ウィンターコンサートのテーマでもある「昆虫」を取り入れた、盛男おじいちゃんの山にぴったりな縁日遊びになりました。八月二十五日。なのはなファミリーの始まりの場所、山小屋をいだく山で、みんなで作り上げた縁日を開きました。
ヨーヨー釣りや金魚すくい、吹き矢、輪投げなどの遊びの屋台があるなか、私は今回、初めて射的チームになり、準備を進めました。
射的チームのテーマは「リアルな美しい昆虫たち」。森の美術館になるように空間を作りたいと思って制作を進めました。
写真を細かく模写して、緻密に緻密に色塗りをしました。
その出来栄えは、遠くから見てもはっと目を引くような美しいものになって、皆の力がすごいなあと思ったし、とても嬉しかったです。
自分が作ってみたかった、大きなお花と蝶々のかざりも皆で作らせてもらいました。
不織布と針金で作る花は、きっとまた、どこかでも応用できたり、使ったりできそうだなと思って、皆で作らせえてもらえて有難かったなと思います。
散水部隊や桃メンバーがメンバーに多く、なかなか思うように準備が進まない期間もあって焦ってしまうこともあったのですが、チームのみんなが隙間時間を使ってコミュニケーションとってくれたり、金魚すくいチームのみんながたくさん協力してくれて、そのたびに本当に救われて、「縁日、絶対いいものにしたい!」と思う気持ちになったなと思います。
お父さんやお母さん、スタッフさんもたくさんアドバイスを下さって、みんながいたから、わくわくした気持ちのまま準備を進められたなと思います。
当日、飾り付けた射的の会場に全部の的を立てて、照明を正面から当ててみると、的の美しさが一層際立って本当に嬉しかったです。仕上げにラメできらきらとさせたのも、よく効いていたなと思います。
大輪の黄色いお花も、おじいちゃんの森の中で、スケールをより大きなものにしてくれていて、本当に皆の力でいい空間ができたなと思えて嬉しかったです。
■縁日遊びのはじまり
縁日は、お母さんとたけちゃんのお面屋さんから、お面をもらってから、オープニングをかざったTATSUMIの漫才を見てスタートしました。
もうイベントの常連になってきている、このトリオの漫才は、今回、縁日バージョンの内容になっていて、お化け役のひろこちゃんが本当にツボで大笑いしちゃいました。
山小屋前には、食べ物屋台もたくさん!
みんな大好きなお父さんの唐揚げや、まさはるさんの焼きそば。りゅうさんのカボチャの天ぷら(のりしお味!)は新メニューで、あまりの美味しさに、みんなの目がハートになっていました。
デザートは、あゆちゃんのマクワスムージーマンゴーのせに、なっちゃんのクレープ屋さん。山に上がって、遊び屋台の中にある綿あめ屋さんは、今年も忠政さんが担当してくださいました。
■屋台の並ぶ山道へ
山に入ると、みんなで作った屋台が立ち並び、森の中が可愛くて、奇麗で、歩いているだけでも幸せな気持ちになりました。
ヨーヨー釣りのブースは、大きく蜘蛛の巣が張っているなかに、風船とフェルトの蜘蛛がいっぱい!
まるでテーマパークに来たようで、そのままコンサートのキャラクターになりそうな可愛さに胸がときめきました。
金魚すくいでは、障子に切り紙のかざりをラミネートしたものが張ってある飾りが美しくて、つい、じっくり見入ってしまいました。
実は遊びの中で一番、金魚すくいが好きです。
やよいちゃんとみつきちゃんと一緒に遊びを回っていたのですが、ついもくもくと無言で金魚すくいに夢中になっていました。
お椀の下に隠れてしまう金魚も可愛くて、つい、そっと水の中に手をいれて金魚と一緒にひらひらさせました。
初めて金魚をすくえた! と言っている子も何人かいて、みんなで息をひそめてすくう、この感じが好きだなあと思います。
輪投げのブースは、遠くからでもきらきらと輪が輝いているのが見えました。
チームメンバーもキャラが濃い子たちばっかりで、ルール説明のときから、つい笑ってしまうような可愛さがあって嬉しくなりました。
輪投げは、ちゃんとやろうとすると、意外と難しくて、苦戦しました。
あー全然入らなかったー……と思っていると、店員さんから、
「この輪投げのブースに隠れている蟻を三匹見つけたら、一点差し上げますよ!」
と教えてくれて、みんなで探すと、あ! いた! たくさんヒントをもらいながらなのですが、貴重な一点ゲット!
そんな遊び心のある、輪投げチームが素敵だなと思いました。
一番奥にあるのは、吹き矢のブースです。
吹き矢全体の飾りは、『光り輝く虫たちの天体観測』ということで星の飾りや、タマムシやニジイロクワガタがキラキラしていてとても奇麗でした。
電飾も使っていて、全体が本当に輝いていて、夜にぴったりなコンセプトが素敵だなと思いました。
十七メートル先のニジイロクワガタにはあと一歩届かず、当たらなくて悔しかったのですが、タマムシには無事ヒットさせることができて、やっぱり吹き矢は面白い! と思って楽しめました。
今年の縁日で一番、みんながどきどきしていたもの……お化け屋敷。
当日が近づくにつれて、だんだんと「怖いなあ、大丈夫かなあ……」と思う気持ちが膨らんでいきました。
『はっぴーはうす』と名付けられたお化け屋敷……。
……ああ、白状すると目をつむってしまって、チームのみんなに貢献できませんでした! ごめんなさい! 怖いのが苦手です。
でも、恐ろしい気配をたくさん感じて、やよいちゃん、みつきちゃんに引っ付きながら悲鳴を上げて回った時間は格別でした。……本当に怖かったです。
須原さんたちが研究会を立ち上げて、日々準備している話を、毎日、食事のコメントで聞いていて、みんなが本当に楽しんで準備している姿が嬉しくて、みんなで怖さを存分に味わえた時間が嬉しかったです。
■やぐらを囲んで
最後には遊び終わったみんなが自然とやぐらを囲んで盆踊りを始めます。
私は、この時間が一番好きです。
森の中にぽっぽと灯る光をたどって山を下るとたどり着く、秘密のお祭りについたような気持ちになります。
みんなが一緒になって、この瞬間を作って、そして心から楽しんでいるんだと思うと、幸せな気持ちが溢れ出てきます。
仲間で協力し合って、誰かにとって幸せな時間を作ろうと思う気持ちが、本当に美しいのだなと思いました。
縁日の間中、いっぴきの大きな黒い蝶々がずっと皆の周りを飛んでいました。
今年も、盛男おじいちゃんの山で縁日ができたことがとても嬉しかったです。