
7月12日のなのはな
ナスの追肥は、永遠にできないのかもしれない……
ナスの追肥をしよう!と畑に出ては、強い雨が降ってきて、古吉野に逆戻りする、もしくは畑に出る前から雨が降って、今日は出来ないね、となるのを、かれこれ3回も繰り返して、1週間以上経過してしまっていました。
今日こそは、絶対に、ナスの追肥を……と思って、その願いを叶えるために、てるてる坊主作りを作ろう! と思いつき、なつみちゃんと、ももかちゃんと、超ビックサイズのてるてる坊主を4つ作り、一つひとつのてるてる坊主に、各畑のチームでやりたい作業(願い)を書いて、貼り付けました。
と思ったら、今朝からの雨が止んで、晴れてきた!?
収穫をしたあとに、大人数のみんなでナス畑に向かって、さっそくナスの追肥をはじめました。今日は、いつもは桃の作業に行っているメンバーもいてくれて、20人近くのメンバーでナスの追肥をスタート。ナスがわさわさと茂るカチカチ大の畑に、なのはなのみんなが牛肥を入れたてみを持って、行き交います。
こんなに早く願いが叶うなんて……てるてる坊主の効果、はかり知れず。
少し遅れちゃったけれど、4度目の正直で、首を長くして求めていたであろう栄養を、たっぷりと与えることができて、ナスのことを思うと幸せな気持ちでいっぱいでした。
1時間足らずで追肥を終えると、お父さんもナス畑に到着。
お父さんが指揮してくださって、たっぷりと与えた牛肥を株周りにならす作業と、ナスの株元から約20センチほどの高さまでの枝や葉を摘み取っていく作業にわかれました。
勢いよく、葉や茎が茂っているのはよいものの、株が全体が混みあっていて、今の梅雨時期、もわっとしていて風通しも悪そうな様子。
下葉を摘むだけでなく、主要な枝となっている太い3本の枝以外に伸びる強めの枝も落としていこうと、お父さんが教えてくれました。
下葉を摘んで、邪魔な枝を落としていくと、株元から20センチの高さまではすっきりと、中心の幹一本以外、さらっと何もない状態で、上の株全体も風通しがよさそうになりました。勢いもありつつ、スリムで綺麗なナス、という感じに。
5人のメンバーで、1人1畝担当で進んでいき、次々にたくさんのナスがすっきりと整えられていきます。自分の心や頭もすっきりしていくような感覚になります。
その間に、他のメンバーのみんなで与えた牛肥をならしていってくれていました。
剪定をしている間は、ナスの株に隠れて、誰がどこにいるか分からない状態になります。でも、剪定が終わって、立ち上がると、与えたすべての牛肥が畝の上に平らにならされて、株元は剪定されてすっきりとしていました。
こんなに人数がいるのに、道路の上からナス畑を見たら、誰がどこにいるのか、もしくは誰も見えないように、見えてしまう、面白いナス畑なのです。
約2時間という時間で、カチカチ畑の全面の追肥、ならし、剪定をすべて終えることができました。これで梅雨の雨で遅れていた手入れを、取り戻すことができて、一安心。
ナス畑がさらに洗練されて、ナスたちもさぞ喜んでいることだろうと思いました。
(やよい)
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夏のシーズンは、畑の野菜たちの成長もぐんぐん早くなります。けれど、それと同時に、畑の雑草は野菜よりももっと伸びが早く、草刈りの作業が夏の間は立て込みます。
草刈りの作業には、刈払機が欠かせません。この夏、刈払機を故障させずに気持ちよく使って、草刈りがはかどるように、今日は須原さんに教えていただきながら、刈払機のメンテナンス講習会を、みんなと受けさせてもらいました。
刈払機をこれまでも使ってきたけれど、どういう仕組みで刃が回っているのかや、どこを、どういう風にメンテナンスすればいいのかなど、刈払機に対する知識や理解がとても浅く、エンジンがかからなくなったらその時点でお手上げ状態、になっていました。そのため、どうしても刈払機を使うことが怖い気持ちがありました。でも、それでは道具を上手く使うことが出来なくて、ちゃんと道具の仕組みを知っていて、メンテナンスを自分でできるところまで含めて、使いこなす、ということなんだと思いました。
最初に、須原さんが刈払機の中の仕組みを、一つひとつ部品の名称も含めて教えて下さりました。刈払機の中を初めて見て、形も、大きさも様々な部品がそれぞれパズルのピースのように、噛み合って内側に収まっているところを見ると、とてもワクワクした気持ちになりました。
こんなにコンパクトな刈払機の中にも、それぞれのパーツが違う役割をなしていて、それが人体のようにも思えて、とても面白いなあと思いました。燃料をエンジンに送る役割、ピストンを動かす役割、上下運動を回転運動に変える役割。それぞれ役割は違った部品でも、絶妙なバランスで噛み合っているから、不具合なく動くことが出来るんだなあと思いました。
刈払機の仕組みを、須原さんに教えていただいて、知れば知るほど本当に面白くて、興味が湧きました。そして、これまで刈払機のことが怖い気持ち、理解が出来ない気持ちが無くなって、刈払機に親近感が湧いたり、理解が深まって、もっともっと刈払機のことが好きになるような感覚がありました。
仕組みが分かったところで、自分たちに出来るメンテナンス方法を、教えていただきました。メンテナンスを実際に須原さんがされているところを目に焼き付けてから、少人数のチームに分かれて、実際に刈払機のメンテナンスに入りました。
まず、1つ目の、刃を取り付けるギアケースにグリスを差す工程をしました。2つ目は、キャブレターという部品を取り外して、中に詰まったゴミや汚れを掃除する工程です。どこのネジを取ればいいのか、須原さんの手元を必死に思い出しながら、チームのみんなとドキドキしながら分解しました。すると、複雑な形をしたキャブレターが出てきて、とても心が躍りました。
キャブレターには、黒い油汚れがたくさん付いていました。内側に、こんなにゴミが溜まっていたんだ、と思いました。これが、エンジンをかからなくさせる原因なのだなと思いました。みんなと、パーツクリーナーを使ったり、歯ブラシでこすったり、ティッシュで拭くと、黒ずんだ部品が、見違えるように綺麗にピカピカになって、とても気持ちが良くなりました。
エアーフィルターを洗い、スパークプラグの点検をし、最後に、ドキドキした気持ちで、スターターロープを引いて、エンジンをかけました。すると、「ブルン!!」と一発で気持ちよくエンジンが掛かって、チームのみんなと顔を合わせて喜びました。とても嬉しかったし、刈払機と心が通じたような気がしました。メンテナンスして、大切に使うことが、どれほど刈払機に優しいことなのかを身に染みて感じました。
刈払機講習会の後は、早速、桃畑の草刈りをしました。刈払機置き場に行くと、新しく刈払機の割り振りがされていて、私の名前が書かれた刈払機も置かれていました。マイ刈払機が出来たことがとても嬉しくて、これから大切に、使っていきたいなと思いました。
(りな)