【7月号④】「初めての田植え機補助」 ゆうな

 みんなで行う手植えを終えると、田植えも終盤。田植え最終日がやってきました。六月十二日。六月四日から田植え機を運転してきた、お父さんの田植えを補助する作業に、ももかちゃんと入らせていただきました。いつも、お父さんの田植えの補助は、ベテランのあゆちゃんが行っています。作業発表がされたとき、私が田植えの補助!? できるのかな。と不安の気持ちでいっぱいになりました。実際、私は最近、初めて田んぼを見たし、お父さんが乗っている田植え機というものも、そんな便利なものがあるんだ! と初めて知りました。なので、田植えの補助をできる自信がありませんでした。ももかちゃんもまだやったことがない作業で、二人で不安になりながら田んぼに向かいました。

 

 

 田んぼにつくと、あゆちゃんとお父さんがトラックに田植え機をのせてきて、トラックにのるんだ……と、そのことにさえ、驚きました。お父さんが田植え機に乗って田植えが始まり、あゆちゃんが丁寧に補助の仕方を教えてくれました。まず初めに、苗をトレーからはがしやすいように水やりをする。そのあと、お父さんが田んぼのあぜからあぜまで一往復するごとに必要な分の苗を補充する。待ってる間にブラシでトレーを洗う。というものでした。

 最初は、あゆちゃんの見本を見せてもらいながら、苗の補充をしました。補充はトレーから苗をはがすところまでやることになっていて、田植え機に乗って、サングラスに麦わら帽子をかぶったお父さんを目の前に行うのは、とても緊張しました。

 

■どんどんスムーズに

 最初はうまくいかなくて、お父さんが苗を取ろうとしたときに、トレーがずれてしまって、お父さんに「端をちゃんと合わせて置いて」と注意されてしまいました。トレーを洗う時も、お父さんがまだあぜへ来てないかな? と気になって、手が進まない状態になりました。でも、だんだんやっていくうちに、二人も補助がいるんだから、片方が苗をはがしているうちに片方が苗をもってスタンバイしておいたり、二人で声を掛け合って「お父さん、もうすぐ来る!」と言ってトレー洗いをやめて補充に回ったりと、だんだんわかってきて、どんどんスムーズに補助することができました。お父さんも、サングラスをしていると、怖い恰好に見えるけど、とてもやさしくて、補充してる時に「疲れてない? 大丈夫?」とちょくちょく声をかけてくださって、すごく頑張ろうという気持ちになりました。お母さんも途中で様子を見に来て「頑張ってるね」と声をかけてくださって、すごくうれしかったし、お父さんもお母さんが見に来てくれて、うれしかっただろうなと思います。

 私たちが補助に慣れてきたころに、あゆちゃんが田んぼのあぜの草を燃やしはじめました。風によってお父さんが田植えをしているところに煙が流れていて、お父さんがいぶされているかのように、煙に埋もれてだんだん見えなくなる姿が、少し面白かったです。

 

 

■作業に対する楽しさ

 徐々にお父さんの田植えが終わりを迎えていて、パッと景色を見ると、本当にすごくきれいに、ぴっしり、まっすぐ、植えそろっていて、お父さんが改めてすごいと思いました。私は補助に必死で、お父さんの田植えをしている姿をゆっくり見ることができなかったけど、こんなにもきれいな田んぼを見ることができたうえ、この作業をできて本当にうれしかったです。また、まだ初心者の私に、貴重で重大な作業を体験させてもらえたことに感謝したいです。

 田植えが終わった後、ふと我に返ると、すごく疲れていました。いつもの畑作業の畝立てなどのほうが体力は使っているはずだけど、気持ちの面で、やはりすごく緊張していたからだと思います。しかし、普段、畑作業に対して、まだ、あまり楽しさを感じることができてない私が、初めて心から楽しい、と思えた一日でした。あゆちゃんが、「もう二人は、補助中級くらいにはなったね」とほめてくれました。最初は不安ばっかりで、お父さんに注意もされました。なのに、こんなにも楽しくて褒められるほど上達することができたのは、注意されても、それを次の気を付けることとして受け止めて、何度もチャレンジすることができたからだと思います。今までの私は、注意されると私はダメなんだと思って、あきらめてしまうことが多かったです。でも今回、お父さんと作業させてもらって、お父さんに言われたことに気を付けて作業を続けていて、本当に上達することができたし、すごく楽しさを感じられました。ももかちゃんとも一緒に作業することができて、声かけもすごくやりやすかったし、トレーもたくさん運んでくれて優しさを感じられました。

 今回感じた、自分の成長や作業に対する楽しさなどの気持ちを次の作業、さらには今後の生活に活かしていけたらいいなと思います。

 

〈エンジン式の除草機が、なのはなの農機具に新しく仲間入りし、田んぼで活躍しています!〉