
12月26日のなのはな
今年のウィンターコンサートで提言した、農薬による環境破壊の問題解決を実現していくために、自然農薬で害虫を駆除したり、病気の対策を打てる方法を、模索しています。
農薬をかけたら、害虫はいなくなり、病気にもならなくなるけれど、それによってミツバチがいなくなったり、土にいる、桃の成長を助けている良い微生物までも死滅させてしまうリスクがあることを、今回のコンサートをつくる過程で、私たちは知りました。ミツバチがいなくなると、受粉が出来なくなり、作物がとれなくなります。桃は変形果が多くなったり、しまいには実が付かなくなります。実際に、年々、実の片側が上手く太らなくて、偏った形の桃が多くなっていました。農薬によってミツバチがいなくなっていることで生じる問題が、他人事ではなく、もうすぐ身近にあるのだと実感して、これまでの手入れを、根本的に変える必要があると強く感じました。
今日は、自然農薬に使うことのできる、イチョウの葉っぱと実を集めに行きました。山小屋のすぐ近くに、大きなイチョウの樹が3本並んで植わっています。つい1か月ほど前までは、まだ樹に葉が付いていたけれど、今日行ってみると、全部落ちて、樹が裸になっていました。そして、地面は、黄色い絨毯になっていて、とても綺麗でした。
イチョウの葉は熊手で集め、その後から実を拾いました。葉で埋め尽くされている時には、実はあまり見えなかったけれど、熊手で葉をはらうと、その下にはびっしりと実がありました。
イチョウの実は、オッケーサインぐらいの大きさで、外側にぶよぶよしたオレンジ色の果肉があり、それに包まれるようにして、中心に、種(銀杏)が入っています。この外側のぶよぶよした実が、自然農薬の材料になります。これまでの銀杏拾いは、中の銀杏を目当てに採っていました。けれど、今日は、中の銀杏はおまけで、このぶよぶよした果肉を目当てに採っているのが、不思議な感覚がしました。捨てるだけだった果肉が、こんな風に使い道があったのだ、と知れて、また新たに開拓できたことが嬉しかったです。
さくらちゃんと、ひたすらに夢中になって実を拾っている時間が、本当に楽しかったです。拾っても拾っても、無限大にイチョウの実が落ちていて、果てしがありません。あっという間にテミの中がずっしりと重くなりました。
一つひとつは軽いけれど、それが集まったらかなりの重量感があり、樹全体では、人間何人分の重さなんだろう、と思います。こんなにもたくさんの実を、この樹は付けていたんだ、と思うと、本当に凄いなあと思いました。そして、果てしがないような実を拾えることも、とても贅沢なことだと思いました。
さくらちゃんと時間いっぱい、葉と実を採取しました。葉は軽トラ1杯分、実は50キロ以上採りました。採ってからがスタートで、この材料を、どのような方法で農薬にしていくか、これから調べて、考え、実際に作っていくことがとても楽しみだと思いました。
また、自然農薬の他に、土に撒く微生物資材も、考えています。病気が来ないためには、病原菌を殺すことよりも、むしろ良い菌を増やして生かすことの方が、大切なのだと知りました。病気の来ない、元気な土にするためにどうしたらいいのか。
今日は、初めての試みで、『光合成細菌』という微生物の培養をする準備を、あけみちゃんとふみちゃんとしました。細菌には2種類、好気性細菌と嫌気性細菌があって、光合成細菌は、嫌気性細菌です。光合成細菌を土に撒くことによって、土に元々いた、作物に悪さをする嫌気性細菌を光合成細菌が退治してくれて、良好な土に出来るようです。
光合成細菌は、少し生臭い匂いがするのですが、これを生臭い土に撒くと、臭いが消えるようで、面白いなと思いました。

ペットボトルに光合成細菌を200グラム入れ、餌であるビール酵母を10グラム入れ、ペットボトル満タンになるように水を入れました。これを、お風呂のお湯で一晩、温めます。菌が上手く繁殖すると、赤茶色っぽい色になるようです。成功するか、ドキドキします。
見えないけれど、この中に確実に微生物がいるのか、と思うと興味深いし、本当に上手くいったら、桃の栽培も、新しい展開になっていきそうだと思いました。
農薬を使わなくても、高品質の桃や野菜を作れるようなノウハウを、作っていくのだと思うと、夢があるし、これからがとても楽しみだなと思いました。
(りな)
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