10月27日のなのはな
気持ちがなければ、伝えたいことがなければ、それは演奏にはならない。それはなのはなで初めて知ったこと。今年のウィンターコンサートでする『Under Pressure』をどんな気持ちで、どう気持ちを使って、どう歌うかをあゆちゃんに見てもらいました。この時間は、本当に濃密で、私の中ではコンサート練習の中で好きな時間の1つに入っています。
初めにあゆちゃんが和訳してくれた『Under Pressure』の歌詞を読んでくれました。あゆちゃんが読んでくれた歌詞に、(あぁ、自分たちのことそのままだ)と思いました。僕たちは、愛を持たずして、生きることはできない。
あゆちゃんは、強いプレッシャーがあるこの世界は生きにくさはあるけど、それを“不幸”で終わらせていいのか、それは不幸ではなくて自分たちで変えていくことができる、不幸は不幸にはならない、私たちは利己的な気持ちの中では、愛がない世界では生きていけない、ということも話してくれました。この気持ちを、『Under Pressure』の曲に込めます。フレディ・マーキュリーたちQUEENやデヴィッド・ボウイが、いかにして、曲のなかで語っているのか、ここに書き切ることは難しいですが、あゆちゃんの言葉を聞いて、この曲が自分たちにとって、もっともっと大切な曲になるんだと思いました。
それからあゆちゃんにコーラスを区切って見てもらいました。この曲は、歌詞を歌う部分が多くて、歌詞の部分は台詞のように歌う部分が多くて、最初は訴えるように歌うけれども、後半の歌詞の部分では、みんなで愛を信じようではないか、自分たちのなかにあるものを信じようではないか、という思いで歌う部分があります。後半にいくにつれて、希望があって歌っていても前向きに、強い気持ちで未来を信じることができる曲に思いました。
上手くイメージが持てないところは、あゆちゃんが、歌い方の見本を見せてくれました。こめかみ部分から音を出すイメージで、のどをある程度締めて遠くに真っ直ぐ出すようにして! と話してくれたときに、あゆちゃんがその音の見本を出すと、本当に音が遠くの先に筒状に真っ直ぐ伸びていることを感じて、イメージがそのまま音になる、ということをとてもはっきり感じます。
イメージを持って何回も同じ部分を歌っていって、あゆちゃんが「そうそう!」と、キラキラした笑顔で、その感じ! と言ってくれたときは、本当に嬉しいです。みんなで同じ思いと志を持って、曲を作っていけること・表現できることが、なのはなでしかできないことに思います。
まだまだ練習は必要なのですが、この曲がなのはなの曲になるように、イメージや伝えたいことを大切にして、演奏をしていきたいです。
(ゆきな)
今週、バンドメンバーそれぞれが個人練習してきたQueenの2曲『My Fairy King』と『The Fairy Feller’s Master-Stroke』を、今日の午後、初めて合わせました。
この2曲はアップテンポで、途中テンポが変わったり、3拍子や6拍子を挟みます。ギターやベースの速弾き、コーラスの狂気を帯びたオペラのような高音、両足でバスドラムを踏むツインペダルを使ったドラム、2台がフルに活躍するキーボード、どの楽器を取っても難易度が高いけれど、それをこなしてしまえる事は本当に凄いことで、バンドメンバーの安定感と心強さを改めて感じました。
その中で、私はウィンドシンセサイザーで、主に第2ギターのパートを演奏します。原曲では第3、第4ギターのパートまである構成をなるべくカバーできるように、ウィンドシンセサイザーは本来1つの音しか出せないけれど、音色の厚みを少しでも出せたらいいな、と思いました。
何度も練習するうちに、他の楽器との重なり方が掴めるようになってきました。途中、ヴォーカルのあゆちゃんに音色や音量を正面から見てもらい、歌がなくても面白い演奏になっている、と教えてもらえたことが嬉しかったです。
Queenならではの独特な曲の構成は難易度が高いけれど、変化に富んでいて、情緒豊かな面白さがあり、この演奏を土台に、なのはなファミリーみんなで気持ちを乗せて表現するのだと思いました。ダンスや大人数のコーラスとステージに乗る形にしていけることが楽しみです。
(さとみ)