1月2日のなのはな
新年に書初めを行うということで、昨日から少し緊張していました。書道は高校生のとき以来なので、およそ30年振りに筆を持ちました。食堂に入ると、既に筆や墨汁、半紙、お手本、文鎮、下敷きなど道具が用意されていて、その光景を見ただけで気持ちがピンと引き締まる思いがしました。初めは上手く書けるかどうか心配でしたが、書き始めるといつの間にか集中していました。部屋全体が静まり返って、ピンと張りつめた空気がとても心地よく、心が正される思いがしました。もっと書く時間が欲しいくらい集中して楽しい時間でした。
初めにお父さんが、書道に向かう心構えを話してくれました。何かを習うときは、お手本をそっくり真似ることが大事だと教えていただきました。習い事に限らず、自立へ向かって、ここなのはなで生活する日常でも、自分(我)を捨てて全てを任せてしまうという気持ちが必要なのだということも改めて教えられ、それは自分の課題だなと思いました。
今年の抱負の二字熟語は「全力」にしました。自分は摂食障害になった高校生から、ずっと時間が止まったままだったので、これからは全力で進んでいかなければ、止まっていた時間を取り戻せません。今までできなかったことを、心と身体を健康にして、何事にも自分の力を出し切って向かっていきたいという気持ちを込めて選びました。終わってみたら、「全力」を選んでいる人が何人かいて、自分と同じような気持ちを持っている人がいることが嬉しかったです。一つひとつの抱負と、書いた人の顔を思い浮かべると、なるほどと思えることが多かったです。みんな自分の弱い所を克服しようという気持ちを、強く持ってこの書初めに臨んでいるんだなぁと思い、みんなの決意に何だか感動してしまいました。
筆と墨で書くということには不思議な力があるなぁと思います。抱負を書くにしてもボールペンで書くのと筆で書くのでは、決意の強さが違うように思います。筆で書くことによって、抱負に選んだ言葉を実践するぞ、という気持を、強く、強く持つことができました。書き終えて飾ると凄く嬉しくて晴れ晴れした気持ちになりました。
(のりこ)
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「ちはやふる……からくれないにみずくくるとは」「きりぎりす……ころもかたしき ひとりかもねむ」
一首ずつ、毎食一人ひとりの席に和歌が配られて、そして覚えておきたい代表的な歌をお父さんが解説してくださって、この日のために私たちは、和歌を覚えるという努力はしてきました。そして、歌を知っていくと、どんどん興味がわいてくると同時に、百人一首大会が楽しみな気持ちが増していきました。
そして今日、待ちに待った「新春百人一首大会」当日。
百人一首と言えばこれ!「散らし取り」に、一味違った頭脳戦「青冠」、そして運命にお任せ「坊主めくり」の3種目で遊びました。
1種目目は「散らし取り」。これまで和歌を詠んだり、教えてもらってきた、力が試されるときです。私はたった一首だけれど、絶対に取るんだ! という歌を考えていました。それは私だけでなくて、みんなそれぞれに一首は胸にしまっているよう、みんなやる気に燃えています。が、しかし、いざ場にまかれた字札を目にすると、ひらがな沢山、すべて下の句でちんぷんかんぷん……さぁ、この初試合どうなるのでしょうか!
