【8月号③】「 諾(なぎ)神社 夏越祭への出演  ―― 志を込めて 踊ったフラダンス ――」  りんね


  
 諾神社の厳かな境内にて、神様の存在を傍に感じながら、勇気を持ち、仲間と一つになって、フラダンスを踊ります。
 七月二十七日、諾神社の『夏越祭』に、七曲のフラダンス演奏で出演させていただきました。父の日に開いたフラダンスショー、ケニー・モナーク・フェルティバルのときにみんなで作った、新しい編成でのフラダンス四曲も加わった、多様なフラダンスの魅力が詰まった曲目でした。

 サマータイムでは、日中の時間、諾神社の本番に向けて練習を重ねてきました。日々、畑作業に精を出す中でも、フラダンスで表現することに向かう時間があると、心持が更に充実していくことを感じました。

 私は今回、『ハウ・ファー・アイル・ゴー』と『ビューティフル・ピープル』の二曲で出演させてもらいました。
 練習は、『ハウ・ファー・アイル・ゴー』のメンバーで一緒に行いました。今までにも踊り慣れてきた曲ですが、改めてメンバーのみんなと練習をしていくと、今までよりも良くしていけるところがたくさん見えていきました。

■高いレベルで揃える

 自分たちで揃えられるところなど、できる限りの練習をしてから、一度あゆちゃんに見てもらったことがありました。

 あゆちゃんから、一緒に踊るみんなとどこまでも揃える意識を持つことが、一番大切だと教えてもらいました。個人個人が上手に踊るのではなく、視野を広く持ち、周りの気配を感じて、全ての動きのニュアンスまで、揃えること。
  
  

 あゆちゃんの話を聞いて、全員が一つになったときに初めて、なのはならしい凄みのある、お客さんの胸を打つようなダンスに繋がるのだと感じました。

 個性を消して、高いレベルで、全体で揃えることは、なのはなでずっと、大切なこととして教えてもらっているけれど、振付を間違いなく踊れるか、というようなことに気を取られてしまうと、私はすぐにおろそかになってしまっていました。

    

 ダンスの振付けは、できる限り揃えてきて、後は気持ちをどう持つか。今回の本番は、今まで積み重ねてきたことを信じて、何よりも揃えること、中心で踊るちさとちゃんに、気持ちも、表情も、動きも、一つに重ねて、踊ることを意識して向かいたいと、感じました。

 常に全体を感じる意識を持つことは、日常の生活からも大切になってくることです。自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうと、忘れてしまいそうになるけれど、今回、『ハウ・ファー・アイル・ゴー』に向かう中で、改めてその大切さを感じることができて、ありがたかったです。

■茅の輪の額縁のなかで
  

   
 本番を前にして、ゆっくりと夏の日が暮れていくことを感じつつ、袖で控えていると、主催者の方からかき氷の差し入れを頂きました。冷たくて、甘いかき氷をみんなで頂いて、温かい心遣いが本当にありがたいと思いました。

 十九時二十分、あゆちゃんのMCから本番が始まりました。
 諾神社の境内の前には、大きな茅の輪が設置されていました。『茅の輪くぐり』は、唱え詞を唱えながら、八の字に三回、茅の輪をくぐることで、心身を清め、無病息災を祈願するものです。

 今回は、夏越し祭を象徴する茅の輪を前にして、フラダンスを踊りました。
 正面には地元から来られたお客さんが、常に肯定的な空気で、温かく観てくださっていることを感じました。また、上手側の近くに、応援組のみんなが涼やかな浴衣姿で観てくれていて、心強かったです。

  
初披露した『トゥエ・ポポ』のダンス

  
 一曲目は、はつらつとした若々しさ溢れる、初披露の『トゥエ・ポポ』。
 続いて二曲目は、頭にパイナップルの飾りをつけた三人が踊る、軽快でチャーミングな『ドゥ・ザ・フラ』。
 三曲目は、ゆったりとした穏やかな曲調と振付に、たっぷりの愛情が詰まった『メレアカ・プーヴァイ』。
 四曲目、『カワイプナヘレ』は、アップテンポな曲に合わせて三人が踊る、エネルギッシュで勇敢なダンスに、見るだけで力が湧いてきます。
 五曲目は『オ・ヴァイ』。太古から生命の進化を見守ってきた存在を感じさせる、神秘的な曲です。
 六曲目の『ハウ・ファー・アイル・ゴー』は、世間の常識にとらわれない志を立てて、どこまでも成長していきたい思い、希望のある曲。

■志を表現して
  

   
 最後の『ビューティフル・ピープル』は、今回出演した全員で踊りました。終わったとき、拍手と同時に、温かい「アンコール」の声を頂き、もう一度、『ビューティフル・ピープル』を、今度はさらに気持ちを外へ広げて、踊ることができました。

 本番を終えて、まだ私は、人前で踊るというだけで精一杯なところが大きく、視野を広げて全体に動きを添わせる意識を、ずっと持ち続けるところまで、達せなかったと感じました。

  
  

 それでも、今できる精一杯で、全体の中で気持ちを作って踊り、普段よりも、舞台で身体と気持ちを、自由に使えたことを感じました。

 神様。
 私は、まだ未熟すぎるほど未熟だけれど、あるべき姿を求めて、これからもあるべき姿を演じ続ける人生にして、成長していきます。良くなっていくことを決して、諦めません。

 どうか、見守っていてください。
 フラダンスを踊ることを通して、神様に私たちの志を見ていただけたのではないかと思います。

 諾神社の夏越祭、温かい地元の方々に見守られ、神聖な場所で、たっぷりと演奏をする、という貴重な経験をさせていただけて、本当にありがたかったです。