「相棒、刈払機」 みつき

7月12日

●願いが叶った雨上がり

 朝、雨が降っていました。
 廊下を歩いていると、やよいちゃんが、「てるてる坊主を作りたいんだ」と声をかけてくれました。
 わたしは朝食当番だったので、代わりに、なつみちゃんやももかちゃんにも声をかけると、朝食前には、食堂の入り口にてるてる坊主を取り付けてくれているのが見えました。

 今までもそこに飾られてあったお父さんお母さん坊主のほか、新しく4つの仲間たちが増えました。大きなてるてる坊主や、小さなてるてる坊主、パンダのてるてる坊主も居て、それぞれ「ゴーヤの摘芯をしたい」「ナスの追肥をしたい」……と、野菜チームの願いが込められていました。

 その願いが、すぐに叶いました。
 午前中、チームで念願だったナスの追肥ができて、とてもとても嬉しかったです。
 今までかちかち大畑のナスの追肥をしようと思ったとき、雨が降り出してしまって、泣く泣く延期になる、ということが何度もありました。
 けれど、今日は雨が上がっていました。それも、いつ雨が落ちるかハラハラすることもなくって、「今回は絶対にできる!」と自信を持って畑に行けました。灰色の雲はどこかへ流れていって、空は明るく、晴れてきていました。

 畝の上に牛肥の筋が描かれていくたびに、満足感でいっぱいになりました。それだけではなくて、今日は桃メンバーのみんなも居てくれて、こんなに嬉しくって心強いことはない、と感じました。背の高いふみちゃんやあけみちゃんが、軽々とエルフトラックから牛肥を受け取って「はい!」と手渡してくれて、そのたびに元気が出ました。

 畑で作業をしている最中、ずっと夢を見ているような気分でした。今なんでもないように追肥ができていることが、信じられなかったです。
 ナスの追肥はあっという間に終わりました。お父さんも来てくださって、みんなで「終わらせることができた」という喜びを味わえたことが、本当に嬉しかったです。

 最後にお父さんが、「野菜も人と同じで、良いところ見つけをするんだよ」と話してくださいました。
 ナス畑に行くのが楽しみです。ナス畑に行ったら、きっと増えたであろうナスの良いところを、たくさん見つけたいです。

●相棒、刈払機

 刈払機のメンテナンス講習会を受けさせていただきました。
 驚いたのは、須原さんが、実際に刈払機の構造を見せて教えてくださったことです。今まで、わたしは機械について全く分かっていなかったなあ、と感じました。スターターロープを引っ張ってエンジンをかける、などの手順は分かっていても、なぜそれでエンジンがかかって刃が動くのか、とか、原理が分かっていませんでした。

 メンテナンスの方法を教えていただいて、実際にクリーナースプレーやブラシを使って、部品や刈払機の見えにくいところを綺麗にしていきました。

 ギアケースにグリースを注入もして、最後にエンジンがかかるかどうかを確かめました。ここで、わたしははじめて刈払機のエンジンをかけさせてもらいましたが、一発でエンジンがかかりました。
「すごい! 前よりも調子が良くなっているよね」
 と他の子が話していて、メンテナンスをすることで、刈払機もすごく快調になったのではないか、と感じました。

 わたしはこの夏、はじめて刈払機を持ちます。自分だけのものじゃない、なのはなのみんなの刈払機だから、大事に使わなくてはいけないのはもちろんだし、使い方を誤ったら事故にもつながるし、緊張する気持ちもあります。

 けれど、草刈り経験者のみんなから話を聞いていると、楽しみな気持ちも大きいです。
まえちゃんに、「お気に入りの刈払機はあるんですか?」と聞いたら、「そりゃあ、自分の刈払機だよ」と答えてくれて、自分専用の刈払機は、それだけ愛着がわいて、相棒になるんだなあと感じました。
 あと、「夏にする草刈りが一番好きな作業なんだ」「自分がスッキリしたい気分の時は、草刈りをするんだ」と話してくれた子も居たなあ、と思い出しました。

 これから自分の相棒、刈払機とつきあっていけることと、できる作業が増えていくことが、とてもありがたくて嬉しいです。