【8月号④】「夏の装い うつくしく  ―― 浴衣の着付け講座を受けて ――」 あや

   
 蝉の鳴き声が盛んに聞こえる季節になりました。なのはなでは、河上さんが浴衣の着付け教室を開いてくださることになり、着付け方を教えていただきました。なのはな内やお祭りなどのイベントに向けて、みんなが浴衣を自分で着られるようにと機会をいただけたことが本当にありがたかったです。

 教室が始まる前に、浴衣は洗濯できないため、着る前にシャワーを浴びたり、タオルで汗を拭くのが礼儀と教えていただいて、みんなで汗をふき取りスッキリした状態で着付け教室の始まりです。

■「着こなせる人」に

 初めに、浴衣について色々な事を教えていただきました。浴衣は本来、身長などが考慮されており、一人ひとり専用のものとして作られているため、他の人の浴衣を着る事はできないということが印象に残っています。現代ではサイズに違いはあるものの、ショッピングモールなどで売られており、専用の浴衣というわけではなかったので、昔は一人ひとり専用の浴衣が作られていたことが本当に手が込んでいて凄いなと思いました。
 
  

 浴衣そのもののことだけでなく、浴衣を着る際の所作、心持ちまで教えていただけたことが本当にありがたかったです。「浴衣に着られる人」「浴衣を着こなせる人」「浴衣を着られない人」に分けられることや、着終わった後にその人がどのような心持ちで浴衣を着ていたかが分かるということを聞いて、浴衣を着る際はただ順序を守って奇麗に着るだけでなく、気持ちが特に大事なのだと思いました。

 浴衣を「着こなせる人」になりたい! という思いを胸に、いざ着付けです! 今回は初めて浴衣を着る人が多かったため、お仕事組さんがペアとなって見てくれたのが本当に安心して嬉しかったです。

  
  

 

 河上さんが、その人その人に似合う浴衣を選んでくださって本当に嬉しかったです。私は紺に、白と薄ピンクのお花がかかれている浴衣を選んでもらいました。本当に可愛くて、着ることができて嬉しかったです。みんなもそれぞれ合った浴衣を選んでもらっていて、その人のイメージぴったりで凄かったです。
  
  

 まず、浴衣の羽織り方から教えていただきました。場所を取らず、上品で素敵でした。浴衣に羽織り方があることを初めて知れて嬉しかったです。着付けをしていて、一つひとつの工程が全て大事で、どこか一つでも欠けてしまったら奇麗にはならないのだと実感しました。

■見えないところまで丁寧に

 どの工程も身体のラインに沿わせたり、緩みが出ないようにきつく締めたりというピシッとしたけじめが大事なのだと思いました。少しでも手が緩んでしまうと、それだけで全体がぼんやりした感じになってしまうので、常に緩まないようにと意識しながら着ることが難しかったです。

 河上さんに着つけてもらうと、本当に緩みがなく、身体に着物が張り付いている感覚がして凄く奇麗で感動しました。自分が思っているよりもきつくしないと奇麗に着られないということが分かったので、また自分で着る機会があったら意識して締めたいと思います。
  
  

 また、一つの工程が終わるたびに皺を伸ばすことを教えていただきました。お端折りなどが奇麗になるように、手を入れてトントンと伸ばしたり、布が集まって団子になってしまっているところを引き出したりしました。この工程をすることで、皺がなくなってすっきりとした状態になり、本当に気持ちがよかったです。皺をきちんと伸ばさなければ後の段階が奇麗にできなくなってしまうので、本当に大事だなと思いました。

 前だけでなく、どこから見ても隙がなく奇麗に見えるように後ろも整えるところが難しかったですが、今回は、自分の見えない場所はペアのどれみちゃんが見てくれて整えることができてありがたかったです。何回も着ていくうちに、後ろも自分で奇麗にできるようになっていきたいなと思います。

 上を奇麗に着るためには、最初の段階が凄く大切で、見えない部分がおろそかになってしまうと全部台無しになってしまうことも教えていただきました。どれだけ最後のほうを奇麗にしても、最初がきちんと着られていないとごちゃごちゃした着方になってしまうので、最初から最後まで本当に集中力が必要だと感じました。
  
  

 帯も自分で結べるようにと、帯の結び方に入り、いよいよ完成に近づいてきました。浴衣中でも一番目立つ部分だと思うので、とても緊張しました。帯だけでもたくさんの段階があったり、緩みやすく力がとても必要だったりと本当に難しかったですが、教えていただきながら帯のリボンの形が見えてきたときは、とても感動して、嬉しかったです。

■奇麗に着つけられるよう

 帯も奇麗に結ぶことができ、ついに完成です! 河上さんが見てくださったおかげで、とても奇麗に着ることができて嬉しかったです。 浴衣を着ると気持ちが引き締まり、正されて、心まで整ったのを感じました。四季や昔ながらの和を感じられて、日本人でよかったなと思いました。

 二時間にも渡り、河上さんが見えないところまで丁寧に教えてくださったことが、本当にありがたくて嬉しかったです。奇麗に着つけられるようにがんばりたいです。
 これからの夏、浴衣を着られる機会がたくさんあることが、とても楽しみです。