盛男おじいちゃんの山の中の暗闇に光る、暖かなランプの明かり。キャンプ二日目の夜、山小屋のリビングではお父さんのギターと、明るい歌声、お母さんの歌声が響き渡る、「Kenny&Yukarina 山小屋ライブ」が開催されました。
私は、今回のキャンプでライブの実行委員をして、本番まで実行委員のみんなと準備を進めてきました。ライブの構成を考えたり、みんなからライブ中に挟む質問を募集したり、リクエスト曲を募集したりと、準備内容は多岐にわたりました。
そのほかにも、看板を作ったり、ライブを盛り上げるためのうちわも制作しました。
■一つの部屋に
今回のキャンプのテーマは「昆虫」ということで、うちわはすべて虫の形に型どり、裏にはメッセージを書いて、面白さを出しました。
キャンプ二日目の朝に音響セットをして、山小屋のリビングをライブ仕様に整え、みんなが夕食を食べ終えた夜十九時頃、山小屋のリビングにみんなが集まりはじめ、ランプの明かりがお父さんお母さんを照らしだしました。
総勢約六十人が一つの部屋に集うと会場は満員御礼、ぎゅうぎゅうになって、階段に座ったり、隅っこにすっぽり収まる人もいました。
座っている隣の人との距離が近くて、肌寒い山の夜も、なんだか熱気があって暖かく感じました。
さやねちゃんの司会で開幕した、お父さん、お母さんのライブ。第一部は、みんなからあらかじめ募集しておいた質問に、お父さんが答えながら歌ってくれました。
■表現・昆虫について
今回の質問のテーマは、「表現について」「昆虫について」。
表現の題について、印象に残った質問は、
「人前で歌うときに、恥ずかしがらず、お父さんやお母さんのように自由に歌うには、どんな心持ちで歌えば良いですか?」
という質問でした。
それに対するお父さんの回答は、
「いやあ、僕もお母さんも人前で歌うのは恥ずかしいよ。
ただ、歌うときに何かその役になりきって、見てくれている人を楽しませようと思えば、自然と生き生きと歌うことができるんじゃないかな」
と答えていました。ほかにも、
「音程と表現力の双方を生かして歌うにはどうすればよいか」
「普段の生活の中での笑顔と、ステージ上の笑顔の使い分けについて」
などの質問もありました。
■心に響く歌声
虫に関する質問で言うと、「虫が存在する意味はありますか?」という質問があり、それに対する回答は、
「虫の存在する種類の、地球上における割合は、全生物のうち半分以上を占めていると言われている。人間もそのバランスの中で生かされていて、どんな虫も欠かせない存在なんだよ」
と教えてくださいました。今年のウィンターコンサートのテーマにつながるようなお話もたくさんあって、興味深かったです。
第一部で歌われた曲は、『大空と大地の中で』『RUN』『一本道』『青空ひとりきり』『東へ西へ』などでした。どの曲も初めて聞いた曲でしたが、弾き語りのギターの音色と力強い歌声が心に残りました。
■お母さんの占いの館
休憩をはさんだ後の第二部は、お母さんの占いの館、お誕生日占いからはじまります。
占い師のベールをかぶったお母さんが登場し、一気に占いムードに。このお誕生日占いは、よく当たる、となのはなの間では評判になっています。今回は、くじで引かれた五人の誕生日占いが読み上げられ、その後に、その人に向けた一曲を、お父さんお母さんが贈ってくださいました。
最初に当たったのは、さとえちゃん。さとえちゃんは真面目で秘めた力の持ち主と言われていて、まさにさとえちゃんの特質だなと感じました。
そんなさとえちゃんに向けられた歌は、『少年時代』。実はこの曲はライブの中で唯一私が知っていた曲で、聞きながら心の中で一緒に歌っていました。お父さんが歌われると、私が知っていた原曲と印象が変わって、はかなげなこの曲の良さが引き立っていました。 その後にはふたばちゃん、ななほちゃん、みつきちゃん、りなちゃんと言う順番で次々と読まれていき、そのたびに歌も披露されました。
第三部は、生質問、フリートークのコーナーで、ゲストの相川さん、大竹さんからの生質問にも答えられていました。会場を見渡す、とても穏やかで和やかな空気が終始流れていたなと思います。
最後までみんなで小さい一つの部屋に身を寄せ合っていた時間はとても暖かく尊いものでした。