【11月号⑰】「ササゲ畑での野ウサギとの出会い」ももか

   
 朝も夕方も段々と涼しくなってきた、この時期ならではの収穫と言えば、豆! 
 白大豆、黒大豆、ササゲ、小豆、とある中、今季初の収穫がされたのは、ササゲ! 

 のんちゃんと一緒にだるまササゲの初収穫をさせてもらいました。
 しっかりと熟れた莢の中には、とーっても色鮮やかな上品な赤色のササゲが並んでいました。

 ぷちっ、ぷちっ、ひと莢長さ二十センチほどあるササゲ、夢中になって収穫しては、米袋に入れて、気がつけば米袋の中にずっしりとサ・サ・ゲ! 

 この重みといい、ふわっと漂う香りといい、これぞ豆の収穫。待ちに待っていたこの収穫に、幸せな気持ちになりました。

 今年は魚取り裏畑と諏訪奥畑の二枚に植わっているのですが、初め魚取り奥畑を取り終えたときには、初回にして米袋一袋にずっしりとれました。

■ウサギ?

 次は諏訪畑の収穫に行ったのですが……、ここの畑でまさかの出来事が私たちに起こったのです!

 この畑は花が咲くのが少し遅かったため、熟れている莢はまだそこまでなく、すいすいと進め、あっという間に収穫が完了。
 と思いきや、ん?? 

 なんか蔓が激しく動いている!? 株元を見てみると、そこにはなんと、ウサギ!!! ササゲのネットに足が引っかかってしまっていたのです。

 

 目はくりっくり、体はもっふもふで、とっても可愛らしいけれど、必死に捕まった足をほどこうと、跳び跳ね続けています。

「大丈夫だよ! 直ぐ助けるからね!」
 思わぬ事態に、はじめは声を掛けることしか出来ませんでした。これは、ネットを切るしかない。のんちゃんが、急いで古吉野に戻り、鎌を取って来てくれて、急いで逃げられるようにネットを切って上げました。

 全てのネットのひもが切れた瞬間、ウサギは一瞬にして、森の中に掛けていきました。
 ウサギの後ろ姿を、「元気でね!」と見送ります。

 そこまで熟れていないから、まだ収穫しなくていいかな、と思って、この畑に来ていなかったら、ウサギは捕まったままで、助けられなかったのかもしれないと思うと、本当にこうして、発見できて、直ぐに助けられて、良かったなと思います。

 ずっとずっと跳ねていたので、足も怪我してしまっていました。きっとネットの紐も一部、結ばったままだと思います。けど、あの子なら、きっとたくましく生きていける。

 森の中に掛けていった後ろ姿から、強く感じました。元気でね!

■特別な朝

     
 ササゲの収穫にウサギの救出。のんちゃんとドキドキ・はらはら、波乱万丈の特別な朝でした。

 今回は、ササゲの莢がよくつき、穫れています。
 そのあとも、みんなが熟れるたびに収穫をしてくれて、小豆の収穫も始まり、今ではブルーシートに広げられた、豆たちがあふれんばかりです。

 太陽の光によって、パリパリに莢が乾いたら、踏んで、踏んで、豆を莢から出して、選別して、お私たちの食卓を、よりあったかくてしあわせにしてくれます。

 そんな、豆たちが私は大好きです!