6月22日のなのはな
今年は例年よりも遅めでしたが、今日から梅雨入りになりました。梅雨のどんよりとした空模様でも、お仕事組さんもいてくれる、なのはなの週末は、活気があります。
午後から降る雨の前に、午前中は畑でできることを協力して進めました。
多人数ではじめに進めた作業は、桃のブルーシート敷きです。土曜日のため、お仕事組さんもたくさんいてくれる作業。予想雨量が多かったため、約140本の木の大半にシートを敷く、という大掛かりな作業でしたが、あゆちゃんが中心になってくれて、お仕事組さんがいてくれて、とても心強かったです。
4人1組になって1本の樹のシートを敷いていきました。それぞれの樹に割り振られているブルーシートを、桃の枝が伸びている範囲に敷いて、継ぎ目を鉄パイプで巻いて接続します。
私は、お仕事組の先輩方と一緒に作業をさせてもらいました。桃を大切に思いながら、精一杯に、加えて上品に美しい3人といられて、嬉しかったし、心を透明にして作業に向かうことができました。
あゆちゃんが全体を見てアドバイスをくれつつ、段々とみんなの動きも素早く的確になっていきました。開墾26アール畑、17アール畑、山の桃畑……、と大きな畑をみんなで終わらせて、中くらいの畑は2チームに分かれて進めました。
約2時間ほどで、9枚の桃畑のブルーシート敷きを終えることができました。これで、雨がたくさん降っても、必要以上の雨水をブルーシートが防いでくれて、桃の実が守られます。こんなに早く、気持ちよくブルーシート敷きが進められて、お仕事組さんの力に改めて感謝する思いでした。
ブルーシート敷きを終えて、あゆちゃんが、
「みんな、早く終わったからナスの追肥に行きたいんだけど、いい?」
と言ってくれました。それは、こんなに多人数がいてくれて、雨前の今がチャンス。是非に、とみんなで畑に向かいました。
ナス畑は、カチカチ大と中畑。どちらも面積の広い畑です。エルフ(1.5トントラック)の荷台で、あゆちゃん、やよいちゃん、ももかちゃんが牛肥をテミに入れてくれて、なるちゃんが、エルフから畑のみんなへ、手渡してくれました。みんなでエルフのそばに並んで、次々に牛肥の入ったテミを受け取り、テミ1杯の牛肥を3株ずつのナスに追肥していきました。3株、というのは、みんなが回転よく作業できるように、あえてテミに入れる牛肥の量を少なくしてくれての量です。
ナスは、足元に風よけの黒いマルチシートが張られていて、その効果か、草丈1メートル強、揃って元気に大きく育っていました。1株につき、どっさりと山盛りの牛肥を施すことができて嬉しかったです。
みんなが列をなして牛肥を受け取りに行く中、エルフからテミを上げ下げしてくれて、常に背伸びとしゃがむ姿勢を繰り返している、なるちゃんがすごかったなと思います。それも終始笑顔でした。
後で、「なるちゃん、すごい体力ですね」と声をかけさせてもらうと、「みんながどんどん来てくれて、定食屋さんをしてるみたいな気分だった」と話してくれました。
定食屋さん。なるちゃんの、あの時の活力と笑顔に、納得しました。
みんなで畑を駆けながら、2枚のナス畑の牛肥まきを終えて、「さあ、みんなシャワーだ!」とあゆちゃんが言ってくれて、昼食前の10分、みんなでダッシュでシャワーを浴びに行きました。
昼食は、特製のサンドイッチに、初収穫のミニトマトとブルーベリーがついていました。ミニトマトもブルーベリーも、大玉で、一口食べると、ぎゅーっと目を瞑りたくなるほど、甘かったです。
午前中、大人数以外でも、小豆の種まきや、太ネギの植え付け、桃の修正摘果なども進めてくれていました。雨前にできることを、最後までみんなで協力してできたからこそ、特別な昼食がより美味しく感じられました。
午後はいよいよ雨が降り、室内で過ごしました。
はじめに、体育館に集まって3人1組になり、OMTを行いました。テーマは、『今までやったことのある楽器と、演奏した曲の好きなところ』と、『今思っていること』。
明日から始まる楽器練習へ向けてのテーマでした。楽器のことを考えると、それだけでワクワクした気持ちがします。
私はクラリネットを吹かせてもらっていて、しばらくぶりになるけれど、クラリネットの深みのある柔らかな音色を思い浮かべると、幸せな気持ちになりました。一緒にOMTをしたすにたちゃんは、トランペット。ゆうなちゃんは、まだどの楽器になるか、決まっていません。まだなのはなで楽器を演奏したことがない子もたくさんいるので、これから一緒に練習していけることが、楽しみです。
また、今思っていることも、お互いに話して共有していけること、顔色を伺わずにありのまま、率直に話せるということも、すごくありがたい機会でした。
私は今のところ、ブドウとイチジクのことが頭の大半を占めています。ブドウはジベレリン処理2回目まで、なんとか難所を終えられたものの、新梢管理が遅れ気味。実に栄養を使えるように、なるべく早く摘芯を進めたいところ。
イチジクも同様に間引き剪定を進めたいけれど、木が大きく、密に茂っているので一筋縄ではいきません。
そうこうしているうちに、イチジクは夏果が熟れ始めるのも間近で、害獣対策を行いたいところ。梅雨ではあるけれど、雨の合間にできることを進めたい……。
