10月14日のなのはな
『Who Wants To Live Forever』『Under Pressure』『My Fairy King』『Fairy feller’s Master-Stroke & Nevermore』のQUEENの4大曲を覚える!!
これが今回の音楽合宿最終日の目標でした。
コーラスパートでは、名前を覚えることでもやっとの、この5曲の音入れがすべて、今日1日で完了しました!
コーラスを教えてくれたのは、ゆいちゃんです。
基礎練習を終えて図書室に集まったみんなの顔は、期待と不安でいっぱいでした。
「本当に今日1日ですべて音入れができるのだろうか……」
私も、そんな漠然とした心配を抱えていました。
そのとき、「お願いします!!」と明るい声がしました。ゆいちゃんが軽い足取りで図書室に入ってくると、ぶわっと吹き込む秋風のように、その場の空気が明るくなりました。
「まずは、『Under Pressure』からやります!」
ゆいちゃんの明るい声と空気が、みんなを盛り上げてくれるようでした。
『Under Pressure』は英語の歌詞をそのまま歌うところがたくさんあって、楽器のように伸ばす音が多かった曲とは違って、段違いに難しかったです。
今まで音源でしか聞いたことの無かった曲たちも、歌詞として目にすると、歌詞の意味やメッセージ性が深くて、それぞれの曲をもっと好きになりました。
『Under Pressure』はコンサートでラストの曲を予定していて、ちょうど歌詞にも「THIS IS OUR LAST DANCE」というフレーズがあって、自分たちがエンディングで踊っているところが思い浮かびました。
ゆいちゃんがどんどん次に次に、めまぐるしいスピードで進めてくれました。
まだ不安な部分があっても、とりあえず次へ次へ、止まることなく進み続けました。
それでいて、ゆいちゃんはみんなの質問にひとつひとつ丁寧に答えていて、誰も取り残さない空気がとても優しくて、暖かかったです。
2曲目は『Who Wants To Live Forever』。私は初めてこの曲を聴いたとき、鳥肌が立ちました。その壮大な、荘厳な雰囲気が、一度耳にしただけで忘れられないくらい感動しました。それで、とても好きな曲のひとつでした。きれいにハーモニーをとれると、持っている楽譜が震えるくらい空間が響いたような感覚で、神聖なハーモニーが歌詞の意味を際立たせるように感じました。
一番苦戦したのは{A2}のhan…というハミングの部分です。この曲はテンポがゆっくりなようで速いようで、カウントがとりにくく、この部分はとくに出だしが難しかったです。この部分は踊りながら歌うので、ダンスができてきたらコーラスもできるし、コーラスができたらダンスもできるから個人で練習が必要、とあゆちゃんに教えてもらいました。
アルトは綺麗に、一定に低い安定した音でソプラノを誘導して、ソプラノはアルトが出してくれた音に1ミリもずれずに乗る役割なんだよ、ということもあゆちゃんに教えてもらって、確かにぴったり重なるときと、ハモってはいるけれど微妙にずれているときがあるな……と自覚しました。私はソプラノなので、ただ無計画に高音をぱーんと出すのではなくて、アルトの音をよく聞いてそこにぴたっと乗せるイメージが必要だと思いました。
次の曲は『My Fairy King』。この曲は歌詞がとてもおもしろい曲だなと思いました。
歌詞の中で「ON ON ON ON ON ON……」など、同じフレーズの繰り返しの部分があります。私が一番お気に入りの部分です。自分が音を出して、頭の中の原曲と合致したときの感動はとても大きいです。
間奏の部分で、「THEY TURN♪」というフレーズがあります。
ここは楽譜に、ゆいちゃんがイラストを描いてくれて説明してくれました。ソプラノは、テントウムシのような、甲高いかわいらしい声。アルトは毛虫のような、野太く、勇ましい声。ここは人格を思いっきり変えて、楽しんで歌って欲しい。
ゆいちゃんが試しにテントウムシと毛虫になって歌ってくれたとき、その再現度がものすごくて、思わず笑ってしまいました。
自分を捨てて、恥ずかしさを捨てて、おもちゃみたいに、おもいっきり変な声で「THEY TURN♪」と言うのが、とてもすっきりして楽しいです。
その後の早口の英語の歌詞も、足踏みをつけてアクセントを意識しながら練習すると、覚えやすく、歌いやすかったです。
最後の曲は、『Fairy feller’s Master-Stroke & Nevermore』です。
前奏の「ちゃちゃちゃちゃっ!!」という駆け足のピアノの音が思わず走り出したくなるような、楽しげな曲です。QUEENの曲は本当に繰り返しが少なくて、曲調がどんどん変化していくのが難しいけれど、なんともそれが素敵で、歌っていても楽しいです。
特にオクターブをまたいで叫ぶように歌う箇所がいくつもでてきます。
もう自分という壁を越えて限界突破して、人間の出せる声を超えようと思わないと、なかなかでない音だと思います。思いっきり歌うけれど、丁寧に音は外さない、というのが今の課題だなと感じていて、なんとなく出す、声を出しながら手探りで音を合わせるのではなくて、イメージを強く持って正確に出さなければいけないなと思っています。
『Nevermore』は違う曲だけれど『Master-Stroke』に続いていて、がらっと曲調が変わるのにそれが自然で、私は『Nevermore』が一番好きだなと思います。楽譜の隣には、あゆちゃんが書いてくれた和訳が書かれていて、その和訳にとても感動しました。
かなり短いのに壮大で、コーラスもハモる部分がたくさんあります。この曲はうねりを生かして欲しい、とあゆちゃんに教えてもらいました。急にゆっくりになったり、また速くなったり、それがこの曲の味だなと感じます。音がぴたっとはまると歌詞の意味も相まって感動します。
ウィンターコンサートで表現をすることの意味を感じながら、全力で練習をしていると、曲を作ったQUEENの人たちと、まだ見ぬ誰かにつながっているような気がしました。
今日のコーラス練習は、みんなで旅をしていろんなところに行ったようでした。
今日教えてもらったことを忘れずに、コンサートに向けて、また明日からも個人練習やパート練習で復習していきます。
(ほのか)
バンドでは、『Who Wants To Live Forever』『Under Pressure』『E RUARAGI』の個人練習をしたのち、午後3時から体育館に集まり、合わせを行ないました。
バンドの編成に合わせて楽譜を調整し、急ピッチで練習をしての合わせでしたが、どの曲も第1段階の完成をみることができ、嬉しかったです。これから、より個々の質を高める練習を進めて、コンサートのオープニングやエンディングにふさわしい演奏にしていきたいです。
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