【9月号⑪】「 海だ!! 東浜海水浴場での一日」 ゆうな

鳥取県の東浜海水浴場で、思いっきり遊んだ日

 

 真夏の暑い中、入りたくなるものと言ったら? なのはなの夏の一大イベントと言ったら……海! 八月三日。私は初めて、なのはなファミリーのみんなと鳥取の海に行かせていただきました。

 私は、あまり海に行った経験がなかったので、ものすごくワクワクしていました。海に行く前日に、お母さんが私に似合う水着を選んで、衣装のなかから貸してくださいました。水着の色はパッと明るいオレンジ色で、すごくかわいくて、周りのみんなも、ゆうなちゃんにピッタリ! と言ってくれて、ものすごくうれしくて、海がさらに楽しみになりました。
  

 
  
 海当日、岡山から鳥取の海までは車で約二時間かかりました。しかし、車で一緒だったメンバーで、海や夏のしりとりをしたりして、あっという間に到着しました。

 海をパッと見たら、すごく透き通ってキラキラしていて、本当にものすごくきれいでした。海がきれいすぎて写真かと疑ってしまうほどで、こんなにもきれいな海は初めて見ました。

■人魚姫、三人

 最初、海に慣れるために宝探しゲームをしました。はじめ、海に入るのがなんだか怖くて、隣にいたあやちゃんと手をつなぎながら、恐る恐る入っていきました。冷たい水が身体にあたって、くすぐったい感覚があって、キャーキャー騒ぎながら水に浸かっていくのが、すごく楽しかったです。

 

ゴンズイ玉(ゴンズイの群れ)を発見!

  
 実際に海に入ってみると、水の中にあるはずの自分の足が透けて見えて、その海のきれいさに二人で興奮しました。その間に、いつの間にか宝探しゲームが終わっていて、ゲームでは何もすることができなかったのですが、本当に海のきれいさに感動しました。

 そのあと、お昼ご飯までの時間は自由に遊んでいい時間でした。そしたらみんなが、海の奥のブイのほうまで駆け出していきました。奥のほうは足がつくかつかないかのぎりぎりのラインで、私は怖くておどおどしていたら、周りのみんなが手をつないで一緒に奥まで行ってくれました。

 奥まで行って、何とか背を伸ばして足をつけて前を見たとき、びっくりしました。前にはまっすぐときれいな水面が広がっていて、その先にたくさんの山が並んでいて、今でもその景色がはっきりと想像できるほど絶景でした。
 奥のほうにしばらくいると、波がなんだか強くなってきて流されそうになってきたので、近くにある岩に登りました。近くにいた、あやちゃんとほのかちゃんも登ってきて、三人で並んで岩に座りながらおしゃべりをしていました。
  

  
 そしたら、三人の足元に黄色と黒色のきれいな魚がたくさんやってきて、足元をぐるぐる泳ぎ始めました。足に尾びれが少し当たってすごく興奮したし、何より自然の魚を近くで見て、ものすごくかわいくて感動しました。三人の足元で魚が泳いでいるのを見て、「私たち人魚姫みたい」と言い合う時間も楽しくて幸せでした。

 お昼ご飯は、台所係さんが作ってくれたお弁当でした。私は卵焼きが大好きで、お弁当にハート形に切られたきれいな卵焼きが入っていたことが、すごくうれしかったです。お弁当は、いつもと違う特別感があって、すごくウキウキしたし、うっとりするほどおいしかったです。

■あゆちゃんの心
  

  

 ご飯の後は、念願のスイカ割りをしました。もちろん、スイカはなのはな産です。私はスイカ割りなんてしたことがなかったので、すごく楽しみにしていました。試合方式はリーグ戦で、目隠しをして棒を持ちながら三回回って、ペアの声だけを頼りに進んでいきました。

 私の番になって、「そこで棒を振って」と言われて、思いっきり棒を振りました。すると、バキッとスイカを割る棒が地面に当たって割れてしまって、スイカを割ることはできませんでした。すごく残念だったのですが、同じチームの子たちがたくさん割ってくれて、勝ち進むことができました。次のリーグからは名人戦に代わって、選ばれた一人の人だけが戦うという方式でした。

  

  
 私はスイカを割ることができなかったので、選ばれないだろうなと思っていたら、同じチームのあゆちゃんが、
「ゆうなちゃん、さっきスイカ割れなかったから出なよ!」
 と進めてくれて、私が出ることになりました。私はすごく自信がなくて、ものすごく不安を感じていました。