第1試合目の相手は黄チームのなおちゃんチームです。私たちはりなちゃん、あやちゃん、かのんちゃんの4人で挑みます。心強い3人と共に、いよいよ散らし取りが始まります。
「きみがためー」上の句を読まれた時点では全く私は何かわかりません。下の句が読まれた瞬間に見つけられるよう、この時点から近くの札をよーく見ておきます。そして、「わがころもではつゆにぬれつつ」(わが、わがころも、わが、)心の中で必死に下の句の頭を唱え、無数の札の中から探し出します。なめるように見て回っていると、ふと視線の先には、ありました! 見つけたと同時に、勢いよく札を取ります。1枚目、獲得です。1枚取れる度にうれしくて、次も取るんだ、というやる気にさせられました。
読手は各チームから1人ずつ出て、3首を順番に読んで交代していくようになっていて、それと同時に選手の席も一つずつ横にずれ、交代するたびに目の前の札ががらりと変わるので、とても新鮮な気持ちで向かえると共に、たった一つ心に秘めている一首が遠くなってしまうこともあって、ドキドキ・ハラハラもします。
それから次々に詠まれていき、そのたびに目をしっかりと見開いて、札をなめ回すように見て、取っていきました。不思議と今回、私は下の句が詠まれた直ぐ後に見つけられることが多くて、スパン! と札をとれると凄く気持ちがよかったです。
あやちゃんは上の句を詠まれた瞬間に、スパーン! と席から飛び出し、札を取っていて、その姿がとっても格好よかったし、格好よくとった後には満面の笑みでこちらを見てくれて、4人で喜び合って、そして、そしてりなちゃんもかのんちゃんも、下の句を読んだ瞬間に勢いよく札を取っていて、4人そろって勢い抜群でした。
しかし、そう簡単には取らせてくれないことも多々。相手チームのうたなちゃんやそなちゃんが冷静に、そして早く取っていたり、みんな見つけられないときにはなおちゃんがすっと取っていて、時に連続して相手チームに取られてしまうことも。これは接戦ではないのでしょうか。結果はいかに……数えてみると、9枚ほどの差で、私たち橙チームの勝利です!
続いて2試合目、対するは緑チーム、あけみちゃんチームです。あやかちゃん、のりこちゃん、さとえちゃんと、メンバーを見て一目瞭然、いつどんな時も冷静で、すっ! とかっこよく、ふだを取っていました。そんな相手チームとは打って変わった私たちは一枚一枚に大盛り上がり。「ちはやふるー」と詠まれた瞬間にあやちゃんが勢い良く飛び出しバーン! と気持ちよく下の句をとって、飛び跳ねるように喜んでいました。
そして、私も「あしびきのー」と詠まれた瞬間、(ながながし、だっ!!!!)絶対取りたい一句、さっきまで目星をつけていました。しかし、その直前席が変わってしまって、見うしなってしまった。必死で周辺を探すと、ありました。私もうれしさのあまり、勢い良く飛び出して、札を取りました。一首取るたびに、みんなと喜んで、そしてとりかたに笑ったり、感動したり、ドキドキ・ハラハラ、とっても楽しい散らしどりでした。
続いて2種目目は、また一味違ったドキドキ・ハラハラ「青冠」、頭を使うけれど、運も必要で、その絶妙なバランスにワクワクもします。この遊びは手札がいち早くなくなった人が勝ちなのですが、向かい側には同じチームのペアが座っていて、アイコンタクトなどをして札をよみあい、仲間を勝たせることもできるのです。
私はかのんちゃんとペアで、同じチームのペアは、りなちゃんとあやちゃんでした、1回戦目も2回戦目も、とにかくドキドキ・ハラハラしたし、よーくよーく考えたのですが、特に大盛り上がりしたのは、2回戦目。相川さんもいてくださる、ちさとちゃんチームとの対戦でした。
2回戦目に入る前にあやちゃんたちと、事前に私たちだけがわかる指言葉を考えておきました。一本指は青冠、2本指は縦烏帽子、3本指は矢五郎……と。それが有効活用なるでしょうか。
はじめは順調にそれぞれ手札が減っていきます。あやちゃんたちと指言葉を何度か使いあやちゃんたちが持っていない札を読み取ったり、私たちが持っていない札を伝えたり、それでお互いを助け合えていました。
