
12月19日のなのはな
ホール入り4日目は午前中に前半、午後から後半の通し練習をしました。
この日は、大竹さんや白井さん、お仕事組さんが担当して下さる照明チームのメンバーが全員揃う貴重な1日で、照明やピンスポットの当たる位置やタイミングが確実に決まるように、私たちもミスがないように気持ちを引き締めて向かいました。
通しをしながら、照明とのタイミングが合わないところ、変更や練習すべきところは、その場で止めて作っていきました。
ステージに照明が入ると、その世界が大きく広がるように深まり、印象的になり、ライトに照らされると、気持ちが強く高まっていきます。照明は、場面の切り替わりにも大きな効果となり、役者の出や、物の出し入れなどとのタイミングも、合わせていきました。
本番まで3日となった今、これからの通し練習は今日よりも明日というのではなく、今日、完成形を目指し、1人ひとりが「今日が本番でもいい」という気持ちで向かいます。
その上で、出はけのタイミングが合わなかった部分や台詞の間の取り方などを修正したり、個人個人で修正箇所も見えてきて、より高みを目指していきます。
舞台に出ているときだけではなく、袖で待機しているとき、衣装の着替えをしているときも常に、コンサートの一部です。
通し練習の後にお父さんが私たちに、「舞台に立つときだけではなく、出ていないときもウォッチャーにならずに、常にプレイヤーでい続けることが大切」だと話してくれました。
野球やサッカーなどの試合でウォッチャーになってしまったら、ボールを見失ったり、動きが鈍くなってしまうように、コンサートの劇やダンス、演奏はボールと同じで、1人ひとりがプレイヤーとしてそのボールを、次の人へバトンタッチしていき、たとえ、舞台に出ていないとしてもそのボールを見失うことなく、いつでも舞台に出ている人と同じ気持ちで、いつでも舞台に出られる姿勢でいること。
今回、主要役者のメンバーがコンサートを通じてお客さんに伝えてくれる言葉、一言一言はすべて、なのはなファミリーの私たち1人ひとりの言葉、思い、願いです。
台詞がある人もない人も、みんなで舞台を回し、全員が台詞を言うわけではないけれど、私たちを代表して台詞を言う主要役者のメンバーと同じ気持ちで舞台を作り、舞台袖から気持ちを向けて、主要役者のメンバーと同じように台詞を言います。それが、なのはなファミリーのコンサートだと、もう一度気持ちを引き締めて、みんなで確認しました。
思いや願い、気持ちは物理的に目で見ることはできないけれど、確実に粒子として私たちの間にも、私たちとお客さんとの間にも届いていきます。
コンサートのステージは、舞台で演じている側とそれを受け取ってくださるお客さんがいて初めて、成立します。通し練習の今から、目の前にお客さんの姿を見て、なのはなファミリーのコンサートを通して私たちが伝えたいこと、この脚本を通して私たちが作っていく世界を、お客さんに確実に伝えられるように、気持ちに届くものになるように、最後の最後まで粘り強く、仲間と向かいます。