9月9日のなのはな
黄金色に実る稲穂と、香ばしい香り。
自分たちのいただく大事な主食のお米を、自分たちで作ることができる幸せを感じる秋。
なのはなファミリー2024年の稲刈りがはじまりました。
私たちの食卓の主食となるお米。
5月の播種からはじまり、田植え、そして除草や肥料まき、水の管理や草刈りなどの手入れをしてきた3か月を経て、いよいよ収穫を迎えました。
田んぼの数は23枚、稲作の面積は4町6反。4台のコンバインと、家族総出の手刈りで進めます。
初日となるこの日は、お父さんチーム、永禮さんチーム、あゆちゃんチームの3チームがコンバインで稲刈りをしました。
午前、私はお父さんチームに入りました。
お父さんチームが向かったのは、今年新しく増えた3枚の田んぼです。
そこではうるち米を育てており、3枚合計で約4反あります。
昼食をはさんで、1日で3枚を刈り終える目標です。
「緊張するねえ」
田んぼの担当で、ここまで手入れや管理を継続的にしてきたまえちゃんが、田んぼに向かう前に言いました。
1年に一度の稲刈り。コンバインが出動するのも、当然この季節だけです。
機械は順調に動くか。なにかトラブルは起きないか。収量はどれくらいか……。
稲刈りが楽しみな気持ちと合わせて、そんな緊張感もありました。
コンバインが順調に動きますように、と祈る気持ち。
うまくいくように、しっかりと機械刈りの補助をしよう。という意気込み。
お父さんチームの3人(まえちゃん、どれみちゃん、私)は、ドキドキしながら田んぼに向かいました。
お父さんが運転するのは、なのはなで一番大きいコンバイン、通称『モンローちゃん』です。
モンローちゃんはクボタの4条刈りの機械で、パワーもあります。
1年ぶりの運転ということで、お父さんも前日から運転方法を思い出すようにしていたということでした。
さあ、モンローちゃんの調子はどうだったのか。
稲刈りはスムーズにいったのか?
グッドニュース(結果)を、さっそくお伝えしますと、お父さんの乗るモンローちゃんは、トラブルなく順調でした。
そのパワーとスピード、そしてお父さんの巧みなコンバインさばきで、稲刈りは予想よりうんとはやく進みました。
午前中に余裕を持って、3枚を刈り終えることができました。
私たちは、コンバインが田んぼに入るときや、四隅をターンする際の進路が安全かを見たり、外周に少し残された稲を手で刈るなどの補助をしました。
そして、刈った籾がたまったら、軽トラに載せたコンテナに移します。
足早に歩くくらいのスピードで進むコンバイン。
私はその横について歩きました。
少し倒れている稲を起こして、次に回ってくるとき機械がしっかりと稲を捉えられるようにします。
角に差し掛かると、コンバインのバックの安全を見ます。
モンローちゃんは、稲の海を力強く進んでいました。
勇ましくも、繊細。お父さんの操作はそんなイメージです。
外周から、くっきりと四角く美しく刈られていく景色。
四角はどんどん小さくなっていき、1周する時間は短くなっていきます。
稲穂が実る黄金色の田んぼも美しいけれど、きれいに刈られていく景色もまた美しいと感じます。
そして、刈られた籾がコンバインからコンテナいっぱいに入っていく様子。
ざーっとアームの先から降ってくる籾、籾、籾。
コンテナの中で、籾を手で均していくのですが、このときも、とても充実した気持ちになります。
こんなにも実ってくれた、私たちの美味しいご飯が、こうして穫れたのだという充実感。
なんとも満たされた気持ちになります。
1枚目を終えたところで、1時間弱、2枚目、3枚目と進み、時計を見ると12時半をまだ回っていませんでした。
お父さんチームは、予定通り、3枚を刈り終えることができました。
あゆちゃんチームは、午後から稲刈りがスタートし、紫黒米が植えられている山裾田んぼへ向かいました。
あゆちゃんの乗るコンバインは、籾を袋に直接入れていくタイプです。
紫黒米は、なのはなの籾摺り機で籾摺りをします。
稲刈りを初めて経験する、ゆうなちゃんも一緒のチームです。
コンバインについていき、籾がたまる袋を入れ替えたりする役割に、どれみちゃんとゆうなちゃんが入りました。
あゆちゃんの運転が止まらないように、籾の量を見て入れ替えていくのは、慣れるまで難しそうだなと思いました。
運転をするあゆちゃんと、その横についていくゆうなちゃん。
船の船長と副船長のようで、かっこいいなと思いました。
あゆちゃんがはじめに話してくれたとおり、コンバインが止まることなく、袋はスムーズに交換され、たまったらどんどんと回収されて軽トラに積まれていきました。
私はコンバインから出てきた藁を、乾きやすいように三角に立てていきました。
