「みんなからもらった使命」 えりさ(卒業生)

8月8日

 夏休み中、なのはなファミリーに帰らせてもらいました。

 久しぶりだけれど、びっくりするくらい、時間がたった感覚がありませんでした。

 つい昨日までみんなと畑で走ったり、食事の席でコメントを回したり、お風呂で何気ない話しをしていた感じがしました。心を落ち着かせ、みんなの空気に溶け込んで過ごさせてもえたのは、なのはなは私にとって、いつでも帰れる故郷であるからです。

 私は今はアメリカのシアトルで学生として過ごしています。

 初めてアメリカに引越した時、あまりにも環境が違っていて、生活に慣れるまでだいぶ苦労しました。遠く離れた場所で寂しくなったり、苦しくなったりしました。

しかし、その中、私にとって救いになったのは、卒業する前にあゆみちゃんに教えてもらった言葉でした。
 
「アメリカがなのはなの別店舗だと思って過ごしたらいいよ」

 なのはなファミリーに出会っていなかったら、アメリカという色んな文化、常識、価値観、モラルを持つ人が揃った多様性のある国で、どう生きれば良いか分からず、症状に追われ、挫折していたに違いないと思います。

 しかし、利他心の枠をしっかり守って生活すると、必ず挫折することはないとわかりました。

 寂しさから逃げず、周りの人に流されず生活するうちに、自然と出会うべき仲間が見つかりました。血縁関係のない、信頼できる仲間ができることによって、遠く離れたアメリカでも、ようやく心が落ち着き、生活に慣れることができました。

 しかし、今こうして生きていける一番大きな支えは、『アメリカでなのはなファミリーを築く』という夢です。ワシントン大学の公衆衛生学部で勉強する日々、この夢の必要性を毎日のように感じています。

 心の傷を負い、病気になり、生きる意欲を失ってしまった人。学校や仕事に行けず、家もなく、病院に行っても救われず、さらには社会にまで見捨てられた人。依存に逃げ、投げやりに生きている人が多い世の中で、理解してくれる仲間がどれほど必要か。そして、心を許せる居場所さえあれば、どれだけ多くの人が救われるか。

 学校の授業や課題を通して、アメリカでもなのはなファミリーのように人を自立させる場所が早急に必要だと強く感じています。

 私も、生きる意欲を無くし、死にたいと毎日思っていた頃、なのはなのみんなと出会い、理解され、救われました。だから、私も同じように傷ついている人が理解される窓口をアメリカでも切り拓かなければいけません。
 
 これは私がみんなからもらった使命です。

 私はまだものすごく未熟です。焦ったり、迷ったり、間違った動きをしてしまうことがたくさんあります。しかし、未熟だからって、できる、できない、なんて考えている場合ではないと、自分より大きい存在に使命を与えられている気がします。

 みんなのために、まだ見ぬ誰かのために、やるしかない、と感じています。

 今回、なのはなに帰って、お父さんやお母さん、みんなとたくさん話したり、遊んだりして、一生分のエネルギーをもらいました。本当にありがとうございました。

 そして、これからもよろしくお願いします。

 みんなが大好きです。また帰ってきます!