そして試合の終盤、なんと私たちペアは一番手持ちの枚数が少なく残り2枚。「青冠・縦烏帽子」均等に残っていました。ほかのペアは5枚や6枚と持っていて、少し余裕があります。が、しかし、相川さんとなるちゃんペアがりなちゃんペアの手持ち札の中で、青冠を持っていないのがばれてしまい、何度も「青冠!」「パスっ」というのが繰り返されてしまいました。それにより、着々と相川さんたちの手持ちの札が減っていき、迫ってきています。
そんな中あやちゃんたちと指言葉の出番です。これまでも何度か使いあやちゃんたちが持っていない札を読み取ったり、私たちが持っていない札を伝えたり、それでお互いを助けあうこともできてきました
私たちは、ちさとちゃんチームが出してくる札が、私たちの応じられる札であれば勝つことが出来ます。しかし、そうでなかった場合、まだ勝つことが出来ません。
ちさとちゃんたちも私たちの方を何度も見て、必死に考えています。そして出した札は、な・ん・と、「坊主」。
持っていない手札で応じることできず、パスとなってしまいました。そして、なんと相川さんたちは札を出し、私たちと1枚差にまで。次の回で運命は決まってしまいます。私たちが勝てるか、相川さんたちが勝つのか……ちさとちゃんたちが出してくる札に運命はかかっています。
そして、そして、そして、緊迫した空気の中、渾身の1枚、ちさとちゃんたちが出したのは「青冠!」「やったーー!!! 青冠!」見事に応じることが出来、手元の札は0枚に。なんと勝つことができました。4人で全身で喜びあいます。心臓はバクバク、冷や汗が出そうになるくらいに緊張したけれど、無事に上がることが出来て、うれしかったです。
そして最後は完全に運頼み!ドキドキ「坊主めくり」です。1回戦は、1組の百人一首を山にして、各ペアごとに分かれて試合をしていきます。私はかのんちゃんと一緒に行なったのですが、私たちのテーマは、「殿」。坊主はもちろん、姫を引くことも願いません、どんな時も殿を確実にためていく。
その効果があったのでしょうか、殿の札が手元に着実に溜まっていきます。そして、狙っていないけれど、姫が出ることはありました。が、坊主は全くでない。どんどん手元に札が溜まっていきます。坊主は、ほかのチームのみんながどんどこ出してくれて、不思議と私たちの時には殿や姫が出て、山は確保されたまま、試合終了。なんと幸運にも、100枚のうち91枚を手元にためることが出来ました。「殿パワー!」同じ部屋で試合をしていたりなちゃんとあやちゃんの手元にも同じようにダントツで多く札が山になっているのが見えました。これは凄い……このまま順調に幸運を引き寄せることが出来るのでしょうか。
いよいよ、最終試合。2組の百人一首を使って全員で坊主めくりを行います。2組ということは、蝉丸も2枚、高得点を獲得する大チャンスでもあります。
みんなが一つの部屋に集まり、大きな円で、札を囲い、1人が札を取るたびにみんなで「とのー」や「ひめー」と言って、私は全員での坊主めくりがとっても大好きです。
私はかのんちゃんと今回も「との」を確実にためていきました。はじめはほかのペアも、ほかのチームも同じように札を順調にためていっていました。
しかし試合は後半戦、札が少しずつ溜まってきたというところに、波乱は訪れました。さとえちゃんが蝉丸を引いたのです! その瞬間、これまでみんながためていた札はすべて、円の中心へ。これを獲得することが出来るのは、次に姫を引いた人。それを引いたのは、なんと、りなちゃんです! 円の中心にあった山がすべて、りなちゃん・あやちゃんペアのもとへ。
しかしここでまた蝉丸が登場。山のような札は中央に……これを最終的に取ったのは、ま・さ・か・の、りなちゃんとあやちゃんペア。なんと、2回蝉丸が場に出て円の中央に札が集められたのにも関わらず、2回ともそのあとに姫を引いたのは、りなちゃんたちだったのです。なんとも、超幸運の2人。その後無事に坊主から逃げ切り、170枚ほどの手札を持ったまま、試合は終了!
これは、ものすごい高得点です。結果は坊主めくりでいちもく瞭然、りなちゃんとあやちゃんパワーで、私たちオレンジチームはダントツの1位。
散らし取りから始まり、ハラハラ・ドキドキ、とーっても楽しい百人一首大会でした。
(ももか)
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2日の夜は、みんな大好き、お父さんお母さんによる新春ライブでした!
