9月25日のなのはな
平日の中日に挟む、ウィンターコンサートの音楽合宿日。来月にはお父さんのお誕生日会があって、コンサートの脚本を作ってくれるお父さんの力に少しでもなりたい、という思いを込めて、チームごとにウィンターコンサートで披露する新曲を織り交ぜた、寸劇やダンスでお祝いをすることになっています。
この日の始まりは、それぞれのチームが、「この曲を使って、お祝いがしたい!」という希望を持ち寄る、曲の“入札会”が行われ、賑やかなスタートを切りました。
先日、コンサートで演奏する新曲の中から、チームで話し合って第3候補まで使いたい曲を選びました。入札会は立候補制です。もし他のチームと被ってしまったら、真剣勝負のジャンケンで決めます。あゆちゃんが1曲ずつ、名前を挙げていきますが、初めのほうはどのチームからもなかなか手が上がりません。(これは1曲に集中するかな?)という予想は的中。わたしたちが第1候補に挙げていた『Stop This Flame』という曲名が出た瞬間、他に2チームもパッと手を挙げて、なんと3チームが被ってしまいました。
これはチームから代表者が集まって、曲をかけた本気のジャンケン勝負です。
「さいしょは、グー、ジャンケン、ポンッ!」
見事にグー、グー、パーで、わたしたちのチームから代表としてジャンケンに挑んでくれたやよいちゃんが一発勝ちをして、誕生日会で披露する曲が決定しました。
その後も各チーム、曲が決定して、これでお誕生日会の準備が本格的に動き出します。
お誕生日会では、チームごとに3つのキーワードがあります。その3つの要素をすべて使って、寸劇やダンスを作らなければなりません。例えば、「太陽暦、トンボ、迷子」というチームや、蟻、蜂、コロッセオ、風車、ファーブル、などなどのキーワード……。今回のコンサートのテーマにあがっている「昆虫」や「ローマ」にちなんだ言葉です。
ちなみに、わたしたちのチームのテーマは、「貴族、地図、木の葉虫」。一見、どれもつながりがなさそうだけど、チームのみんなのアイディアが集まると、思いがけないところで、(なるほど!)とちょっぴり笑ってしまうようなつながりが見えてきて、みんなの案が集まると面白いなと思いました。
この日は、曲も決まったところで、どのような演出にするかの話し合いが各チームで進みました。わたしたちも「貴族」が登場することが決定して、そこに脚本を書いてくれるお父さんのインスピレーションに繋がるような現代の危機や、ローマ帝国の話などを織り交ぜて、ストーリーを考えてみました。登場人物が1人決まると、みんなの頭の中でその登場人物が動き出して、「こんなことを言っているんじゃないかな?」などと、セリフが自然と浮かんできたりして盛り上がりました。
ただ、そこからが生みの苦しみです。そこからどう話を広げていくのか、3つのキーワードをどう上手に組み合わせるか、ストーリーの結末は? など、考えなければならないことがいくつも浮かんできて、みんなとパソコンとにらめっこしながら、「う~ん……」と頭をひねる時間も多くありました。
自分たちが誕生日会で披露するのは、ほんの数十分単位の物語だけど、ウィンターコンサートの脚本は3時間超えの大作です。この生みの苦しみを味わいながらも、わたしたちのために脚本を作り出してくれるお父さんに、今回の会が少しでも力になるものにできたらいいなと、改めて思いました。
他にも新曲を使ったダンスを考えたり、劇で登場する人物の衣裳のアイディアも膨らませてみました。この会で各チームで考えたダンスや衣裳を、今年のウィンターコンサートで実際に使うことになるかもしれません。どれもウィンターコンサートに繋がる、大事な一部に繋がっていきます。
この日、わたしたちのチームは、劇のストーリーづくりで行き詰まってしまったけれど、本当に今はこの生みの苦しみも楽しんで、みんなと一緒に、お父さんに届けたいという思いを込めながら、本番もそれまでの過程も楽しんで向かっていけたらいいなと思いました。リビングはそれぞれのチームが輪になって賑やかで、笑い声がたくさん響いていました。一人ひとりが得意分野を活かしたものが、最終的には1つにまとまって、笑いと感動も含んだ、素敵なミニコンサートができる。自分たちもこの会がウィンターコンサートに繋がると思って、作り上げていく過程をみんなで楽しみながら、良いものにしていきたいです。
(るりこ)
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音楽練習日だった午後は、ウィンターコンサートで演奏する『O ’Urataetae Iti E(オ ウラタエタエ イティ エ)』のダンス練習をしました。
この曲のタイトルでもある『ウラタエタエ』とは、赤く輝く女性らしさと、神聖な踊りをする女神を表しているそうです。
この曲は、今から3か月前の、父の日に、5人のダンスメンバーが、踊りを披露してくれました。
赤と白を基調にした衣裳を揺らし、手足をダイナミックに使い、華やかに伸び伸びと踊るあけみちゃん達の姿が、とても綺麗で印象的でした。
あけみちゃん達が、今度はウィンターサートのために、新しいダンスメンバーへ向けて何度も踊って見せてくれました。
「スケール大きく、振りと振りの間を滑らかに繋いで踊ってみよう」
と、あけみちゃんが話してくれました。曲調に合わせて、身体を伸びやかに動かす部分が美しいなと感じます。
また『バル』という、腰を大きく回すステップや、『ファーラップ』という、速く腰を回すスピード感のある振り付けもあり、緩急が大きいところが特徴です。
曲の後半には、ソロを踊る人に身体を向けて、膝をついて座り、祈りを捧げる振りや、背中を反らせて天を仰ぎ見る動きがありました。また、身体の前で両手をくるくると回転させ、手に握っていたものを上に投げるような振りがあり、表現の方法が面白いなと思いました。
身体を回転させる振りが数回あるのですが、私は、この回転の動作が不安定でした。綺麗に着地して、次の動きに滑らかに繋げる為には、これから練習がたくさん必要そうです。
でも、前で踊って見せてくれるあけみちゃんの、滑らかな動きが、とても綺麗だなと思い惹き込まれたり、メンバーの皆が、楽しそうに意欲的に踊っている空気が嬉しくて、気付くと私も、全ての振り付けを、皆と踊り切っていました。
踊っている最中、コーラスの皆の歌声が聞こえたり、アコースティックギターの音色も聞こえてきて、この曲を皆と演奏し、世界を作れることが、とても楽しみだなと思います。
次回は、踊り込みをしたり、フォーメーションを皆と作っていこう、と、あけみちゃんが話してくれています。次の練習も、よりレベルアップできるように頑張りたいです。
(さとえ)
10月13日には、勝央町金時祭が行なわれます。お祭りで、私たちは勝央音頭保存会、勝央金時太鼓保存会、そしてなのはなファミリーとしてのステージに出演します。今日は夜に、河上さんが、勝央音頭の浴衣の着つけ講座を、出演するメンバーに向けて開いてくださいました。編笠に、赤い裾除けを見せる装い。当日は限られた時間の中で、裾除けを見せる幅や笠の角度なども揃えて、奇麗に衣裳を着る必要があります。当日をイメージしながら、河上さんに教えていただいて着付けを行ないました。
また、勝央文化ホールでは、金時太鼓のメンバーが『那岐おろし』を練習し、金時祭などの本番へ向けて備えました。