「曲に没頭して」 りの

11月3日

 午前に、バンドとアンサンブルの個人練習をしました。昨日、あゆちゃんに練習の仕方を相談しました。私は個人練習で出来ても合わせになると吹けなくなってしまったり、リズム感や音感が全くなくて上達しないと相談しました。あゆちゃんが、曲に乗り切れてないんだよと教えてくれました。その曲だけに没頭してやったらいいよ、とアドバイスしてくれたので、今日は原曲を爆音で聞きながら練習しました。そしたら、今まで個人練習でもリズムに乗れなかったり、平坦なつまらない音だったのが気持ちが乗って吹きやすかったし、どう吹くべきかわかりました。

 あんなにメトロノームで必死にリズムをとったり指回しの練習をしていたのが、なんだったんだろうと思いました。練習がとても楽しくて、時間があっという間でした。今まで全然練習がはかどらなかったけれど、今日でかなり進んだ気がします。今まで原曲を聞くことが少なかったのが原因と分かってよかったです。原曲を聞きながらのほうが、全体の流れと自分の吹くところがわかりました。

 1日みっちり練習して、遅れ遅れだった練習がかなり進みました。その曲に没頭して練習していたので、1日があっという間でびっくりしました。いい1日で充実しました。でもしばらくやらないと振出しに戻るので継続的にコツコツ練習するようにします。

 お昼のコメントについて、あゆちゃんが、演じたりするときに、
「普段暗いくせに急に明るくなるなよって誰も思ってないから、思いっきりやったらいいよ」
 と言ってくれて、それがすごく安心しました。自分が恐怖に思ってることもわかってくれる人がいて、それも心配しなくていいんだと思ったら楽になりました。

 勝央町文化祭の応援に行きました。なのはなのステージはやはり別格だなと感じました。緞帳が上がってみんなの姿が見えた時に、ステージが別世界のように見えました。出はけ、待ちの姿勢、みんなの表情、すべてから見せる意識、心意気はプロにも負けないパフォーマンスをするのだ、という意識を感じました。去年のコンサートのことを思い出しました。当日の日、緞帳が上がってホールにはたくさんのお客さんがいました。眩しいスポットライトの下にいるみんなが綺麗で、そこに自分も出ると思うと緊張でいっぱいの中、舞台袖でみんなを見ていました。開幕の『オブリビオン』が今でも忘れられないくらい感動しました。

 毎回、みんなの演奏を見るたびに、ああ私は生ぬるいところにいたなと感じます。自分の苦しさにとらわれて自分のやるべきことを平気で投げだすことができてしまう私は本当に甘くてぬるい自分の世界で生きていたと思います。もっと、みんなのように強くなきゃいけない、強くなりたいです。同じ苦しみを背負ったみんなが本当に強くて綺麗で泣きそうになります。

 1か月半後には自分もあの舞台に立っていると思うと、焦りの気持ちや緊張ばかりです。でもあの舞台にふさわしいようなステージができるように練習を積み重ねていきたいです。

 以前、あゆちゃんが、コンサートは摂食障害から回復するための大きな意味があるものであることを教えてくれました。今までコンサートに対して不安しかなかったけれど、コンサートを通じて成長することができて、普通の人生では決してできないようなことが経験ができるのだなと思いました。摂食障害になって、なのはなに来ていなかったら絶対に経験できなかっただろうなと思います。全て自分たちで作りあがていくもの、その過程もすべてに意味があるんだなと思いました。今の時間は有限であることを忘れがちですが、一瞬一瞬を大事に、全て自分のものにして生活していかないといけないんだなと感じました。