「まりかちゃんと」 ななほ

8月31日

 夕食の配膳をしていたら、さくらちゃんが「外に大きな虹が出ています」と放送をしてくれました。

 私はその時、ちょうど配膳をしていて外には出られなかったのですが、ふと、窓の方を見たら食堂からも大きな虹がみられて、とてもラッキーな気分になりました。

 今日の虹が、これから9月に入り、コンサートに向けての練習や畑もまた一味変わって盛り上がっていく中、何かいいことがあるのを予告してくれているようで、虹を見ると幸せな気持ちになりました。

・まりかちゃんと

 朝食後の掃除でまりかちゃんが、自然に掃除や当番を一緒にしてくれました。
 自然にと言っても、最初は「何で、まーちゃんの分の雑巾も用意するの!」とぷりぷりモードでしたが、「じゃあ、まりかちゃんはお父さんとお母さんの部屋の前をピカピカにしてもらえると嬉しいです」と伝えると、「はーい!」と返事をして雑巾がけをしてくれました。

 まりかちゃんに出会って、まだ20日ほどですが、スッとまりかちゃんがなのはなファミリーを好きになって、なのはなファミリーでの生活に溶け込んでいる姿が嬉しいし、これからもっともっと、なのはなファミリーで憧れのお姉ちゃんたちを見て、利他心いっぱいに育っていくのだと思うと、希望を感じます。

 最近、ふとした時に「私、すごく変わったな」と感じます。
 また、私はものすごく気を遣いながら幼少期を過ごしてきたんだなと、最近になって思いました。

 今でも必要以上に気を遣いすぎる、相手の顔色を窺うという怖さが抜け切れていない部分があるのですが、私はそのくらい、幼少期から緊張状態の中にいて、家にいても学校にいても、友だちの中にいてもいつもお客さん状態で、安心してこなかったんだなと思います。

 まりかちゃんに1つ、正しいことを伝える時、(この言い方だと、まりかちゃんは反省しすぎてしまうだろうか?)(この言い方だと、伝わりにくいだろうか?)(これを言ったら、甘えを引き出すことに繋がるだろうか?)と考えています。

 また、私自身がものすごく繊細で怖がりで気を遣いすぎていて、相手に対しても自分に対しても疑いのような気持ちを持ち続けてきた子どもだったから、(私だったら、こんな風に言われたら怖いな)と思い、ストレートに人に何かを伝えることから逃げてしまうことがあります。

 なのはなに来るまで、私は自分が当たり前だと思ってきたし、私はどんな苦しさにも耐えられる、我慢できると思って耐えてきました。
 けれど本当は、ずっと心の中で声にならない悲鳴を上げてきて、色々なことを考えて、顔色を窺って自分を見失ってきたし、自分自身を犠牲にしてきたんだなと感じます。

 幼い頃、一番身近な存在であるはずだった家族にさえも、(これを言ったら怒られるだろうか?)(これを言ったら嫌われるだろうか?)(これを言ったら悲しむだろうか?)と考えて、考え過ぎて自分の意見をなくして、目の前の人が喜ぶであろう解答、悲しまない解答をしてきました。

 そして、時々自分が行き過ぎたり、調子に乗ったり、失言をしてしまった時、普通の子どもだったら何も気にしないしただのおふざけで終わることだとしても、私にとってはこの世の終わりというくらいにひどいことをしてしまったと思い、(こんなことを言った私は殺される)(これを言った私は追い出される)と1人、不安になっていました。

 でも、それが周りの人に理解されることはなかったし、私自身もこれが普通で、どの子どもも自分の失敗で誰かを悲しませるのは、自分の存在を否定したいくらいに怖いことだと思っていたなと思います。

 でも、まりかちゃんと過ごさせてもらう中で、ある程度の信頼関係ができていたら多少、厳しく正しいことを伝えたり、ストレートに物事を伝えても、そのことで相手は傷つかない、気にしていないし、反対に、ちゃんと教えてほしい時、正してほしい時もあるのを感じます。

 それに気づいた時、私は今まで相手の顔色を窺いすぎるあまり、遠回しになって、人と真正面から向き合うことを逃げて、誰とも安心して関係を築けないし、家族や友人にも心を開くことができない、自分のことを相談できる人も何でも話せると思える仲間もいなかったのだと思いました。

 だからと言って、対人との関係は誰でも常に応用問題で、その時の気持ちはこれまで経験してきたこと、その前後の様子と本当に縦軸と横軸と予想を考えての判断だし、すぐに答えが出ないこともたくさんあるから難しいと感じます。

 けれど、まりかちゃんが長い目で見ても、なのはなで色々なことを吸収して成長できるように、それでいて苦しかった過去の傷が癒され、本当に心の底から伸び伸びとできるように私も自分にできることを頑張りたいです。

 私は今、色々な人と話をしたり、人にはっきり伝えたり、学校や実習先などで自分の意思をもって話したりできるようになりました。
 それに、子どもを始め、なのはなのみんなの中でも他愛もない話を楽しめたり、普通に会話をしても、話した後にひどく後悔したり反省しすぎたりすることも少なくなりました。

 それは、なのはなに来る前の私には信じられないことだし、きっと過去の私や過去に私が出会ったことのある人が、今の私を見たら、「え、この人は誰?」と思うくらい、考え方や話す内容、性格もガラリと変わっていることと思います。

 そして、もっと変わっていきたいです。
 あゆちゃんのように、人と適切な距離感で好意的な関係を築いていけたり、視野を広く持って、スケールの広い考えで物事を見れるようになりたいです。

 また、私は感情的になって社会性のない態度をとってしまうことや、不安や怖さから人と関係をとることから逃げたり、後悔や反省を必要以上にし過ぎたり、相手の顔色を窺って本当に言うべきこと、話したいことを伝えず、反対に空回りしてしまうことが多いです。

 それをまずは自覚した上で、より自分の人格を高めていきたいです。

追伸:夜は、まりかちゃんとももかちゃんとお父さんの所に少し、お話に行かせていただけて嬉しかったです。

 まりかちゃんもお父さんと話したかったんだなと思ったし、私もまりかちゃんのお話を聞けて嬉しかったです。

 お忙しい中、いつもお時間をとってくださり、こうして日記も読んでくださりありがとうございます。明日も楽しい1日になりますように。