12月15日のなのはな
9月の下旬から始まった音楽合宿、今日が最終日でした。
初日に全員が集まり体育館で今回のコンサートの候補曲を聞いたのがつい昨日のような…遠い昔のような……。
音楽合宿が始まってからの日々が、1日が1日とは思えないほどに濃く、充実して過ごしています。
今朝も早朝から、皆で『ブレスアウェイ』のコーラス練習をしました。
最初にこの曲を聞いた時に、「こんな難しい曲が出来るのか…」「過去の先輩たちが最高の形で演奏していた音楽を、今のメンバーで出来るのか…」と、高いハードルを前にしてとても不安に思っていました。
ブレスアウェイの音入れをしてから、ほぼ毎日コーラス練習を重ねてきました。
毎日音源を聞いたり、皆で何度も何度も練習をする中で、確実に理想に近づいて進んでいるのを感じられて、それがとても嬉しいです。
私はコーラス係で、みんなに「こんなふうにしよう」と言うことが多いのですが、それをそのままその通りに再現してくれるみんなに、いつも本当に気持ちを救われています。
今朝練習していて、「ああ、本当に揃って美しく聞こえるときは、歌声にみんなの濁りない透明な気持ちと、歌声の奥にある希望を感じられる時なのだな」と気が付きました。
こんなふうに気づきがあって、みんなと気持ちを確かめ合うように、育てるように練習する日々が大好きです。
午前中は劇だけの通しをしました。
衣装は着ずに通したので、普段着替えていて見られないシーンもみんなで見ることが出来ました。
今回は、途中で止めながらかなり細かく劇を詰めていきました。
ワンシーンの2秒の動きを時間をかけて「一番いい形に」と深めていきました。
時々お父さんが役者の動きを再現して教えてくれるのですが、それがすごく面白くて分かりやすくて、流石だなと思いました。
今日誕生日だったまちちゃんが演じるシーンでは、何度も何度もそのシーンを良くなるまで詰めていきました。
そのシーンがとても面白くて、お父さんもお母さんも、あゆちゃんも……そこにいた全員で大笑いしながら劇を作り上げていった時間が温かくて、本当に幸せでした。
午後は古吉野なのはなでする最後の通しをしました。
一曲目の『Who Wants to Live Forever』の演奏が始まる直前に、みんながポーズをとった後姿をバンドの場所から見たときに、その先にホールの景色がくっきりと思い浮かびました。
「私たちの本番はいつも今だ!」何度も教えてもらっている言葉の通り、全員で今日という本番を今できる精一杯を出して臨みました。
今まで体育館で練習してきた一曲一曲、1シーン1シーンが最後だと思うときゅっと切なくて、愛おしくて、写真を撮るように自分の胸に残ったなと思います。
今日は、昨日まで上手くいかなかった着替えも、よしえちゃんとゆずちゃんが協力してくれてすっと着替えられるようになったことも嬉しかったです。
主人公たちが演じてくれている物語は、最初の通しから毎回ずっと進化し続けています。
やる度に好きな脚本になっていって、みんなでステージに気持ちを飛ばしていられることも幸せだなと思いました。
明日からホール入りです。
今までやってきたことが、ホールでもっともっと強く、見てくださる方に届くようにしっかりと進めていきたいです。
今年、このメンバーでこの脚本、この曲たちを出来ることが本当に嬉しいなと改めて感じる1日でした。
(まなか)
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大竹さんが来てくださり、制作では、ミツバチのレリーフやアサギマダラの羽を作ってくださっています。
ミツバチのレリーフでは、スタイドホームを彫刻されて作られていて、小刀や丸刀でミツバチの体から羽模様も、立体になると陰影で線が浮き立っていくことがすごいなと思いました。
掘られる前の一部をお手伝いさせてもらいました。
熱で発泡スチロールを溶かし切ることのできる機械で、大竹さんが書いて下さった唐草模様をくり抜いていきました。
ジグソーや糸鋸は刃の付いた方向にしか切れませんが、熱を持ったステンレス線の周りが360度溶けていくため、どの方向にも自由に切り進めていくことができますが、その分まっすぐな線を切ることがとても難しかったです。とどまってしまうと熱でじわじわと溶けていってしまうため、少し遠いところを通って慎重に進んだり、集中力が切れそうになったらよけたりして切り進めました。
大竹さんが色の塗り方や知らなかった道具の使い方など、面白く教えてくださいました。
明日はホール入り1日目で舞台背景の設置をします。
設置した舞台背景の中央にミツバチのレリーフが飾られるときがとても楽しみです。
(さくら)