田んぼでときどき見る、藁の小さなおうちのような、ピラミッドのような、三角錐がたくさん並ぶ光景。
この日は稲刈りチームの人数に少し余裕があったので、藁立てをすることができました。
実はちょっと憧れていたあの三角のミニ藁ハウスなので、立てられるのが嬉しかったです。
嬉しかった! けれど、藁が排出されるスピードと量には追い付けず、なかなかハードでした。
最終的には、ほんの一部の藁しか立てられなかったのですが、外周の一部に並ぶ三角の藁のおうちの景色ができて、それはかわいかったなと思いました。
いずれにしても、藁は畑で活躍する大事なものなので、稲刈りが終わったら乾かして、またみんなで回収したいなと思います。
コンバインの進み具合を見ると、夕食までに1枚終わるかな、という様子。
そのとき、コンバインが止まりました。
負荷がかかりすぎて、部品の一部のピンが折れてしまったのです。
致命的な故障ではなく、少し細いそのピンは、ベルトが切れたりする前に『負荷がかかっている』と知らせてくれるのだと、あゆちゃんが教えてくれました。
メーカーの方がすぐに田んぼに来てくれて、折れた部分を修理してくださいました。
「あなたたちより年上の機械ですね」
修理をしてくれた方がこうおっしゃいました。
コンバインは昭和61年製だそうです。
私たちの農業に欠かせない、大型の農機具たちは、こうして年式が古いものであっても、しっかりメンテナンスをしてこうして乗り続けられるものです。
あらためて、こういった機械を大事に使っていきたいなと思いました。
ピンの修理を経て、5時半には再稼働。
元気なエンジン音と、しっかりと回るベルトを見ると、ほっとしました。
そして、紫黒米の1枚は、無事にこの日に刈り終えることができました。
山裾田んぼは、その名のとおり、ちいさな山の近くに位置した田んぼです。
同じ田んぼでも、周りの景色は1枚1枚違い、それだけで少し違う体験をしているような感覚があります。
また、景色だけではなく、コンバインの種類が違えば、補助をする人の役割も異なります。
そうした色々な稲刈りの体験を一つひとつ楽しみ、そのとき覚えられることをしっかりと覚えて、自分にとっても実りの多い豊かな経験にしていきたいです。
これから稲刈りはまだまだ続くので、コンバインたちがしっかりと動いてくれることを願っています。
そして、なのはなみんなで力を合わせて稲刈りを進めていきます。
(なお)
***
私は永禮さんチームで、石生西の田んぼを稲刈りしました!
さくらちゃん、よしみちゃんと3人で、補助に入ります。
今年初めての稲刈りに、昨日から緊張とわくわくする楽しみな気持ちで胸がぎゅっとなりました。
午前中に田んぼへ到着! 四隅を刈っていざ機械刈り! ……と思ったのですが、コンバインのトラブル発生!
けれど、そんな緊急事態でも、すぐにその場で永禮さんやさくらちゃんがコンバインを下から覗き込み、異常があった場所を見て、調べてくれました。
その場ですぐに、行動できる姿がすごく格好よくて、心強かったです。
相談の結果、コンバインを別の物に交換して、午後から刈り進めることになりました。
コンバインを移動させている時間で、よしみちゃんと、もっと刈りやすくなるように、田んぼの前準備をしっかりできたこともラッキーだと思って、嬉しかったです。
みんなでお昼ご飯を食べて、さあ改めて稲刈り開始です!
オレンジ色のコンバインは、稲の黄金色と、青空の中でよく映えました。
機会がどんどんと稲を吸い込んでいくのが気持ちよくて、ついつい、永禮さんが運転してくださっているコンバインの横に立って、間近でじっくり眺めました。
刈っていくうちに赤とんぼが集まってくるのも可愛かったです。
この稲刈りの風景が、大好きで幸せな気持ちになります。
ピーピーという音が鳴り、グレインタンクがいっぱいになると、軽トラにつんだコンテナにお米を移します。
ノズルから出てくるお米は温かくて甘い香りがしました。
さくらちゃんが、そのお米を触って真剣に観察している横顔が、綺麗で、可愛くて、今日一緒に稲刈りできてよかったなと思いました。
途中で、空を見上げると虹が出ていました。
もうそろそろ終わりだなと思っていたところだったので、まるで「いい日だったね、お疲れ様」と神様から言ってもらったようでした。
最後の一列を永禮さんが刈り切ってくださったときは、ほっと安心しました。
綺麗に刈られた田んぼは、稲があった時よりもずっと広く感じて、「終わったー!!!」と達成感を味わいました。
朝から夕方まで、トラブルも、うまくいったことも、共有できた時間が宝物だなと思います。
帰りに回送車からみた、石生田んぼの夕焼けが、胸がじーんとするくらい美しかったです。
(まなか)