9月2日
今日から、桃の秋季剪定が始まりました。今日は、石生の桃畑、古畑を進めました。
収穫がもう少しで終わるけれど、息つく間もなく、次の手入れに入ります。今の桃の木は、来年に向けて貯蔵養分を溜めている時期で、来年の春芽の充実に欠かせない季節のようです。葉面散布も、9月中旬までに2回したいと、あんなちゃんからプランを教えてもらっていて、秋季剪定も、9月中旬までに一通り終わらせたいと聞いているので、スピード感を持って進めないと、と思いました。
はじめは、あんなちゃんが切る枝に、クリップで印をつけてくれて、印のつけられた枝を切っていきました。
秋季剪定と冬季剪定では、剪定の種類が違っていて、冬季剪定は、ハサミで細かな枝まで丁寧に見て切っていくような剪定だけれど、秋季剪定は、のこぎりで大枝をバサバサ切っていくような剪定だなあと思います。
今の時期はまだ桃の木も休眠期にはいっていないので、切ったら切った分、樹が弱ります。そのため、切り過ぎてもいけないし、かといって樹勢が強い樹で秋に切らずに冬に切るとなったら、反動が強く出てしまうので、塩梅がとても難しいなと思いました。
秋は、日当りが悪くなっている、根本的な原因の大枝を切るような剪定なので、どの枝を切るか、決断にとても勇気がいると思いました。でも、あんなちゃんが樹に沿いながら、潔く切っていく姿がとてもかっこいいなと思いました。冬剪定とも繋げて考えているあんなちゃんが凄いなと思ったし、私も時間軸も、広く、大きく考えて剪定が出来るようになりたいと思いました。
切ってみると、まず初めに樹がとても柔らかいことに気が付きました。そのため、大きな枝を切るときに、重みで断面が割れてしまいそうになります。切り口を綺麗に切れるよう、大枝は2段階にわけて切るようにしました。
そういえば、以前あんなちゃんが、季節によっても樹の硬さが変わることを教えてくれたことがあったと思い出しました。今は、枝一本一本が水分を吸い、養分を吸い、潤っているから柔らかいんだなあと思いました。柔らかい間は、誘引が効果的だということも、あんなちゃんから教えてもらったことがありました。小さな枝でも、瑞々しくて、生き生きとしていました。
その樹の樹勢を判断することが、重要なのだと思いました。石生の浅間白桃は、樹勢が弱いということで、剪定を飛ばして、後の加納岩白桃や、なつごころなども、樹勢が弱かったため、ほとんど切りませんでした。
樹勢が弱いか強いかは、内側からどのぐらい徒長枝が伸びているか、どのぐらい枝が生い茂っているかで分かります。樹の気持ちを読んでいるようだと思いました。一本一本判断して、樹を見て、その都度一番良い剪定の仕方を考える作業は、大変ではあるけれど、楽しいのだろうなあと思いました。私も、あんなちゃんのように適切に判断できるようになりたいと思いました。
古畑の2本は、かなり生い茂っていたので、大枝をバサバサ切るような剪定でした。
古畑からは、一人一枝ずつ担当して、自分でクリップを付け、あんなちゃんに答え合わせをしてもらう、という方法で進めました。
何も答えの無いところから、自分で切る枝を決めていく、という作業は、とても集中して頭を使いました。どんな完成形を目指すのか、イメージをはっきりと持っていたり、理想形がないと難しいと感じました。
何度もあんなちゃんが切った樹を見てきたので、少しずつ分かってきてはいるものの、私は切るか切らないか、0か100になりがちだと感じました。そうではなく、中間の切り方があるのだということを心に置いて、一番良い選択が出来るようにもっと多くの引き出しを持って、幅を広く持って剪定をしたいです。
交差している枝、重なっている枝があった時に、どの枝を残すか、という優先順位だったり、作業性や日当りを取るか、収量を取るか、といった選択を迫られる場合がたくさんあるけれど、自分の中でしっかり、優先順位を付ける、メリハリをつけて考えられるようになりたいと思いました。
まだ全体の10分の1も終わっていないぐらいだと思うので、期限内に終えられるように力を尽くしたいと思いました。
読んでくださりありがとうございました。おやすみなさい。