11月2日(土)「岡山県和太鼓連盟30周年記念『晴れの国 和太鼓まつり』への出演」

11月2日のなのはな

 とうとう、この日が来たんだ、と思いました。『晴れの国 和太鼓まつり』の演奏に向かって、勝央金時太鼓を習っている、なのはなの11名は練習をしてきました。この日が来るのが、楽しみでもあり、けれど、1000人も入るホールでの演奏を思うと緊張と怖さもありました。演奏を終えて、今、この日が来て本当に良かったと思うし、ウィンターコンサートへも繋がった、そう感じます。

 このコンサートは、岡山県和太鼓連盟30周年記念で開催され、倉敷市真備町のマービーふれあいセンターで、この日11月2日と、翌日3日の2日間によって行われるものでした。

 会場は和太鼓一色。ロビーには和太鼓に関する展示物も並べられており、和太鼓のことが好きなお客さんで賑わっていました。和太鼓の演奏は、この施設に2つ備えられた大小のホール、どちらでも行われ、メインの演奏会は、客席数およそ1000席の“竹ホール”で行われました。

 

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〈コンサートが開催された、マービーふれあいセンターです。雨天でしたが会場は、客席数1000のホールに立ち見の方が出るほどの満員でした〉
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〈ポスターパネルのそばで、連盟の方が写真を撮ってくださいました!〉
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〈会場では和太鼓職人の方によるワークショップも開かれていました〉

 

 毎週水曜日の、太鼓の練習日に、勝央金時太鼓保存会会長の竹内さんに教えていただき、練習をしてきました。
「落ち着いて、今まで練習してきたことを1つずつしていこう」そして、「笑顔で(口角を上げよう)」。控え室の中で、話し合ったことです。緊張に左右されず、まずは落ち着いて演奏に向かいたいと思いました。それに、私は笑顔が弱く、ステージで見たとき笑顔に見えづらいという自覚があるので、しっかり口角を上げよう、と思いました。あけみちゃんやふみちゃんが時折、「笑顔で!」と自分に言い聞かせながら、口角を上げていて、他のメンバーとも目が合ったときに、笑顔を返し合いました。

 自分たちの演奏の出番が来るときに、以前かにちゃんが話してくれた、
「(ある一席に)理想のお客さんがいると思ったらいいと思う。私たちの演奏を待っている人がいると思って演奏しよう」
 という言葉を思い出しました。そのことを思い出すと、自然と笑顔が作りやすかったし、緊張はしているけれども、ただ素直に、ちゃんと今の演奏に向かおうと思えました。きっと、待っている人がいる、そう思いました。

 

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〈開演30分前、控室にて〉

 

 私たちは、開演後、4番目のチームとして出演しました。演奏は『那岐おろし』。みんなで風を起こしていく。強い気持ちで、よく生きたいという気持ちで音に向かいたかったです。演奏しているときも、そういう思いや、失敗、成功も関係なく、そのことを願う気持ちがありました。
 それに、みんな同じ方向を向いて一緒に演奏する仲間がいるんだ、と演奏する前に感じて、心強かったし、自分も強い気持ちでいられました。

 緊張のためか、普段より、みんな一緒にテンポが速くなってしまったけれども、それでも、いつもより叩きやすく感じました。4人の宮太鼓が、静かに枠打ちを始める場面では、(みんな、ここで入るよね)と思いながら叩きました。

 

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 大太鼓のソロの時は、ふみちゃんとよしみちゃんが、清々しい青緑のホリゾントライトの中で、赤い口紅と法被が映えていて、綺麗でした。2人に向かって、全員がかけ声をかけました。

 どこまでも、よくありたい、よく生きるという決意を、音に、一打ずつに込めました。

 最後の、お囃子のリズムを全員が叩く場面では、自然と笑顔になりました。お客さんが、真剣に演奏を聴いてくださっている空気を感じました。演奏が終わったときに、はっきりと大きな拍手が聞こえてきました。控え室に帰ったとき、その時の嬉しさが湧いてきて、(あぁ、楽しかった)という思いがありました。他のメンバーも「楽しかった!」と、同じ気持ちで、そのことも嬉しかったです。みんなで、自分たちの全力を出し切ったんだなと思いました。

 嬉しかったことがあります。それは、なのはなの和太鼓の演奏を聞いて、感動した、と声を掛けて下さったお客さんがおられたことです。その方々は倉敷にお住まいだそうで、『那岐おろし』を聴いて、涙が出たこと。こんな人達がいたのかと思い、なのはなファミリーに興味を持ってくださったことを、話してくださいました。
 ウィンターコンサートにも来てくださるとお聞きしました。本当に、私たちの気持ちを演奏から受け取ってくださった人がいて、伝わったということが、嬉しくて、自分たちの1回の演奏が、人の心に残る演奏になりうる、ということを改めて実感しました。この気持ちや、待っている人がいるという気持ちを、絶対に忘れてはいけないし、次に繋げていきたいと思いました。

 

 演奏会では、連盟の和太鼓グループの方々による、迫力の演奏が繰り広げられました。多種多様な太鼓、そして篠笛、鳴り物が、様々なスタイルで演奏されました。
 この日は、最後にゲストとして、『太鼓芸能集団 鼓童』の演奏がありました。37名が在籍しているという鼓童のグループから、この日は9人の奏者の方々が、全8曲を披露されていました。

 初めて、プロである鼓童の演奏を見たのですが、とても繊細で美しい舞台に魅せられました。太鼓を叩く動き、目線の一つひとつまで揃っていて、それぞれ違う人だけれども、同じ人であるように見えました。体幹が一定して同じ位置で、音ははっきりと角があって力強いと同時に、まるで楽器が自ずと音を発しているように見えるほど、演奏者の方の姿は泰然としていました。魅せる意識の強さや、そのときどきで主となる人へ気持ちを向ける時の繊細さや、後ろで演奏する人がメインの演奏を支える気持ちの向け方が綺麗で、全体で1つの演奏なのだな、ということを強く感じました。演奏を見て、吸収したことを、これからに繋げたいと思いました。

 この1日が、自分たちにとって、とても大切な時間となりました。
 ウィンターコンサートへ向かって、この日で感じたことを繋げながら、日々を過ごしていきます。

(ゆきな)

 

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〈夕方には、勝央文化ホールにて、翌日に出演する「勝央町文化祭」のためのリハーサルを行ないました!〉

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