【12月号⑧】「相川さんからの贈り物 私たちの心を支えてくれた時間」さとえ


  
 十一月八日の夜に、相川さんがなのはなに帰ってきてくださいました。

 相川さんは、デザイナーの仕事をされていますが、毎年十二月に行われる、なのはなファミリーのウィンターコンサートではいつも、ビデオ撮影を担当してくださいます。

 そして今年は、泥んこ相撲大会や、お盆期間、九月の稲刈りの際にも、なのはなに来てくださいました。

今年は相川さんと、一緒に過ごした思い出が沢山できたことが嬉しくて、宝物になっています。

■全員のイラスト

 今年は、食事の席でコメントを回す時に「相川さんと種まきをした野菜の芽が出て嬉しい」「相川さんと、夏の作業で、一緒に整理整頓した畑のビニールを、収納する棚ができたから、相川さんに見ていただきたい」と話し、皆が笑顔で頷いたり、笑い合ったりする場面が、度々ありました。

  

   
 私は、相川さんが来てくださると、私達を応援してくださっていることを本当にたくさん感じて、安心し、希望が湧いてきます。

 そして今回、なんと、相川さんがなのはなファミリー全員のイラストを描いて、持って来てくださったのです。

 「皆さんのイラストを描いてきました。六十人のイラストを描き上げるのに、二か月ほどかかりました…!」と、相川さんが笑いながら話してくださいました。

  

   
 その日の夜、お父さん、お母さん、あゆちゃんが「体育館で相川さんのイラストを広げて、皆で見よう!」と言い、身体を弾ませながら体育館に向かいました。

 そのイラストは、体育館のステージの幅を十分に使う、およそ十メートルの長さがありました。淡い水色や黄色など、綺麗なグラデーションの背景が並んでいます。

■優しいタッチで

 そして、一面に、私達が、アセスメント演奏やイベント出演で演奏する曲目『ビューティフル・ピープル』の衣装を着た姿が、一人ずつ描かれていました。
  

  
 体育館に入ってイラストが目に入った途端、「うわあ…!凄い…!」「可愛い!!」と、皆の喜びに溢れた、歓声が響きました。

 お父さん、お母さんが「皆、一列に並んで、端から歩きながら見て行こう!」と言い、ステージの下手側から上手の方に向かって、皆で順に歩きながら見せてもらいました。

 皆の衣装は、黄色とオレンジ色のフラダンススカートに、白いブラウス。頭に、ピンク色と緑色のヘアバンドをしています。イラストの右下に、名前が綴られていました。

 一人ひとりの顔の目、口元や髪型を見ると「これは〇〇ちゃんかも…!」と、ひらめきが浮かびました。クイズの答え合わせをするように、イラストを辿って歩く時間が、幸せだったなと思います。

    

   
 相川さんが、一人一人の良い所や特徴を、優しいタッチで描いてくださっていることが、とても嬉しかったです。

皆で肩を寄せ合い、隣で歩く人と「これ、〇〇ちゃんだよ!」「そっくりだね!」と言い、笑い合ったり、嬉しい気持ちを共有しました。

 平日は仕事に行っていて、この曲を踊ったことがないお仕事組さんや、スタッフさんも、『ビューティフル・ピープル』の衣装を着た姿で描かれていて、そのメンバーのイラストを見つけた時は、一段と心が弾みました。

 およそ十メートルあるイラストのセンターに、お父さん、お母さん、りゅうさんも描かれていました。お父さんとりゅうさんは、皆のフラダンススカートとお揃いの黄色いズボン姿で描かれていてその衣装もとても、格好良くて、あたたかみのある笑顔がそっくりで、とても素敵でした。

 また、私自身のイラストを見つけた時は「こんなに、柔らかい瞳で描いてくださったんだ…」と、とても嬉しい気持ちになりました。

■相川さんと過ごす時間

 (相川さんが、なのはなファミリーを好きでいてくださり、お忙しい中イラストを描いてきてくださったんだな。こうして遠方から、私達を応援して、直接届けてくださったんだな)と感じ、胸がいっぱいになりました。

 相川さんが来てくださった今回の期間は、丁度ウィンターコンサートに向けて音楽合宿をしていたので、練習を見ていただいたり、早朝作業では野菜の収穫を一緒にしてくださいました。

  

   
 私は早朝作業で、相川さんと一緒に落花生の収穫をしたのですが、土の中に残っている落花生を、相川さんが、私が取り出しやすいよう、莢を見つけやすいよう、スコップをそっと持ち上げてくださっていました。

 音楽練習のときには、ストレッチ、筋トレ、ステージ上で綺麗に歩く等の基礎練習をしている間ずっと、相川さんが、体育館に一緒に、手拍子でテンポのカウントを取ってくださっていました。

 いつも本当に自然に私たちの活動を一緒に面白がって、楽しんでくださって、わたしも相川さんのような大人になっていきたいなと何度も感じました。 (コンサートに向けて頑張ろう)と、希望や、勇気が湧きました。

 相川さんが帰られる際には、次になのはなに来る時は、ウィンターコンサートの直前になると思いますが、それまで、僕も頑張ってきます」と、話してくださいました。

 離れた場所でも、私達のことを理解して、応援してくださる人がいることが、私達の、日々の原動力になると、相川さんの姿から、様々な場面で感じた三日間でした。

 相川さんが描いてくださったイラストは、私達にとって、大切な宝物だなと思います。

「ウィンターコンサートで、ロビーに飾ろうよ!」と、お父さん、お母さんが嬉しそうに話してくださり、是非、コンサート会場や、古吉野校舎の廊下などに、綺麗に大切に飾れたら素敵だな、と思いました。

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 今年も単行本の編集をはじめ、日々のイベントや農作業、東京遠征など、年間を通して、相川さんがなのはなファミリーの活動をたくさん支えて下さり、私たちと過ごす時間を楽しんで下さりました。
  

なのはな縁日ではお父さんと唐揚げ屋さんを!
夏の収穫や草取りツアーもご一緒に!
稲刈りに帰って来て下さりました
今年は、泥んこ運動会にも初出場!
山小屋キャンプ