今年の新春ライブは、みんなからの質問にたくさん答えて頂けました。
オープニングの1曲は、『大空と大地の中で』。
お父さん、お母さんと一緒にみんなと合唱してライブが始まりました。
ライブの第1部は、「お父さんとお母さんに聞いてみよう! ~私の渾身の質問!~」でした。
普段聞けないような、ちょっと恥ずかしい悩みや、ずっと苦しんでいるけど相談できなかったことを思い切って相談してみよう!というコーナーでした。
質問を聞いていると、「確かにこれは聞きづらいよな」「でもとても悩んでいたんだろうな」という質問がたくさんありました。
どの質問にも、お父さん、お母さんは真剣に答えてくれました。
どの答えにも、傷ついた自分たちならではの理由があり、解決方法があったことが印象的でした。
お父さんが歌う曲は、お父さんの優しさや、熱さが沢山感じられて、質問に答えてくださる真剣な気持ちが音楽となって胸に届くようでした。
次のコーナーはお楽しみの「お母さんの占いの館!」。
お母さんにくじで当たったラッキーガールのお誕生日辞典を読んで頂きます。
今回当たったのは、あやちゃんとうたなちゃん。
感想を聞いてみると「確かにこんなところが、あると思います」と言って「アドバイスの言葉が、自分に必要なものでした」と言っていました。
お誕生日辞典を読んだあとは、お父さんとお母さんがその子のイメージに合った曲を歌ってくださいました。
あやちゃんには、『少年時代』うたなちゃんには『トンボ』を歌ってくださって、みんなに温かい気持ちが広がりました。
うたなちゃんの冥想の言葉として書かれていたのは「今いる場所が最高の場所」という言葉。
私たちにもこの言葉がとても嬉しくて、リビングが温かい気持ちで満たされました。
休憩でかぼちゃのパウンドケーキを頂いてから、第2部の「2025年こそは必ず解決を見たい! 古吉野なのはなの難問、奇問、難事件!」。
2024年で解決しきれなかった、難問、難事件を募集しました。
「電気のつけっぱなしが気になる!」「みんなリビングを片づけて!」「ドアを開けっ放しにしないで!」という小さいけれどなかなか徹底されない生活の悩みが読まれました。
お父さんが出した答えは……電気消し検定、片付け検定、ドア閉め検定を作り、みんなで自分の出来ていることいないことを共有しちゃおう! という解決策でした。
みんなで大笑いしながら、でも「ああ、片づけなきゃなあ」とちょっとドキドキしながら大盛り上がり。
2025年は、電気のつけっぱなしがなく、リビングの机の上は、いつもすっきりと物がなく、いつもドアはきっちりしまっている古吉野になりそうです……!
第3部は「2025年、なのはなファミリー 今年の展望」です。
今年のなのはなファミリーで新しく取り組んでいきたいことをお父さんが話してくれました。
去年のコンサートで演じた内容を、自分たちから新しく始めていくのだと思うと、本当にワクワクした気持ちになりました。
桃の栽培だけでも、やることは本当にたくさんあります。もうすでに進化させている部分もいくつもあって、本当に実行する速さがすごいなと思ったし、こういうふうに出来るなのはなが誇らしい気持ちになりました。
昆虫たち、植物にやさしい農業の仕方も、生きづらい子供たちの居場所を作り、利他的な気持ちで生きる人を増やしていくことも全部、未来が少しでも優しい気持ちで成り立つ世界になりますようにという所に繋がっているのだなと思いました。
この世界の危機に、ちゃんと向き合って立ち向かおうと思うと、気持ちが奮い立たされて、今年自分たちが行動するのが楽しみになったなと思います。
最後の曲は『ヒーロー』!。
大好きなお父さんの曲です。
この曲をきくと、お父さんがいつも誰かを思って全力でいる姿がいくつもいくつも頭の中に蘇ります。
みんなで「ヒーロー!」と歌っている時間が、本当に幸せで大好きです。
お正月から、みんなの心が一つになった新年ライブが、とても幸せでした。
(まなか)