9月26日のなのはな
待ちに待った、脱穀の日。この前、みんなで手刈り、はぜ干しをしたと思ったら、もうあっという間に脱穀の時期がやってきました。私は「脱穀」と聞いて何をするのか、よくわからなかったのですが、稲から籾を取ることを脱穀というのだそうです。
田んぼにつくと、みんなで刈った稲が、ずらりときれいに干されていて、それがなんだか縄文時代のおうちみたいでした。それを見ていると、自分が大昔の時代に迷い込んだかのように感じられて、1人でワクワクしていました。そんなことを思っていたら、あゆちゃんがコンバインに乗ってやってきて、脱穀がスタートしました。
私は、干された稲を取ってあゆちゃんに渡す、という役割をしていきました。そのあと、あゆちゃんは受け取った稲を脱穀機に入れていきます。とても単純な作業に感じられるかもしれませんが、稲は大きな田んぼに植わっていた分があり大量ですので、あゆちゃんがやりやすいように、効率よく、機械的に動かなければいけません。
始めると、私は全然うまく動けなくて、あゆちゃんが稲をコンバインに入れる逆の方向で稲を渡してしまったり、稲が結構重くて、うまく手に取れなくてもたもたしてしまいました。でも、うまくできなかったことに対して反省したり嫌悪感を抱いている暇は一切なくて、次から次へと稲を渡していきました。
何度も何度も稲を渡しているうちに、もっとこうすれば動きやすい、もっとこうすればあゆちゃんがやりやすい、と、自然と身体が動いていきました。すると、徐々に、最も効率よくて受け取りやすい渡し方が確立されて、機械的に、「はいっ! はいっ! はいっ!」と渡していけるようになりました。
もう1人のチームメンバー、さくらちゃんは脱穀して出た藁を集めて燃やしてくれたり、ハゼ干しで使ったなる足を片づけたり、たくさん動いてくれていました。
しばらく作業を続けたところで、3人で田んぼのあぜに座って、冷たい水を飲みながら休憩しました。その時にあゆちゃんが、
「ゆうなちゃんは、教えてもいないのに稲の渡し方が上手だね。自然と受け取りやすいようにしてくれて、なんだかセンスがあるよ」
と言ってくれました。その時、恥ずかしい気持ちの反面、とてもうれしくなりました。まだ終わってもいないのに達成感を感じて、もっと頑張ろう! という気持ちになりました。
その後もずっと機械的に動き続け、最後の1束をあゆちゃんに渡したとき、あゆちゃんが輝いたような笑顔を向けてくれて、大きくハイタッチをしてくれました。その瞬間が、うれしくてたまりませんでした。
今回、稲刈りチームに私は入らせてもらって、あゆちゃんと一緒にたくさん作業することができました。そのことで、私は大きく成長できたし、たくさんのことに関する好奇心や達成感を味わうことができました。
はぜ干しした稲は、じっくりと乾燥させているので、機械で刈って短期間で高温乾燥させた米よりも味が良くなるそうです。また、なのはなで美味しいもち米が食べられるのが楽しみです!
(ゆうな)
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集中して丁寧に! でも、スピード感を持って。
種まきの作業は、静かだけれども、芽が出ることを思いながら種を蒔いていくみんなの空気が好きだなと思います。ゆず畑にいくと、カマボコ型の畝が待っています。しっかり水がはけそうな畝の上に、第1弾の白カブの種を蒔きました。
株間20センチの2条蒔き。間引きもするので2粒蒔きです。まえちゃんが初めに見本を見せてくれました。種を蒔いて、培土の覆土を種の2倍の厚さにする。「カブは、好光性だからね」培土は厚過ぎにしない。種を蒔いたところの状態や培土の量などで、種たちが芽を出しやすい環境かどうかが決まると思うと、緊張するな、と思いました。
種は1ミリほどの大きさです。いつも思うのですが、この種から芽が出て、大きくなったらぷっくり艶々したカブが育つことが、不思議なくらいで、野菜の生きるエネルギーの強さを思うと、自分のことなんて本当にちっぽけに思えてきます。
集中して種を蒔いていると、頭の中がクリアになって気持ちがいいです。
不織布を張ったら、最後は発芽に必要な水やりです。タンクからジョーロで水を汲んでやっていたのですが、私が水を汲んで、水をやり終えたら次はなつみちゃんが汲んで、また水やりが終わったら次はみつきちゃん、と、みんなで何を話したわけではないけれども、暗黙の了解のように順番ずつ水汲みが回っていくのも、お互いが通じ合っているみたいで面白かったです。
白カブ第1弾の種蒔きは、今日で一段落。来週からは、第2弾の種まきが始まります。まずは、第1弾の芽がちゃんと出ますように。
(ゆきな)