  
  
 あゆちゃんがペアになってくれて、大きな声で、
「もっと右! そのまま進んで!」
 などと声かけをしてくれて、今度こそは割りたい! という気持ちで思いっきり棒を振りました。すると、棒の先に何かが当たった感覚があったのと同時に、あゆちゃんの歓声が後ろから聞こえました。目隠しを取ると目の前でスイカが割れていました。

■スイカとマクワウリ

 本当にものすごくうれしくて飛び跳ねました。

 あゆちゃんに、「ありがとうございます!!」と泣きそうになりながら感謝すると、
「スイカ割りは絶対に割れたほうが楽しいからね、割らしてあげたかったの」
 と言ってくれました。その時、本当にあゆちゃんはかっこいいなと改めて思いました。スイカ割りが上手な人を出して勝とうとするより、なるべくみんなに楽しいと思ってほしい、というあゆちゃんの利他心に感動したのと同時に、自分もあゆちゃんみたいになりたいと強く思いました。

  

  
 そのあとは、スイカ割りで割ったスイカと、自分たちで育てたマクワウリを食べました。私は人生初のマクワウリでした。本当に見た目はメロンみたいで、スイカと並べて持つと、ザ・フルーツ! という感じで、ものすごくかわいかったです。食べると、じゅわっとマクワウリの甘い汁が口の中に広がりました。

 本当に甘くておいしくて、ほっぺたが落ちるかと思いました。マクワウリを初めて食べる、あやちゃんとほのかちゃんと食べたのですが、三人でものすごく感動しながらほおばる時間が幸せでした。そのときに撮った写真を今、ほのかちゃんが気に入ってると言ってパソコンのホーム画面にしてくれていて、すごくうれしいです。
  
  

 写真は、その光景を脳に記憶させる効果があって、今でも写真の光景をはっきり覚えています。その効果で、今では絶対忘れることのない大切な思い出です。

■浜辺のアート

 次は、海の砂で作品を作って対決しました。

 お題は『虫』! 私たちのチームはテントウムシを作りました。私は初めて海の砂を触ったのですが、砂の中にラメが入ってるのかと疑うほどにキラキラしてて本当にきれいでした。

  
 
  
 これでどうやって作るんだ? と最初は不安だったのですが、水を入れたら粘土のように固まって、すごくおもしろいなと思いました。バケツに砂と水を混ぜて固めて、テントウムシの周りにクローバーを作ったりしながら、巨大なテントウムシを作りました。こんな広いところで作れるなんて、無限大に発想は広がるなとしみじみ思いました。

 優勝は彫刻のプロ、大竹さんのチームで、さすがだなと思うくらい本物そっくりのセミが完成していて感動しました。他のチームも蝶々やアリ、ミツバチが本当にリアルに再現されていて、そこの付近にいると虫の世界に迷い込んだようでした。

■成長できた夏の日

 海の時間も、もう終わりに近づいていて、最後、自由時間を過ごして終わりでした。最後の時間は思う存分楽しもう、と海の奥のブイのほうまで行ってみました。

  

   
 近くに、まこちゃんとひろちゃんがいて、二人が海の中で一回転をして遊んでいました。最初二人を見たとき、「何しているの!?」とびっくりしたのですが、「ゆうなちゃんもやってみなよ、最後なんだし」と言われて、やってみることにしました。鼻から息をずっと出してやるといい、とコツを教えてもらって、私は一回転できる自信がなかったので、ひろちゃんに水中で回してもらうことにしました。

  

  
 叫びながら一回転して、最初に思ったことは、「鼻と口がつながってる」。私は回転するときに息を出すことができなくて吸ったら、口にしょっぱい海水が入ってきて、初めにそう思いました。私の感想を聞いた、まこちゃんとひろちゃんが大笑いしてて、そんな時間が幸せでした。

  

  
 あっという間に海も終わって、帰りの車は疲れて爆睡でした。今回、みんなで海に行かせてもらって、自分にとって最高の夏の日になりました。楽しいだけで終わらないで、自分ももっと周りに楽しんでもらおうとする心持ちを身に着けたい、と強く思いました。楽しい海の記憶となったうえ、自分も少し成長できた夏の日でした。