「みんなで良い方へと」 みつき

9月11日

 午後、夕立が降りました。
 雨が上がった後に虹が出ていて、中庭で何人かの子のみんなが空を見上げていました。
 まりかちゃんが、「みつきちゃん、はやくはやく!」と足踏みして招いてくれて、見上げてみると、虹がうっすらと架かっていました。
 うっすらぼんやりとその七色が見えて、気がつかない人もいるかもしれない……いつ消えてしまうのか、儚い虹でした。
 そんな儚い虹だから、消える前に早くみんなに見てほしくなってしまって、わたしも「はやくはやく!」と、まりかちゃんに合わせてみんなを呼んでしまいました。虹を求めて、急いで靴を履いてこちらに駆けてきてくれるみんなが、あったかくて嬉しかったです。

 1日を通して、野菜の追肥をしてきました。
 やよいちゃんがリーダーをしてくれていて、やよいちゃんの考えるプランや方式でいくつもの畑を回っていて、それと同時に自分の気づきがいくつもありました。

 作業を始める前から、やよいちゃんが段取りを細かく考えてくれていて、誰がどこで動くか、どの役割をするか、それを丁寧にメモしていました。
 だからなのだなあと感じました。畑でのやよいちゃんの言葉には曖昧さがなくて、分かりやすくて、聞いた自分も「やってみよう!」と元気や気力が湧いてきます。上手くいかないところがあったとしても、上手くいかないところに対して焦りすぎない、冷静に対応して修正している姿にも、心強さを感じます。
やよいちゃんが終わった後に、
「ここはやりやすかった? どう思う? 次はこうしてみようか」
 と相談してくれました。満足しきらないで、どこを改善してもっと良くできるか、追求して考え続けられるところが、格好良いです。

 中畑では2人ペア方式で追肥をしました。
 うたなちゃんがずっとてみを手渡してくれて、それをわたしが撒いていきました。自分は畝を離れることがないから、どこの畝に入るか分からなくなったりしないし、撒き忘れもないし、とてもやりやすかったです。中畑のナスの追肥が終わった後は、みんなで木陰でお茶を飲んだり、山手線ゲームをして休憩しました。

 そのあとのかちかち大畑での追肥は、バケツリレー方式で行いました。
 それぞれが役割を持っていて、牛肥を撒く人、てみを繋ぐ人、てみを回収する人、そのようにみんなが役割を全うしていて、手を余らせていない。それぞれの子にあった役割で、畑全体の追肥がテンポ良く進んでいるのが、すごく感じられました。

 ピーマンの畑は午後に追肥する予定だったけれど、12時前にかちかち大の畑も終わったので、ピーマンの畑も先に進めてしまうことになりました。
 ピーマンの畑もペア方式でスムーズに終わって、昼食の30分前に終わったのですが、その後はもう早めに古吉野なのはなに戻りました。

 プラスアルファで作業が進んでいるのに、疲れや追い込まれ感は何もなくて、むしろ余裕を感じてしまうほどでした。ちゃんと作業をやるときはやる、休憩や楽しみも忘れない。切り替え、メリハリがある。そんな作業でした。
 すごく気持ちが良かったし、みんながやる気や達成感を感じていて、空気がひとつになっているのがわかりました。

 そうやってみんなを引っ張っていけるやよいちゃんが本当に格好良いです。
 もっともっと自分もそんな空気を作ったり、引っ張っていける人になりたいと感じました。

 午後の作業、すにちゃんが途中で泣き出してしまいました。
 自分はうまく話を聞いてあげられなかったけれど、今はすにちゃんが笑顔でまた、かのんちゃんのそばに居てくれていて、良かったと思いました。
 自分のできていないところが山ほどある、もしくは自分ができてないことを自覚できない、そんなすにちゃんの気持ちもすごくよく分かるなあ、と思います。
 でも、本当にすにちゃんもみんなのことも大好きで大切な仲間だなあと思いました。

 みんなで良くなっていきたいし成長していきたいです。もっとみんなで良い方へと進んでいきたいです。