【9月号⑧】「 散水部隊の夏」 どれみ


  
 A1、A2、A3、A4、B1、B2、B3、B4。水色の字が目を引く紙がリビングに貼られ、与えられた役割に、緊張と楽しみな気持ちも膨らみました。

 梅雨の長雨から日照りの日が続き、畑を見ると野菜も水を求めている様子。そこで、今季の夏、散水部隊と名付けられ、水やりチームの活動が始まりました。
 校長室での初めての顔合わせのとき、やよいちゃんがつくってくれたローテーションをみせてくれました。散水部隊は、A1とA2、A3とA4、B1とB2、B3とB4というメンバーとペアがいて、そのペアでまわる畑を振り分けてくれていました。

  
  
  
 畑に常設しているタンクに水の補充をしないといけないところには、軽トラックのドライバーがいるペアが割り振られていたり、野菜によって必要な水やりが週二回か、週三回か、という頻度で組み合わせてくれていたり、どの野菜も漏れがなく定期的に水をやれるように、つくってくれていました。

 ローテーションの中には、午後の最初に、翌日の作業ですぐに水やりを始められるようにセッティングをするチームもいて、野菜にとって大事な水を、より効率よく、たくさんやれるようにという気持ちの詰まったローテーションになっていました。

■日ごとに進化しながら
  

  
 初日は緊張の一日でした。水やりがスムーズに進むだろうか、機械が止まらないだろうか、機材やホースの移動などのセッティングは時間内にうまくいくだろうか、など、ずっと気が張っていたなと感じます。水やりが一か所終わるたびに、違う畑の水やりをしていたチームメンバーと、どうだったかを共有していました。その日から散水部隊のメンバーに会えること、話せることが嬉しくなっていました。

 A1とA2チームとして、私はももかちゃんと畑をまわって水やりをさせてもらい、次はここ、次はこれをして、と軽トラの中でも話していたし、ももかちゃんがずっとホースの引き回しをしながら水やりしてくれていて、私は水が切れないようにタンク補充をしていて、一緒にいる時間は少ないけれど、ずっと繋がっていることを感じました。

  
  
 A3、A4のすにたちゃんとゆうなちゃんは、散水部隊での活動が始まったとき、毎回起こるハプニングにもめげず、この散水部隊での活動を成長できる場だと話してくれたことが嬉しかったし、私も散水部隊で成長していきたいと感じました。機材の不具合の解消の仕方がわからなかった、水が出なくなった、ガソリンが切れてしまったことなど、そのとき起こったことを話してくれて、そして次はうまくいくようにと対策を考え、毎日カチカチ大のナスの水やりに向かっているふたりが素敵でした。

  

  
 そして、今日は最初から最後まで何事もなく水やりができたと喜んで話してくれたときは、私も嬉しかったです。

■出発の瞬間

 散水部隊の集まりでは、チームメンバーの明るく前向きな空気がいつもあります。お互いのペアで助け合い、その日やるべき役割と目標に向かって全力で向かう楽しさ、喜びを感じます。

 ナスやピーマン、ゴーヤ、オクラにマクワウリなど、水をやったあとたくさん実をつけ、葉も実も艶やかになってくれます。野菜が喜んで成長している姿は、私たちの喜びだと感じます。今日は、どこの畑の水やりかな、と集まったとき、メンバーの笑顔を見ると、私も頑張ろうと思えます。

 
  
打ち合わせをして、畑へ出発!

 

 「よし、行こう」とペアで持ち物や段取りを確認しながら活気のある空気で出て行くメンバーの姿に、私も力をもらいます。場所は違っても、いつも気持ちは同じなことを感じます。