11月30日のなのはな
古吉野で練習ができる週末も、この土日を含めて、あと3回となりました。
この週末は、コンサートの前半と後半を、それぞれ日を分けて詰めていく、という練習をします。
土曜日の、この日は、コンサートの前半を詰めていきます。
まずは午前中、気になった箇所や修正が必要な場面では劇や演奏を途中止めながら、通していきました。
先週の通しとは少し違う、進化した脚本。
1曲目の前に、主人公の幕前での台詞から、物語がはじまります。
曲のはじまりのポーズをして、その台詞を聴いていると、本番当日のホールで、舞台の幕ごしに感じる客席の人たちの息遣いや、ステージの緊張感、照明の光が当たる前の薄暗さ、これからおよそ3時間の物語を仲間のみんなと、そして見に来てくださっている方たちとつくっていくんだという、わくわくするような決意めいた気持ち。
そんなものが身体によみがえってきて、この物語を、みんなでバトンを繋いで舞台の上に実現させていくんだと、気持ちを固めました。
コーラスの一音目から、くっきりと、はっきりと、意思を宿して。みんなと息を揃えて羽ばたく。
自分たちの、どうか良く生きたいという気持ちと、人はどう生きるのかという志をここで見せるんだという思いを、この1曲に込めて歌い、踊りました。
そこから、物語はどんどん進んでいきます。
物語の中で、自分の気持ちをどのように動かしていくのか。どう見せたいか、舞台をどんな色に描きたいのか、そのプラン。
衣装を着て、物語の流れのなかでやるからこそ、見えてくるものがたくさんあります。
一回一回の練習のなかで、あゆちゃんが伝えてくれる言葉や、みんなの表情、自分の中の気づきを積み重ねて、そのプランを、より色鮮やかに、はっきりしたものに磨いていきたいです。
『Bones』は、劇の中で曲が入る場面が変わり、朝食前の時間でダンスメンバーのみんなと練習をしました。
主人公たちを様々なところへ連れていくキーアイテムを授ける、占い師の登場シーンで演奏するこの曲は、ダンサーが占い師の手下になったり、時にはオーラになったりして、踊ります。
劇と曲が深く繋がっていくことで、どんどん魅力が増して面白くなっていく過程が、とても楽しいと感じるし、その面白さをもっと効果的に表現できるように、ダンスもメリハリを持って、表情豊かに、心鮮やかに踊りたいなと思います。
劇の流れのなかで踊るとまだまだ動きが身体に入っていないのを感じて、練習を頑張りたいです。
途中、お父さんやお母さんが、場面転換や、劇の動きなど、より伝わりやすく、よりわかりやすく面白くなるようにと直してくれました。
動きが理に適ったものになって整理されていくと、劇がより見やすいものになっていきます。一つひとつどの場面も一番いい形に近づけて、質をあげていけることが嬉しいです。
1回目の通しを終えると、あっという間に昼食の時間になっていました。新たに動きを加えたいところや、調整が必要なところ、練習や確認が必要なところをみんなで確かめ合って、その練習をしてから、午後の後半に、2回目の通しに向かいます。
2回目の通しは、1回目よりも気持ちを落ち着けて向かうことができました。前半と後半を分けることで、自分の動きがより整理され、クリアに捉えることができるようになると感じました。
自分の動きがクリアになればなるほど、気持ちの雑味がなくなって、物語に集中できるようになります。そうやって、自分の気持ちをより物語に沿わせて、心の幅を広げるように、深めるように、演じていきたいです。
1回目の通しのあと、バンドとアンサンブルで演奏する1曲に、新たに役者たちの動きが加わりました。
2回目の通しでその場面を前から見ると、曲の中で役者たちがシーンを象徴するような、コミカルで非日常な動きをしていて、よりインパクトのある、魅力的な1曲へと進化していました。
こうしてひと場面ひと場面がどんどん鮮やかになったり、自分たちの好きなシーンが増えていくことが、楽しいです。
そのシーンを演じている人が、
「お父さんが、そのときの表情をこんなふうにやって見せてくれたんだよ」
と話してくれて、コンサートの裏話のような、みんなに思わず話してしまいたくなるエピソードが増えていくのも、みんなで真剣に、全力で向かうからこそだなと思います。
2回目の通しでは、1回目の修正点は確実に修正する。1回目の通しより、より気持ちをのせて。
そんなふうに向かう2回目の通しでも、1回目には気づかなかった改善点に気づいたり、自分の弱点がわかったり、通しの練習を重ねるたびに新しく見えてくるものがあって、そうやって高めていく過程こそが、大切だと感じます。
2回目の通しで出た改善点を、夜の時間でみんなと確かめ合い、練習し、次の通し練習に備えました。
明日は、後半を同じように練習し、高めていきます。
前回の通し練習から変更したところがあったり、はじめて着る衣装の曲があったり、緊張するけれど、今の自分の精一杯で頑張りたいなと思います。
今の全力でやったらどうなるか。それを試して、そこから見えること、気づきを材料に、高めていきたいです。
コンサートに向かう日々の中で、自分の志や心持ちと向き合えることが、有難いことだと感じています。
毎日をどんな心持ちで生きるのか、それがステージでの動きや表情、表現するものに繋がっていて、コンサートのステージで表現したい志や気持ちが、毎日の自分たちの生きる姿勢に繋がっています。
そうやって、コンサートの質も、日々の人生の質も、みんなと高めていきたいです。
今週の練習のテーマの1つに「自分が成長することはみんなの利益になる。そのことを意識する」というものがあります。
自分が最大限で成長して、それをみんなに還元していく。
1日1日を、真剣勝負で頑張ります。
(ゆず)