そんなこんなで、ソワソワしていた頭の中も、2人に聞いてもらうと少し落ち着きました。2人の話も聞かせてもらって、2人が今、どんな気持ちを持っているのか、外からは分からないことも共有してもらって、嬉しかったです。
OMT後は、室内でできる作業に分かれました。丁度、頭を悩ませていたブドウとイチジクも、室内で進められる作業をみんなで協力して進めさせてもらいました。
まず、ブドウの袋掛け用の袋作り。これは新聞紙で作ります。作り方はいたって簡単。新聞紙を半分に切って、切ったものを半分に折り、二辺を糊付けして、貼り合わせるだけ。このとき、底辺は水が溜まらないように両端は糊を付けずに開けておきます。
こんなに簡単な袋で、新聞紙で、雨にも耐えられるのだろうか、と思っていたため、事前に検証もしてみました。すると、かなり雨に降られてもしっかりと新聞紙袋が形を留めている、という結果でした。
新聞紙って、すごいですね。ただの新聞紙に見えるけれど、こう見えてブドウ袋です。200袋、完成しました。
また、イチジクの収穫前、熟れ始めた実に、鳥対策で実にかける玉ねぎネット。その紐が、劣化して毛羽立ってしまってきたものを、新しいPPロープに取り換える、という作業も進めました。
PPロープは、スズランテープより高価なため、使うことにためらいもあったのですが、スタッフさんのちさとちゃんに相談すると、「私は、イチジクは大事だと思ってるから、使いやすい方がいいと思う」と言ってくれて、ありがたいな、と思いました。
なのはなにあった、ありったけのゴム通しを使って、ひたすらPPロープを通していきました。イチジクは、ピーク時は1日に100個以上の実を収穫します。その時期にも足りるように、約250袋、玉ねぎネットの紐を取り換えることができました。
まことちゃん、ゆきちゃん、えつこちゃん、とお仕事組さんもいてくれて、みんなでひたすらに紐通しができた時間が、ありがたくて、温かかったです。
できた袋は、物干しざおに吊るして、雨に打たせることに。雨に洗ってもらって、さっぱりとして、更に使いやすくなった玉ねぎネットを、イチジクの実にかけられることが、とても楽しみです。
さらに、夕食では初物の桃を頂きました。なのはなで一番早く収穫される、『はなよめ』です。
白く滑らかで、甘い桃を、みんなで味わいました。今日はお昼も夜も、旬の、格別な瑞々しい果実が頂けて、嬉しかったです。
雨が降っても、なのはなは常にみんなが助け合って、できることを精一杯進めていくことができます。田畑の面積は広がっていますが、みんなで協力していけたら、この夏もきっといい風に乗り切っていけると感じました。いつでも助け合える仲間がいることが、本当に心強くて、安心できます。
この空気感を、大切に持ち続けたいです。
(りんね)
***
この1週間ほどで、なのはなの畑でも、新しく収穫される夏野菜が増えてきました。
今日も、その新しい選手が登場しました。
その選手とは、ミニトマトと、夏キャベツです。
どちらの野菜も、畑の「ククナチーム」で見ていたもので、今朝、チームのみんなと収穫に行きました。
ビニールハウスに入ると、先に着いていた人たちが「凄く色づいてるよ」と笑顔で迎えてくれました。
ミニトマトが植わっているビニールハウス。
ここで2か月前にミニトマトが定植され、その時は、夏に彩りをもたらしてほしいな、という思いで植え付けました。
すぐ傍の露地にも定植されました。
それから、毎朝、ククナチームのみんなと、水遣りや脇芽摘み、誘引や、液肥の葉面散布など行い、見守ってきました。
植え付けた時は、足元でこじんまりとしていた株も、みるみるうちに伸びて、今では、みんなの身長を超えていて、青かった実も次第に色づきはじめ、鮮やかに実っていきました。
今日は、その待ちに待った収穫の日。
ハウスの中でも、その色は、ぱっと目立ちます。
今年、植え付けたミニトマトの品種は2種類で、定番の赤色と、オレンジ色のミニトマトです。
夏の鮮烈な色を、ぎゅっと込めたような色で、見ていると、夏がはじけそうだ、という言葉が出るくらい、嬉しい気持ちになりました。
今年も、夏のみんなの身体に元気をもたらしてくれるんだろうなあ、とありがたい気持ちになりました。
お昼にいただいた時、じわっと口の中に水分と濃い酸味が広がって、物凄く美味しかったです。
一方で、今日、夏キャベツは、3枚の畑があるうちの一つ、崖崩れハウス前畑で初収穫されました。
このキャベツは、今年の4月に入ってすぐに植え付けがされ、担当者が、毎日、見回ってくれていました。
水やりや草取りなどの手入れの折りにキャベツを見ると、見るたびに、結球している球が大きくなって、これは、もう収穫間近だ、と感じていました。
担当のしなこちゃんが今朝、ついに、収穫してくれました。
そのキャベツは、野菜のカタログに載っていそうなほど綺麗でした。
しなこちゃんたちが見回ってくれて、キャベツもすくすく育ったんだな、と感じました。
そのキャベツを見ていると、コールスローやお好み焼きなどのキャベツ料理が思い浮かんで、またみんなと夏のキャベツを頂けるのが、楽しみだな、と思いました。
これから、キャベツもミニトマトも、夏の気配をもたらしてくれて、なのはなの食卓に、色鮮やかで豊かな彩りを添えてくれることが、嬉しいなあ、と感じました。
(ほし)