだよなと思いました。
『アイ・シー・ファイヤー』でその昆虫の強さを表現することをあゆちゃんから教えてもらって、その気持ちで『アイ・シー・ファイヤー』をみんなで踊れたことが本当に嬉しかったです。人間も一人で生きて、一人で死ぬけれど、その人生の中で縁があって出会った仲間がいることや、その仲間が弱いわけではないけれど、仲間をお互いに守ること、辛くてどうしようもない渦の中にいてもまだ終わっていないのなら戦い続けることを表現すると教えてもらって、その言葉が人生にも通じると強く感じました。
■たくさんの仲間
コンサートに向かう中で、相川さん、大竹さん、正田さん、あきこさん、さきちゃんやそのお友達の方、写真を撮ってくださる中嶌さん、岡さん。忠政さん。たくさんの卒業生の方がなのはなに帰ってきてくださって、たくさんの人に支えてもらいながらコンサートをさせてもらうことを感じて、とてもありがたいなと思いました。照明やカメラで助けてくださって、本当にボランティアの皆さんがいてくださるからコンサートができるのだなと感じました。応援してくださる方がいると、がんばろうという気持ちがたくさん湧いてきました。
正田さんが、社会では利害の生じる人間関係が多いけれど、なのはなはそういうのがない人間関係なのが嬉しいとコメントしてくださったことが嬉しかったです。私もそういうなのはなの暖かくて優しい空気がとても好きだなと思います。
たくさんの卒業生の方はお子さんを連れて家族で帰ってきてくれて、凄く希望だなと感じました。どのご家族も笑顔が凄く幸せそうで、一緒に過ごさせてもらえることが本当に幸せでした。
たくさんの仲間がいる中でコンサートに向かっていることや、一緒に食事をできたことが凄く幸せだと感じました。自分が幸せだと思う瞬間があることが本当になのはなに来る前の自分からは考えられなくて、本当に幸せでありがたいことだなと思います。
■生きる目的・意味
『ビューティフル・ピープル』や『アンダー・プレッシャー』をみんなと踊れた時間が本当に嬉しかったです。あゆちゃんが、『ビューティフル・ピープル』はみんならしい歌だよね、どんなにブランドもので着飾っている人よりずっと綺麗だと思うと話してくれて嬉しかったです。
私はずっと治療者から、「贅沢すること(高級なものを食べたり、自分の好きなメイク道具を買ったり、旅行に行ったりすること)で幸せのその日暮らしをして、生きがいにすること、そのために勉強をすればがんばって勉強することができる」や、「摂食障害の人は高学歴で資格がないと生活することができず、生きていけない」と言われてきて、そうならなければと思ってきていました。
結局その考えを入れようとしても、自分の贅沢なんて死ねば関係ないし、そんなことで生きたいと思えない、どうでもいいから死にたいと思っていました。
なのはなで生きる目的、意味を教えてもらって、私が今まで言われていたことは、治ることとは真逆の考えで、逆に自分を苦しめるものだったのだと思いました。今は贅沢をすることなんかよりも、もっと幸せなことがあると知れて、『ビューティフル・ピープル』のように、ありのままでいいんだなと思います。
お母さんがコンサート後に、一生懸命な姿は本当に綺麗と言ってくださったことがとても嬉しかったです。
小さい時から、一生懸命であればあるほど同級生からちゃかされてしまったり、真面目ちゃんとして見られてしまうことが嫌で仕方なかったのですが、その気持ちが救われました。
あゆちゃんがコンサートで、なのはなで何を見て、感じて、もう一度賭けていいと思えるようになったかをお客さんに言えるように表現するのだと教えてくれました。
私は、なのはなで同じ摂食障害の人が回復していく過程や、その強さ、綺麗さを見たり、シスターをさせてもらう中で人のために動くことの幸せを教えてもらって、自分と同じ辛さを持った人が苦しさから解放されるなら、と思うようになりました。
そんな気持ちを思いながら、伝える場をいただけたことが本当にありがたかったです。『ビューティフル・ピープル』の後など、後半は特に大きい拍手がずっと続いていて、かにちゃんの合図が聞こえないほどでした。それだけ共感や同意をしてくれて、伝えたかったものが伝わったことを実感して、とても嬉しかったです。本当に伝わる人には伝わるのだなと思いました。
伝えたい気持ちを受け取ってくださる方が、これからもっともっと増えて、なのはなファミリーの輪がどんどん広がっていってほしいなと思います。私もそのために出来ることをがんばりたいです。
■まだ見ぬ誰かのために
踊っている時も、自分のように苦しんでいる人に伝わるように、ただ一人のまだ見ぬ誰かのために、という気持ちを伝えたいと思っていると本当に楽しかったなと思います。今まで自分の体験に対して、お金を消費してしまったり、何で私がこんなに苦しまなければならないんだと思ってきましたが、今は経験したこと、その時の気持ち、全部が私の強みで武器で財産です。
■イモムシから蝶へ
イモムシから蝶になる変態を人間もしなければいけないということが本当に心にすとんと落ちました。お父さんがみんなは太くて大きい立派なイモムシになりなさいと言われてきたけど、そんなの嫌だよと思って摂食障害になったのだと教えてもらった時も、凄く分かりやすくてしっくりきました。子供の時に得た価値観、生き方、感じ方は全て捨ててまっしろにする必要があるのだと分かりました。
私は過去に縛られがちなのですが、過去の価値観などは全部捨てたいです。最近、昔の価値観に囚われると調子が悪くなることに気が付きました。むかし一緒にいたけれど利他的ではなかった友達などの価値観に合わせることを考えると、その時点で私は自分が崩れてしまうような危機感を覚えます。
過去は捨てて、未来だけ見て、新しい価値観で生きて、私も蝶になっていきたいです。イモムシの範囲ではなく、蝶の範囲での視野を持ちたいと思います。コンサート期間で、自分の欠点、未熟さがかなりあることを感じて、まだまだだなと思うのですが、成長できるようにがんばります。人生のことで無駄なことなどなかったと言えるように、全部のことを次に繋げる自分の材料としていきたいです。
『アンダー・プレッシャー』を今回させてもらって、たくさんの知っている曲の中で一番支えとなる曲になりました。ただ好きな曲というよりも、人生のテーマ曲のような感じです。あゆちゃんの『アンダー・プレッシャー』の和訳を見ると凄く勇気や希望をもらえます。
■これからがスタート
絶望したところからもう一度みんなで賭けていけていることが凄く嬉しいです。もう一度賭けてみようかなと思う人が増えるように、私も仲間集めをしていきたいです。
脚本のように、ソーシャルフィールドを作って新しい世の中の仕組みを作ることや、子供たちが蝶への変態を遂げられるよう教えたり、サポートすることは、実際に私たちがこれからしていくことなのだと思うと凄くわくわくします。
なのはなでは桃や、ミツバチなど既に始まっていて、脚本の内容が実現されていて嬉しいです。私も新しい仕組みを作っていく一人となれるよう、『アンダー・プレッシャー』の歌詞のように、昨日よりマシな自分に、少しでも成長できるようにという願いや希望を持っていきたいです。
コンサートは終わりましたが、これからがスタートだなと思い、コンサートやその過程で得た気持ちを忘れずに大切に胸に残してがんばりたいです。