【12月号④】「鮮やかに世界が広がる 振り袖の着付け教室」さとみ

   

 毎年、成人式に振袖の着付けをしてくださっている村上さんに、着付けを教えていただきました。

 初めのお話で教えていただいたことは、着物には、紋付きや訪問着など、それぞれの格があり、その場に合ったものを着ることや、帯揚げは表裏と上下があり、下から上へ撫でたときにザラザラした向きにすることなどでした。
 とても新鮮で、初めて知る舞台裏というか、こんな世界があったんだな、という気持ちになりました。

 私は、着物は七五三や成人式に着せてもらったことがあるくらいで、普段は触れることがありませんでした。
 重ね襟、帯揚げ、帯締め、襟芯、帯枕、コーリンベルトなど、必要なものを目の前にして、その名前を知ることで、より深く着物の文化に触れる入口に立っているように感じました。今までぼんやりと着物や振袖、と認識していたものが、鮮やかに世界が広がっていくように感じました。

 また、今は色々な帯の結び方をするので、柔らかい帯が多くなってきているため、帯板が前と後ろで二枚必要、というお話や、三重紐という三又に分かれた紐は初めはなかった、というお話も聞かせてもらい、着物のあり方もずっと同じということはなくて、文化を残しつつ進化するところもあるのだな、と思いました。

■理に適っている

 第一回目は、肌襦袢と裾除けを付け、タオルで補正をし、長襦袢を着せるところまでを教えていただきました。

 あゆちゃんと私で、お互いがお互いのモデルになり、着付けをし合いました。ここまでの手順で、この後の着付けのし易さが決まる、ということで、大切な工程だな、と思いました。
  
  
 裾除けは、身体に巻くときに紐の付いている両端をやや上にして、一度折り返して結ぶこと、補正で襟周りに付けるタオルは、端をずらして凸凹を作らないようにすること、長襦袢は正中線を合わせて、ずらさないようにするために襟を持って片襟ずつ前を合わせることなど、一つひとつの手順に、綺麗に着付けるための理に適った手付きや扱い方があるのだな、と思いました。

 いざ、自分でやってみると、手の持っていき方や力加減が難しいな、と感じました。また、何より肌着、補正、長襦袢どれか一つを取っても、着付けるポイントがいくつもあり、手順を覚えるだけでも大変だな、と思いました。

 村上さんが見せてくださるお手本は、皴なく、着崩れのないように着付けるために、着物の扱いが大胆でもあり、それなのに、繊細にあるべき所に綺麗な形で収まっていき、仕上がりも本当に綺麗でした。補正のタオルだけでも、惚れ惚れしてしまうような美しさがありました。あゆちゃんが「ちゃんと着付けてもらうと自然と姿勢が良くなって背筋が伸びる」と言っていて、私も同じように思いました。

 来年、なのはなファミリーで成人を迎える子は五人います。五人の着付けがスムーズに気持ち良く進められるように、少しでも自分にもできることを増やしていきたいと思いました。

■振り袖と帯を

 次回以降は、振袖の着付けや、帯の結び方も教えていただけます。帯は、表になる部分が限られていて、あとは裏地になってしまうので、そこをちゃんと見せられるようにするのが難しいところでもあるのだな、とお話を聞かせてもらっていて思いました。でも、煌びやかな柄の帯や、色とりどりの帯揚げを見ていて、ワクワクする気持ちになり、結び方も何通りもあると聞いているので、とても楽しみです。
  
  
 村上さんが、「自分自身の練習にもなるので嬉しい」と仰ってなのはなファミリーのために機会を作ってくださることが、とても嬉しかったです。