9月5日のなのはな
「お魚がたくさん届いたので、午後から頑張りたいです」
その、まちこちゃんの言葉を、お昼の食事の席で聞きました。
その後なっちゃんから、「ほしちゃん、この後から台所ね」と声をかけてもらいました。
これは、今日は、魚をたくさん触る日だ、ちょっと緊張もしつつ、ワクワクしながら台所へと向かいました。
台所に入ると、いつも仲屋食品さんから届く、お魚の発泡スチロール箱が2つ。
その中は、と思いつつ、中を覗くと……。
そこには鮮やかな赤色をした、手のひらサイズの可愛らしい小さい魚たちがびっしりと、いました。
そう、ノドグロです。
ノドグロは、高級魚で、鳥取の名産だ、とお父さんがよく話してくれます。
仲屋食品さんが鳥取の境港から送って下さいました。
まちこちゃんと、なっちゃんと、しなこちゃんと、魚が処理できるようにセッティングをして、いざ調理開始です。
シンクに台、その上に木のまな板を置き、出刃包丁を構えます。
まず、ノドグロの尻尾から頭にかけて、包丁を立てて、カリカリと鱗を落とします。
鱗は、薄っすらとした淡いピンク色をしていて、見ていても綺麗だな、と思いました。
ノドグロの背びれは、小さな体だけれど立派で、ビニール手袋に刺さると、「痛っ」と感じるくらいで、こうして魚も身を守るんだな、と海の中の世界が見えた気がしました。
その後は、頭を、ストンと潔く、出刃包丁で落とします。
その工程に、すごく醍醐味があって、この経験が貴重でありがたいことだな、と改めて思いました。
それから内臓を取り出し、洗いました。
洗っているとき、黒い筋膜のようなものが、ノドグロの内部に見えました。
「喉が黒いから、ノドグロっていうんだよね」
となっちゃんが話してくれました。
そのことを、間近に感じられて、新鮮な気持ちでした。
そして、洗いまでの工程が終わると、そのそばから、まちこちゃんが、塩コショウを振り、粉をつけて、油の中に投入していってくれました。
そう、今日の夕食のメインは、ノドグロのから揚げです。
揚げているそばから、ジューシーな匂いが漂い、みんなと流れ作業をする感覚が、料亭で働いているような気分で、すごく楽しくなりました。
まちこちゃんが、「お魚屋さんにお嫁に行けるね」と笑いながら話してくれて、そんな和やかな空気もありました。
すごくたくさん届いたと思ったノドグロも、数えてみると、その数は、実に約240匹。
約1時間半、ノドグロに没頭しました。
最後の1匹をさばくとき、まちこちゃんと、「フィナーレですね」と言い合って、走り抜けました。
これまでも、台所でたくさん魚を調理させてもらってきたけれど、今日もそうで、やっぱり、この経験がすごく貴重でありがたいことだな、と思います。
なのはなに来る前では、魚をどう料理するのか、無知だったけれど、経験させてもらって、視野が広がります。
そして、夕食でみんなと頂いたノドグロのから揚げは、飛び切りに美味しかったです。
身が柔らかく、骨まで柔らかく、ジューシーで、本当に美味しい。衣だけではなくて、本当に元のノドグロが美味しいんだな、と思いました。
貴重なお魚を頂いたり、調理させてもらうことが、ありがたいな、と感じ、すごく嬉しかったです。
(ほし)
日中の作業では、夏野菜の中耕や、小豆の草取り、畑の草刈り、水やり、セロリの鉢上げなどを行ないました。
豆類は今、莢が充実していく時期です。畑の環境を整え、株が養分をしっかりと吸えるように、雑草を取って回っています。
この日は、交番先畑の小豆の周りを奇麗にしました。
草取りをしたい豆の畑は、たくさんあり、人数や畑によって進め方を変えながら工夫しています。
この日は、ティーチャーズ方式、と名付けたかたちで作業をしました。2人1組になり、先生役の子は、良い草取りの方法や、どの位置に入るかなどを相手にレクチャーし、生徒役の人は明るく返事をしながら、息を合わせて草を取っていきます。英語が上達したかったら、英会話教室の先生になるのが一番だといいますが、人に伝える立場になると、自分自身が、より効率よく、新鮮な気持ちで物事に向かえるのかもしれません。それぞれのペアで協力して、楽しんで草を取ることができました。